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 訪問介護とは、ヘルパーや介護福祉士が利用者の住居を訪問して、身体介護生活援助などを行うサービスです。身体介護や生活援助の内訳は今回紹介しませんが、訪問介護は介護サービスの中でも、特に重要であると個人的には考えております。
 今回は訪問介護の魅力を紹介しつつも、その現状は厳しいものがあるという点にも触れていきたいと思います。

1.訪問介護の素晴らしさ

 地域包括ケアシステムの構築が推進される中、住み慣れた地域で生活を続けたいというニーズは、今後も増えるかもしれません。平成28年度の「高齢社会白書」(内閣府)によると、男性の42.2%女性の30.2%は介護が必要となった場合に、自宅での介護を希望するようです。今後の世の中は、老々介護独居高齢者が増加してくることは、おそらく間違いないでしょう。では誰が生活をみてくれるの?ってなった時に、訪問介護員の担う役割は本当に大きいと思います。
 さらに訪問介護員は、居宅に入り実際の生活をみて支援ができる。そりゃそうだと思うかもしれませんが、これができることは貴重なんです。私は普段ケアマネジャーとして支援をしていますが、直接援助ではなく相談援助です。生活している姿を十分見れるわけではないし、家族との関係性も把握しきれません。訪問介護員が生活を見てくれるからこそ、私も利用者の本当のニーズに気づくことができます。
 日々感謝をしているところです。

2.訪問介護を取り巻く実情

 居宅に入るということは、その利用者の世界に入り込むということになります。人それぞれ生き方が違うため当然要望も異なってきますが、そこに対して「援助技術の未熟さ」だったり「苦情への対応の難しさ」だったりが重なり、訪問介護員の精神的負担は大きいことが予想されます。このようなことを背景として、賃金面や身体面の負担がのしかかり、離職する職員も少なくないようです。
 そもそも訪問介護の職場は圧倒的な女性職場であり、非正規職員の割合も多い環境と言われています。生活援助や多様な要望に対応するためには、女性や非正規職員が多い環境が適していたのかもしれませんが、今の世の流れを考えるとこのままでいいのかと考えてしまいますね。訪問介護員の離職が進めば、自宅での生活を諦めざるを得ない利用者も出てきてしまうでしょう。

3.何ができるだろうか

 私に何ができるだろうか?
 訪問系サービスには、訪問介護だけでなく訪問看護や訪問リハビリテーションもあります。それぞれの実情を、まずは把握していきたいなと思います。
 私は元々理学療法士として、病院だけでなく訪問でも働いていました。病院スタッフからは「訪問は不安」「もっと知識や技術をつけてから訪問へ」と考えている人が、意外と多かったです。ですがそれと同時に、訪問へ関心を持っているスタッフも多かったです。
 リハビリテーション業界は、早期在宅復帰を目指しているため、おそらくこれからも訪問を推進してくると思います。私の立場として、そこに協力できればと考えています。

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