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緊張、どう乗り越える?

こんにちは。

先日このような記事を投稿しました。

音楽を奏でる上で多くの人が直面したことのある問題かと思います。
今日はこのトピックと少し関連する「緊張」に関するお話を。

人前で演奏すること、舞台に立つことというのは多くの人にとって緊張するものであると思います。

もちろん中には緊張なんて全くしません!なんていう方もいらっしゃるかとは思いますが、多かれ少なかれ本番へどのように気持ちを持っていくか、頭を悩ませたことのある方がほとんどではないでしょうか。

あくまで緊張感を持つくらいの範疇に収まる人もいれば、ご飯も喉を通らないほど緊張する、緊張で体が震えてしまうなんて人もいます。

かくいう私も今は人並みに緊張はする方だと思うんですが(ほんとシチュエーションによる)、昔は緊張というものを全く意識してきませんでした。

意識してきませんでした、というのがミソです。

私が初めて演奏というものに触れたのは、実は幼稚園の頃に習い事で通っていたエレクトーン教室でして、その後も新体操やバレエをやってみたり、ピアノをやってみたりどうしてか舞台に立つ習い事ばかりやっていたんですが、その頃から「緊張からとんでもないミスをした!」みたいな思い出って特になくて。
覚えてないだけかもしれませんが、私は割とミスを引きずる質なので覚えてないってわけでもなさそうでして…。

じゃあ初めて緊張を意識したのがいつかっていうと、高校1年生の頃のコンクールメンバー(夏の甲子園のスタメンみたいなもんです)選抜のオーディションでした。

これまた面白いんですけど、オーディションが始まってからはずっといつも通りで、完璧に吹いてやるぞー!ってな感じで順調に進んでたんですが、いよいよオーディション終盤で楽譜的にももう山場は過ぎ、あとは数小節音伸ばすだけやってときに「この10分やら15分でひと夏どう過ごすか全部決まるんか」と我に帰ってしまって。

最後の最後に急に心拍数上がりだしてヘンな汗かいてきて「緊張するって怖!!」って思ったんですね。遅いわって。

正真正銘の終わりかけだったおかげで大きな失敗もなくそのオーディションの内容には特に影響しなかったんですが、緊張に飲み込まれるってこういうことかってそのとき初めて知りました。

それ以来毎本番緊張するようになったかと言われると実はそんなこともないんですが、この話は後ほど。

さて思い出話が長くなりましたがその頃を振り返って今思うのは、元が緊張しない鋼メンタルだったわけじゃなくて、それまで何にびびっていいのかが分かってなかっただけだったんだと思います。

怖いもの知らずの子どもみたいに、こんなところで走ったら怪我をするとか、ここを触ったらやけどするとか、行動に伴うリスクがまるで分かってないと怖がりようがないんですね。
でもきっと一度転んだ道は次からは慎重に歩くようになるでしょう、怖がりながら。

結局緊張もそれと同じで、今自分がどんな局面なのかを理解できるだけの経験値がないとちゃんと緊張することすらできないんです(あくまで私は)。

少しさっきの話に戻りますが、今の私は全く緊張しないなんてことはない、だけどいつでもガチガチに緊張しているかと言われるとそんなこともなくて。

私はどんな本番のときでも変わらず、本番直前でも舞台上に立ってからでもなく本番前日が緊張のピークなんですが、ここを紐解いていくとひとつの緊張との向き合い方が見えてきます。

なぜ前日がピークに緊張するのか、何に緊張しているのかということを考えたとき、私は人前で音を出すことにハードルを感じているのではなくなんらかの不安要素があるからこそ緊張していることが多くて。

それは例えば「リハーサルでペース配分があまり上手くいかなかったけど、本番の最後まで体力持つかな…」とか、「この曲リハーサルで何度確認しても(音域なりテンポなり)リスキーだったな」とか。
これも結局経験値を積んだからこその気づきで、その気づきがなければ生まれない緊張ですよね。
みっちりリハーサルを重ねれば重ねるほどいろんなことが見えてきて、もっと磨きたいと欲が出て、本番までにあとはなにができるだろうとソワソワしてしまうのです。

だから本番を迎えてしまえばもうあとはやるしかないはずなんですが、その不安要素が大きければ大きいほど、時にその不安が的中してしまったときなんかは本番でも緊張が表れることもあったり…。

こんな風に緊張と向き合いはじめてから感じるようになったことですが、私は緊張するということをマイナスに捉える必要はないと思っています。

これは音楽に限った話ではありません。
いくら万全の準備をしていったとしても完璧なんてことはありませんし、そもそも緊張する状況にある(音楽であれば人前で演奏するなど)という時点でイレギュラーなのですから、いつもと違う精神状態で当然のことでして。

ここで私が大切にするようにしているのはそのときの精神状態を否定しないということです。

もし緊張しているなら「今自分は緊張しているな」と認める。
緊張していると体が硬くなったり、息が浅くなったりしているでしょう。そんな体の状態も含め今の自分を認識します。

私の経験談みたいに、自覚なく急に動転しはじめるみたいなパターンが一番コケていきやすい気がしますから、「緊張してるな」と自覚できた段階でなんならプラスといってもいいです。

そして今の状態を受け入れた上で、無になることを頑張ります。
いきなりパワーで解決感が出てきてしまいましたが、これこそが感情のコントロールだと思っていて。

緊張している現状は変えられないし変える必要もないのですが、脳内まで「緊張してる!どうしよう!」で占領されてはちょっと具合が悪いです。
なので、リラックス!的な話ではなくて、「頑張って無の状態を作る」ことを考えるのです。
頑張って無、ってすごい矛盾してるようですが私はこの感覚が一番気持ちを作りやすかったので。

そしてその上からその音楽に必要な感情を乗せていきます。
これは完全にイメージの世界ですが、私は緊張している色の上から無理やり「音楽に必要な感情」の色を塗っていくよりも、無になることを頑張ることでいったん真っ白のキャンバスを作ってから「音楽に必要な感情」の色で彩色していく方が簡単だな~みたいな話です。

以前の記事含め散々感情をコントロール云々言ってきましたが、緊張している身体の状態を無理やりリラックスさせるなんてことはほぼ不可能なことだと感じています。

なので「緊張を和らげないと!」ではなく、「緊張している状態でパフォーマンスする」に意識を切り替えて、緊張している自分を受け入れてしまうことが一番現実的な道なのではないかなと、少なくとも今の私は感じています。

いろいろ書きましたが、これが今の私の緊張との向き合い方でした。
数か月後、数年後には全然違うこと言ってるかもしれませんが。

これからたくさん緊張と相対することになるだろう未来の私と読んでくださってる皆さん、各々の活路を見出して頑張っていきましょう。

それでは今回はこのあたりで。
最後までお読みいただきありがとうございました。


【出演情報】
7/23(火)19:00開演
大阪コンサートブラス 第26回定期演奏会
2ndバリトンでエキストラ出演
※私個人のSNS(noteから飛べます)のDM等でもチケットご予約いただけます。


8/24(土)14:00開演
オオサカン昼下がりの音楽会シリーズ アンサンブルコンサート『ローブラスアンサンブル〜てんこ盛りローブラス〜』
※私個人のSNS(noteから飛べます)のDM等でもチケットご予約いただけます。

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