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はじめて美容院に行ってみた話

八月から美容室に行き始めた。
今までは家族でやってる床屋さんに学生の時から通っていた。
なんでまたこのタイミングで変えたのかと言うと、好きな人から「髪は美容室で切った方が良い」と言われたからだ。
その一言で約9年通った床屋を裏切った(人気のある床屋さんなので、きっと僕が居なくなっても問題ないはずだ)。

僕は昔からコミュ障と言われる人間なのだと思う。
初対面の人と上手に喋れない。喋れないだけならまだしも、めちゃくちゃ汗をかいてしまう。
髪を切る場なんて最悪だ。かなり近い距離で話さないといけないし、汗をかいたら直ぐバレてしまう。だから今まで慣れ親しんだ床屋に通っていた。最低限の会話だけで許してくれるその床屋は、そんなにストレスを感じなく髪を切ってくれた。

だが美容室はそうはいかなかった。受付には綺麗な女性。イケてる美容師。入店後直ぐに萎縮していることが分かった
ビビっていたのだ。アンケートに答え、席に通される。ジャンルが分からない音楽と隣の席では楽しそうに会話していた。
美容師さんに聞かれる「今日はどういう風にしましょうか?」
僕は困った、「どうしたいとか願望が無いのだ」。ただ好きな女性に「髪は美容室で切れ」との言葉を頂いたのでそれを実行しただけだ。「短めでお願いします」。と答えるのが精一杯だった。

まず驚いたのが美容室のエプロンみたいなヤツは手が出せるようになっていて、雑誌を読んだりも出来る。手を通すシステムが分からず、少し変な間が生まれてしまい気まずっかった。ちょっと汗もかいてしまった
受付の綺麗な女性がそれっぽい雑誌を何冊か持って来てくれた。家具や小物を紹介する雑誌だったが読まなかった。雑誌の中に切られた髪が入ったら次の人が嫌な思いをすると思ったからだ。それと人様に髪を切ってもらっている時に本を読むのは、偉そうな感じがしてちょっと嫌だった。

美容師とはやっぱりプロで、「こんな感じにしましょう」と提案してくれるし、こっちが黙ってると無理に話かけてこない。なんて優しい人なんだ。
だから髪を切られている間は少しだけ話すか、鏡の縁をずっとみていた。長時間自分を見るのは少し滑稽な感じがして嫌だと思った。

髪を切るのにそんなに時間はかからなかった。
会計を終え無事に店を出た時には、謎の達成感自信を手に入れ帰路についた。
言われた事が出来たのと、新しい事を成し遂げた達成感からだろうか。
僕に美容室で髪を切れ、と言ってくれた女性とはどうなるか分からないけど、新しい一歩を踏み出すことが出来たので感謝している。ありがとう。
そして美容室これからもよろしく。

何か美味しいものでも食べます。