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ヘラブナ釣りと孤独~理解者を求めて彷徨う私の人生~vol.2

はじめに

私には、心が満たされず、ずっと悲しい思いをしていることがある。

それは、物心ついた頃から母方の叔母二人(仮名:花子と佳代子)が近くに住んでいることである。

花子は、私が高校を卒業した年に娘が生まれたが、佳代子には子供がいない。

特に花子は私の妹を溺愛し、自分の子供のようにかわいがっていた。

今では、母方の祖母をはじめ、女性6人が徒歩圏内に身を寄せて住んでいて、私は蚊帳の外である。

私は、4年前から徒歩で20分くらい離れたところに住んでいるが、親元にいた時から、父方の親族にそばに住んで欲しかったという思いがある。

兄弟仲がいいことはことは結構だが、近すぎると感じていた。

私の妹と佳代子は結婚しているが、母方の祖父と私の父は他界していて、花子は離婚している。

男性は、妹の夫と、佳代子の夫しかおらず、2人は私と折り合いが悪い。

このエッセイでは、私が幼いころから抱えていた身内の孤独について書きたいと思う。

私と相性が悪い花子

冒頭に書いたように、花子は私の妹を自分の子供のようにかわいがっていた。

「妹ばかりかわいがっている」という私に対し、「僻むな」と言った。

その割には、私の母がパニック障害持ちの佳代子に目を向けていると、「お姉ちゃんは花ちゃんよりも佳代子がかわいいんだ。」と言っていた。

花子は自分をちゃん付で呼ぶ時があり、結婚していた時も旦那に、「花ちゃんを幸せにする気があるの?」と言っていた。

日頃、私に対して嫌味が多く、何度腹が立ったかわからない。

仕事が続かなかった時に、「男なら這ってでも行け」と言ったが、素行の悪い花子に言われたくはないと思った。

花子は、私に妹をかわいがるように言っていたが、佳代子を自分の都合のいいように利用していた。

生まれたばかりの花子の娘の面倒を見させたりしていたのである。

私の母は、仕事をしていたため、平日は被害が少なかったが、我が家に娘を置いてパチンコに行ったことがある。

毎週のように我が家で酒を飲んでは、大学受験だった私の邪魔をした。

花子には「死ね」と言われたことがある。

それは、父がガン宣告を受け家族が大変な時に、仕事もせず、毎晩酒を浴びるように飲んでいたからである。

私としては、悲しさと自分の人生が上手くいかない苛立ちがあった。

とは言え、人に「死ね」などと言っていいはずがないし、私は花子を生涯許すつもりはない。

唯一の理解者だったかも知れない佳代子

そんな状況でも、佳代子はいくらかマシで、仕事が続かなかった私に対して、「あの子の気持ちもわかる」と言っていたり、統合失調症を発症した頃に、遅い時間でも飛んできた。

また、「妹ばかりかわいがっている」と言ったことに対して、「私が男だったらあんたの気持ちもわかったのにね」と言っていたりと、多少は同情していた。

佳代子と私は叔母と甥の関係だが、10個しか離れていない。

花子よりも佳代子になついていたような気もするが、私も思春期になり、佳代子を鬱陶しく感じていた時期もあった。

佳代子はパニック障害を抱えているが、その分、人の痛みが分かる人であるように感じている。

性格も私と似ているところがあって、祖父に「もっと気を強く持て」と言われていた。

孤独に打ちひしがれるなかで、佳代子は私の孤独を多少は理解していたように感じている。一時期関係がこじれたが、今ではお互いの誕生日にメールを送るようになった。

私の人生を左右した叔父の告げ口

母は4人兄弟で、すぐ下に徹(仮名)もいる。

車で1時間くらいのところに住んでいるが、あまりにも花子が問題を起こすため、「お前ら傍にくっつきすぎだ」と言っていた。

徹とはそこそこ思い出があるが、中学に入学したころ、太り気味だった私を揶揄したため嫌いになった。

徹との関係がこじれたのは、私が高校を卒業した時である。

私が通信大学に通おうとした際、父に通信は良くないと告げ口し、結局学費を出してもらえなかったからだ。

徹は、高校で体育を教えていて、部活ではバレーボール部の顧問だった。

私が高校を卒業した次の年まで子供が生まれなかった。

高校では、きちんと生徒と向き合っていたと聞いたことがある。

高校時代の傷が癒えずにいたため、通信大学を選んだ私を理解して欲しかったと思う。

おわりに

「父方の親族とはどうなっているんですか?」と思った人もいることだろう。

本文中には出てこないが、父方の親族とは、父が亡くなって以来冠婚葬祭でしか会わない。

学生のころは釣りに行ったりした思い出があるが、父と伯父が仲良く釣りをしている姿を見ては、羨ましくて涙がこぼれ落ちた記憶がある。

私には妹がいるが、ずっとヘラブナ釣りをやる優しい兄貴が欲しかったと思っている。

こればかりはもうどうにもならないが、今後、せめて釣果に勝る良き友を得たいものである。

親元にいた時は、唯一男性である義弟と佳代子の夫と折り合いが悪くて孤独を感じていた。

義弟は、障がいを抱えている私を蔑んでいるため、今でも会っても話すことはない。

佳代子の旦那は、血が繋がっていないのに私を呼び捨てにするため、好きになれない。

もう少し、寛容になる必要があるのかもしれない。


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