あんた誰ってことで。

　思えば20代の半ば頃、銀魂という漫画に夢中になったことをきっかけにブログを開設していたことがある。

　毎週月曜日に発売されるジャンプを仕事前にコンビニで購入し、車の中で即座に読む。

　仕事自体はしっかりとこなし（ていたはず）、終われば即座に帰宅。夕飯を作る前に感想と考察を書く。自慢ではないが、結構な読者がいた。月詠という廓言葉の女性キャラクターがいて、彼女の登場回は自分で言うのもおこがましいが結構な考察をしていたので読者数、いいね数も伸びた。

　それが月曜日のルーティンだった。

　その後、銀魂は、私の想像範囲を軽く越え、言い換えるならば想定を遥かに上回った…いや違う。「こうなってほしかった」希望とは全く違う展開となり、嘘のように私の心からブームの波は去り、ブログも更新が滞り、今ではパスワードさえ覚えていない。（閉鎖すればよかったと後悔している）

　あれから5年ほどが経過した2020年。TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSは相変わらず続けていたが、こうして長文を打つ作業は仕事以外では久しぶりである。

　そもそもどうしてnoteを始めようと思ったのか。

　元々、気にはなっていた。ただ、「忙しい」「新しいことが面倒くさい」などと理由をつけて手をつけなかったのだ。忙しくもなければ、新しいことを始めなければ思考停止状態になってしまうというのに。

　一生懸命、しかし中途半端に生き続け、2020年がやってきた。

　来る（はずだった）東京オリンピックに胸を躍らせ、レギュラーで持っている番組のスポーツニュースコーナーではひらすらその記事を紹介し続けた。

　約３年前からメインの仕事ともなっているサッカー関連のニュースと同じくらい取り上げてきた。

　唯一と謂っても良い心の拠り所である東京ディズニーランドは、2020年4月15日に『ニューファンタジーランド』がOPENする予定だった。OPEN初日が難しくても、その付近には必ず行こうねと夫と胸を躍らせていた。

　しかしどうしたことだろう。

　新型コロナウィルスってなんだそれ。

突如現れた未知のウィルスによって、人々の日常が悉く奪われていった。

　個人的には、仕事に関しても今年はもう一段階レベルアップできそうな気がしていた。目指す自分へ進むための一年になりそうだと確信していた。しかしーーー

　新型コロナウィルスってなんだそれ。

　私だけではない、日本だけではない、世界から「日常」が消えた。

　そこで、noteだ。要するに、暇なのだ。

　あるはずの仕事が、全部と言っていいほど無くなった。入る予定の収入はほとんど入らなくなってしまった。本当はnoteなど始めている場合ではないのかもしれない。今を乗り切る策を考えるのが先なのは理解している。それなのに、人間の脳はなかなか切り替わることを許してくれない。

　でもこの「暇」を無駄にしたくない。人は生きている限り「考え続ける」生き物でなくてはならない。

　noteを始めるという決断も「新しいことへの挑戦」なのではないか。

　私は仕事柄、「伝える」ことを使命だと思っている。自分の言葉で。

　多くのSNSが台頭する中で、多くの言葉を用いることができるnote.をこのタイミングで始めることは、私にとっては「いつか来るであろう未来」だった。

　なんでもいい。自分の言葉で綴っていこうと思う。

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