衰えたメッシにボールが集まる理由

中間管理職になり、1ヶ月が過ぎた。
この1ヶ月は試行錯誤の日々だった。
「自分なり」という抽象的な道標に、
行く先を委ねてはいけないことも感じていた。
今日まで2泊3日にわたる出張があり、
初対面の先輩と共に相部屋で過ごした。
先輩は3時間に及ぶ対話を通じて、
自力では形容しきれなかった抽象概念を、
さらりと言語化してくださった。

以下、対話の記録です。

「1ヶ月この仕事をしてきました。
しかし私にはこの仕事でどこに向かうことが
前向きに取り組むことなのか分かりません。
先輩はこの仕事で最優先の注力事項は
何だとお考えですか?」

先輩
「我々中間管理職の仕事は
チームが自信を持てる分野を1つ見つけ出して
社員に誇りを持たせることだ。
自エリアの尖りを察知し、
上層部に『何を魅せるか』を1つ決めることが
我々の仕事に求められるものだ」


「社員ごとに強みは異なります。
それでも1つの分野に統一するんですか?」

先生
「社員の武器は違う方がいいよ。
行き先だけブレなければ立派なチームだ。
優勝という目的が同じなら球が速い投手、
長打力がある打者、2人とも必要になる。
そして彼らが力を発揮することが
どのように目的達成に紐づくのかを
気づかせてあげられたらいいよね。
点を線にするのがこの仕事じゃないかな」

私の仕事は、エリアの強みを見つけること。
社員に伝えることで自覚させて
誇りを持って働ける社員を増やすことだと
心の底から共感をすることができた。
さらに続けて尋ねた。


「プレイングマネージャーである以上、
営業成績の率先垂範は欠かせないという
イメージがどうしてもあります。
圧倒的な力の差を見せることは
責任者として必須なのでしょうか?」

先輩
「もちろん数字で示すことは手っ取り早く
社員を黙ってついて来させる方法だよね。
でも、衰えたメッシにボールが集まる理由を
説明することができるかな?
全盛期を終え若手に台頭され始めたのに、
それでも彼にボールを集めるのはなぜだろう?
きっとチームの全員に『この人を立てたい』
という共通の精神が流れていたんだと思うよ。
君がやるべきは『このエリアで勝ちたい』
と思わせるエリアを築き上げることで
『勝ちたいと思ってくれた人』に
報いるための学びを止めないことだね。」

業界的なグレーゾーンを考慮して
この後私が考えた具体策は言及は避けておく。
私の仕事の誇りを、初めて明確に自覚できた。

今回の書体を対話形式で書いたのは、
先輩への敬意の表象です。
メンターに出会うことができました。

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