職業MIX師をガチで考えてみた②

前回の続き!
職業MIX師をガチで考えてみたパート2

前提として

自分は職業MIX師をどちらかというと否定する立場の人間である
自分で言うのもなんだがそもそもMIX師ってミキシングできないミキシングエンジニアのことなので
職業にするならちゃんとミキシングエンジニアって名乗ってよ!
っていうのが個人の意見

で、業界団体が言うところの職業MIX師というのが存在すると仮定するのであればどんなビジネスモデルがあるのだろうか?
というのが今回のテーマ

MIX師のメインターゲット

の顧客層はニコニコ動画やyoutubeに投稿する若いシンガーで、中高生も多い
出せる費用も限られている
そのため普通のミキシングの相場よりもかなり安い設定でやる人が多い
オケとボーカルを合わせる仕事が1曲5000円くらいでおこなわれている
はっきりいって安すぎるし高すぎる
素人が趣味で歌う歌に1曲5000円は頼む方としては高すぎるし
仕事でやるなら割に合わないくらい安い
でもそれを職業にするんだ!という人たちが現れてしまったので仕方なくそのビジネスモデルを考えてみるよ

職業MIX師ってプロなんでしょ?

プロはクオリティ以上に効率を重視しないといけない
自分が働いた時間当たりどれだけ稼ぐかでプロは価値が決まる
いくらいい仕事をしてもそれがコンビニの店員よりも時給が低ければコンビニで働いた方がいい
別にコンビニでなくてもいい
仕事なんていくらでもある
プロはそれを仕事にして飯を食っていくんだから、よりよい収入を得るために全力なのがプロフェッショナルな考え方だ
収入が少なくてもいいから、やりたいことを仕事にするってのはアマチュアのあまちゃんな考え方で
プロなら1円でも多く稼ぐことを考えよう

最高のクオリティの作品を全力で作り続けるのはアマチュア志向

自分を安売りするのは自分を貶めることだと自覚しよう
自分を最高に評価してくれた顧客、つまりいいギャラを払ってくれた場合のみ最高品質に仕上げるのがプロの考え方だ

最高の効率って
でも敷居を高くして誰も買ってくれなかったら意味がないよね
そこででてくるのが

予算に合わせて内容を変える

例えばいっぱいコースを作ってはじめはとっつきやすい金額を買ってもらって
気に入った人に高額で全力な商品を売るって方法
まずは自分で自分の時間当たりの金額を決めて、予算に応じて作業時間を変えるのがいい
思うに、専門職としてプロフェッショナルな仕事をするなら最低でも時給は3000円くらいは欲しいよね

具体的なプラン

梅コース 1曲1000円ミキシング
マーケットに合わせるのであれば結構妥当な金額だと思う
1曲1000円で何ができるか?を考えて商品化すると
・1トラックで
・頭出しがされていて
・ボーカルエディットなし
・iZotope NectarでAIまかせ
・リテイクなし
これなら作業時間10分から20分なのでなんとかビジネスとして成り立つ
1時間以上かけるのであれば最低時給を下回る効率だから絶対ダメ
30分でやってもフル稼働して年収200万円くらいにしかならないのでダメ
いわゆる見せ筋商品としてこれを置く

竹コース 1曲3000円ミキシング
作業時間が1時間ほどとれるので
一番需要が高いボーカルエディットを梅コースにプラス
学生相手ならこれくらいの価格帯が限度だろう

松コース 1曲10000円ミキシング
そこそこちゃんとやる
音を聴いてそこそこ個別に調整するならこれくらいの金額は欲しい
10000円の商品を売りたいなら1000円の商品はこのクオリティの10分の1までに抑えるのがポイント

特選コース 1曲30000円ミキシング
フルサービスでちゃんとやる
全力で高品質な商品を作るには十分な料金だと思う

こんな料金体系はどうだろうか?
今の業界は正直割に合わない仕事が多すぎてプロとしてやっていけるものではない
ちゃんとした人がちゃんとやるならやっぱ1件当たり30000円は最低欲しいと思わないかい?

今の職業MIX師がダメなところ

相場に合わせた料金体系にしているのに
それに全力で制作しすぎ
これでは単価が上げれない
「いいものを安く」した結果、業界全体が貧乏になっている
腕がプロでもビジネスがアマチュアだと食っていけないんだよね
「いいものを高く」「それなりのものをそれなりに安く」の二つが職業MIX師の生き残る方法だ

続く


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