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「スポーツ」と「映画」、というか「スポーツ映画」についてのよもやま話

「スポーツ」と「映画」の相性

noteに投稿した、『ケイコ 目を澄ませて』についての別記事で、一般的な「ボクシング映画」についても少し触れたのだが、それを切っ掛けに「スポーツ映画」全般について、もう少し調べてみようと思った。

映画もスポーツも、エンターテインメント(もしくは興行)ビジネスにおける一大カテゴリーだと思うが、しかし「スポーツ映画」というのは、映画におけるそこまで大きな(あるいは人気の)ジャンルではないように思う。

まず、映画賞やいくつかのランキングにおけるスポーツ映画について*だが、2021年度で94回を数える米国アカデミー賞で作品賞を受賞したスポーツ映画は、
ロッキー』(1976年)
炎のランナー』(1981年)
ミリオンダラー・ベイビー』(2004年)
の3作であった。

また、45回を数える日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞したのは、
しこふんじゃった。』(1993年)
の1作であった。

調べた範囲では、世界の興行ランキング歴代ベスト200にスポーツ映画はランクインしておらず、10年に一度発表される英国映画協会のベスト100作品(2022年度発表版)にも、スポーツ映画は含まれていないようだった。(いわゆる世界三大映画祭については、エンタメ色の強いスポーツ映画はおそらく受賞していないだろうと思い、丹念には調べていない)

どうも「スポーツ」と「映画」は、そこまで相性が良くないらしい。

映画業界には「ボクシング映画に外れなし」という言葉があるように、ボクシングは例外なのだろうが、それ以外の競技を扱ったスポーツ映画で「名作」と呼ばれるものは、あまり多くはないように思う。(ボクシングと映画の相性が良い理由については、別記事の方で少し触れている。端的に言うなら「フォトジェニックな競技である」「感情移入させやすい競技である」の2点と、「映画界で歴史的に培われてきた格闘シーンの撮影技術が活かせる」という点だろうと思う。)

両者の相性がよくない理由としては、映画と言うフォーマットの「上映時間」も原因の一つのように思う。多くの映画は90~120分強であるが、実際のスポーツ、特にボールゲーム系の試合時間は90~120分程度の競技が多く、いわゆる「人間ドラマ」の部分と「スポーツの試合」のダイナミズムを1本の映画の中で両立させるのが時間的に難しいということではないだろうか。例外的にボクシングとの相性が良いのは、この競技が1ラウンド3分を単位とすることとも関係があるのかもしれない。

*受賞作や候補作等の資料を記事の後ろに補足資料としてまとめている。


「スポーツ映画」のタイプ

さて、ここまでは特に説明をせずに「スポーツ映画」という言葉を使っていたが、「スポーツ映画」と一口にいっても、作品ごとにスポーツとの関わりの濃淡には差があり、大別するならば「スポーツがメイン・プロットの映画」と「スポーツがサブ・プロットの映画」の2つのタイプに分かれるように思う。

前者は、描かれるスポーツの試合の勝敗や結果が、その映画のストーリー上で大きな比重を占める映画で、代表的な作品は『ロッキー』だろう。いわば、実際のスポーツの試合を見ているように、勝つか負けるかにハラハラする(させる)タイプの映画と言ってよい。
後者は、描かれる試合の勝敗や結果は、そこまでストーリーで大きな比重を占めないタイプである。『レイジングブル』は、実在のボクサーであるジェイク・ラモッタの半生を描いた映画であり、異論はありそうだが、私はこの作品におけるボクシングはサブ・プロットの位置づけだろうと思う。

もちろん、明快にはどちらとも言えない作品もあって、女性ボクサーと老齢のトレーナーの交わりを描いた『ミリオンダラー・ベイビー』は、前半だけをとらえればボクシングがメインプロットのように作られているが、結末近くで全く別の物語へと急展開を見せるため、強いて言えば「ハイブリッド・タイプ」といえるのかもしれない。

また、広義の「スポーツ映画」には含まれるものの、スポーツがストーリーの背景としての役割に留まる映画もある。プロ野球球団のGMを主人公とする「マネーボール」や、(未見だが)テニスのビーナス&セリーナ姉妹の父親を主人公とする『ドリームプラン』などはそれにあたるのだろうと思う。

さらに、「変化球」的なものとしては、主人公はスポーツの競技者でも指導者でもないが、映画全体のメインプロットが「スポーツ(の試合)」であると思える映画もある。

代表的なものは、1995年の南アフリカで行われたラグビーW杯を描いた映画『インビクタス/負けざる者たち』だろうか。(ちなみに監督は『ミリオンダラー・ベイビー』のクリント・イーストウッド)
実話をベースにした物語なので、観客の多くはクライマックスの試合の結果を知った上で観ているわけだが、この映画のプロットを私なりに雑に書けば「主人公であるネルソン・マンデラ大統領が、国民の一体感を醸成するために代表チームの優勝を願い(別の言い方をすれば「政治的な手段」として用い)、積極的にサポートし、その結果、見事に優勝する」というものになり、やはりメインプロットの中心に位置にするのは「ラグビー(の試合の勝敗)」だと言ってよいと思う。
ただし、そもそもがプレイヤー視点の映画ではないので、ラグビーという競技を描くことに多くが割かれているわけではなく、試合のディテールを描いているわけでもない。そのため、この映画のプロットについては別の見方もできる。「メインプロットは、南アフリカ初の黒人大統領による国家の一体感(=白人と黒人の融和)の推進であり、ラグビーはサブプロットである」といったかたちで、シナリオの構造からみれば、むしろこちらが「正解」かもしれない。とはいえ、観客の受ける印象からすれば、前者の(ラグビーW杯の試合をメインプロットとする)見方もあながち間違いではないようには思っている。

そして、この映画を「スポーツ映画」としてみる立場から言えば、「スペクタクルな(=ボールが大きく動く、展開の早い、見て楽しい)ラグビーの試合」が、見事に「スペクタクル(=壮観・壮大)な映像」として画面に映し出されてもいて、そこも特筆に値すると思っている。
マット・デイモン以外の選手役の殆どは実際のラグビープレイヤーだったようだが、クライマックスの試合シーンは30分近く続き、迫力に満ちていた。監督のクリント・イーストウッドは(ラグビーが盛んでない)米国人であるにも関わらず、さすがの手腕だと感じた記憶がある。(こちらの詳しいサイトによれば、ラグビー・シーンの監修は1995年当時に唯一の南ア代表の黒人選手だったチェスター・ウィリアムズで、ポストプロダクションの担当者も、自身でプレイもする相当のラグビー好きだったらしい)

なお、実際の1995年の「南アフリカvs.ニュージーランド」のハイライトは、こちらで、フルマッチはこちらで、見ることができる。一つ一つのプレイを見比べたわけではないが、実際のプレイにかなり忠実に(そして映画的に上手に)再現していると思う。ちなみに、現在、日本代表監督のジェイミー・ジョセフは、この試合では背番号19番でリザーブに入っている。


「ドラマ」と「リアル」をミックスした“超・変化球“

なお、この映画の題材となった1995年のラグビーW杯では、日本代表はニュージーランド代表に17対145で歴史的な大敗を喫している。映画のクライマックスである決勝戦では、その日本代表を大差で下したニュージーランド代表を相手に、南アフリカ代表が、延長戦で勝ち越して優勝する。

そして、そこからちょうど20年後の2015年のラグビーW杯イングランド大会で、ラグビー日本代表は、南アフリカ代表を相手に世界スポーツ史に残るアップセットを成し遂げることになるのだが、それは会場の地名から「ブライトンの奇跡」と呼ばれている。

ここでスポーツ映画の話に戻ると、その2015年の日本代表のビッグ・アップセットは、「ブライトン・ミラクル」という題名で映画化され(制作はオーストラリア)、2019年のラグビーW杯日本大会の直前に公開された(日本では配信のみ)。こちらは、一風変わった映画になっており、俳優によって演じられたドラマ部分と、実際の2015年の試合映像を組み合わせた、いわばセミ・ドキュメンタリーという形式だった(実際の選手が当時を振り返って語ったインタビュー映像もインサートされていた)。
主人公は当時のエディー・ジョーンズ監督(オーストラリア国籍)だったのだが、似た外見の俳優がキャスティングされていたように思う。映画としての完成度はともあれ、手法としては「超」の付く変化球であり、面白いなと感じた記憶がある。

なお、実際の2015年の「日本vs.南アフリカ」のハイライトはこちらで、フルマッチはこちらで見ることができる。


競技のタイプによる撮影の難易度

さて、「W杯」といえば、昨年開催された2022年サッカーW杯カタール大会がまだ記憶に新しいが、世界で最も人気のあるスポーツとされるサッカーを題材とした映画で「名作」といわれるようなものは、あまり浮かばない。

色々と理由はあるのだろうが、端的に言って「リアリティのある競技シーンの撮影が難しい」のが理由なのだろうと私は思っている。試合シーンの撮影において、俳優が(たとえサッカー経験者だとしても)、あの「三苫の1ミリ」のようなシーンを、あるいは浅野が決めたドイツ戦での2点目のようなスーパーゴールのシーンを、リアリティを持って撮影するのはそうとうに難しいだろう。(カット割りとCGを駆使すれば不可能ではないかもしれないが、とはいえ、ブラジルのリシャルリソンがセルビア戦で決めたボレーシュートなどは、本人が何テークやっても、簡単には納得いくショットにならないだろう)

撮影の難易度を考えれば、個人競技よりも、プレイヤー間の連携が必要なチームスポーツの方が難しくなるだろうし、さらに、プレイの不確実性が大きい(つまり経験者でもボールのコントロールが難しい)サッカーのようなスポーツはさらに難易度が上がるのだろうと思う。

そんな中、サッカーの試合シーンが有名な映画としては、『勝利への脱出』(1981年)だろうか。つい先日亡くなられたペレをはじめとする当時の一流選手たちが選手役で出演しており、ネット上のトレイラーではペレのバイシクル・シュートを観ることができる。メインプロットは「監獄からの脱出劇」だが、サッカーシーンも相当本格的に撮影されたのだろう。(ペレがサッカーシーンの監修もしていたとのことだ)


アニメーションにみるスポーツ映画の可能性

また、視点を変えれば、実写映画よりもアニメーションの方が、むしろリアリティのある試合シーンを映像化できるのかもしれない。その一つの答えが、現在公開中の「THE FIRST SLAM DUNK」であることは間違いない。
この映画は、バスケットボール1試合の開始から終了までを中心とする構成(もちろんそれだけではないが)になっている。それだけ、試合の部分の比重の大きい、ある意味で王道的な「スポーツ映画」だが、その試合の映像については、プレイヤーの躍動する身体、スピーディかつトリッキーに動かされる両腕と脚のステップ、放たれたシュートの軌跡と時間感覚、揺れるバスケットゴールの微細な動きまで、非常にクオリティが高いと感じた。
狭い空間にプレイヤーが密集し、かつ方向転換やトリッキーな動きの多いこの競技で、俳優を使って同じような「実写の映像」を撮影しようとしたら、(カット割りやカメラ位置を工夫しても)おそらく相当に難しいのではないだろうか。その意味で、この「THE FIRST SLAM DUNK」は、高度なアニメーション映像でそれを実現しており、スポーツ映画の可能性を開いた作品といってよいと思う。
(なお、個人の好みではあるが、3DCGのビデオゲーム風の自由視点映像が多用されていたら嫌だなと思っていたのだが、そうした不自然な映像はなく、違和感なく「バスケットボールの試合観戦」を楽しむことができた。)

また、この映画については、「映像」とは別の部分で、スポーツ映画の可能性を開いた面もあるように思う。それは、「シナリオ構造」の部分である。
多くのスポーツ映画は、クライマックスの試合に向けて、そこに至るストーリーを語っていく構造になる。オープニングからクライマックスに至るまでに、登場人物の成育歴や性格、人間関係などの「物語」が描かれ、映画の観客はそれらを理解した後に、(映画のクライマックスの)試合を観ることになる。

THE FIRST SLAM DUNK」は、この慣習的な構造に囚われずに、見事なシナリオ構造で映画化されている。どういうことかというと、この映画では、メインとなるバスケットボールの試合映像にインサートされる形で(過去の映像という形で)、プレイヤー個々の「物語」が語られているということだ。

実は、この構造は、実際の「スポーツ中継」と同じ構造である。多くの「スポーツ中継」では、プレイの合間やハーフタイムなどに、プレイヤーの「物語」が織り込まれる。ここでいう「物語」は「エピソード」と言い換えてもいいが、たとえば、2022年のサッカーW杯で言えば「三笘薫と田中碧は実は小学生時代から町クラブでチームメイトで~」であるとか、2019年のラグビーW杯ならば「キャプテンのリーチ・マイケルは高校1年生の時にニュージーランドから北海道の高校に留学し~」といった「物語」になる。
通常のスポーツ中継では、こうしたエピソードはアナウンサーが数秒で挟み込む程度だが、意図的にこの部分を膨らますことで「コンテンツ」としての「物語性」を増幅しているのは、正月の箱根駅伝中継に代表される、陸上の長距離レースの中継番組である。ある記事*では、箱根駅伝中継番組のプロデューサーが「もともと生中継とドキュメンタリーをミックスさせる」意図があったと話しているし、マラソン中継などでは一時期、解説者の増田明美が独自に取材した選手のエピソードを盛り込む「細かすぎる解説」*が人気を博した。

つまり、映画「THE FIRST SLAM DUNK」は、こうした、実際の「スポーツ中継番組」と同じ、「競技映像の間に『物語』をインサート*する」構造を採用しており、見事なシナリオ・ライティングで、「試合の躍動感・ダイナミズム」と「登場人物の物語」を併走させ、約2時間の映画として成立させていたということだ。ある意味、高校バスケの試合を「(出場選手についてのエピソード的な)詳しい解説付きで、1試合丸ごと見たような充実感」がある。
あくまで個人的な感想としては、主人公の「母と子の物語」がやや過剰だと感じた部分もあったのだが、あれがこの映画で作家の書きたかった物語でもあったのだろうし、それが高い評価に結びついている面もあることと思う。それらすべてを含めて、「THE FIRST SLAM DUNK」は、新しい形での「(スポーツの試合をメイン・プロットする)スポーツ映画」の傑作であった。

「スポーツ好き」、「映画好き」の私としては、これからも多くの「スポーツ映画」の傑作を期待したい。

(了)

付録:スポーツ映画に関するデータと情報

【米国アカデミー賞】(1927~2021)

●作品賞
ロッキー』(1976年)
炎のランナー』(1981年)
ミリオンダラー・ベイビー』(2004年)

●作品賞ノミネート
レイジングブル』(1980年)
フィールド・オブ・ドリームス』(1989年)
しあわせの隠れ場所』(2009年)
ザ・ファイター』(2010年)
マネーボール』(2011年)
ドリームプラン』(2021年)

【日本アカデミー賞】(1978~2021)

●最優秀賞
シコふんじゃった。』(1993年)

●優秀賞(第3回までは「ノミネート」の表記)
サード』*(1978年)
瀬戸内少年野球団』*(1984年)
優駿』*(1988年)
ウォーターボーイズ』(2001年)
ピンポン』(2002年)

●アニメーション作品賞(2007~2021)
最優秀賞・優秀賞共にスポーツジャンルの作品なし

「*」は、一般的な「スポーツ映画」には含まれない作品だが、重要な設定や背景としてスポーツが用いられていることから、参考まで掲載した。


【世界歴代興行収入】

200位内にスポーツジャンルの作品なし


【英国映画協会(British Film Institute) ベスト100】(2022年発表分)

●36位『街の灯』*(1931年)
*「スポーツ映画」ではないが、劇中に有名なボクシング・シーンがある。


【個人HPスポーツ映画の名作たち」
個人の方のHPのようだが、非常に詳しく情報量が多い。種目別に多くのスポーツ映画が紹介されているほか、米国のスポーツ情報サイトが選んだスポーツ映画名作100選の日本語による紹介もある。


【note記事】おすすめのスポーツ映画38選
個人の方による、おすすめスポーツ映画の紹介記事。アメリカの4大スポーツを中心に幅広く選出され、38作それぞれを丁寧に紹介されている。


【個人HP「インビクタス 負けざる者たち  大百科」】
個人の方のHPのようだが、非常に詳しく情報量が多い。記事本文中の『インビクタス』についての情報の参照元。

1995年の南アフリカ代表チェスターウィリアムスもラグビーシーン撮影での監修において重要だったがニュージーランド人Julian Brisowのポストプロダクションでの仕事振りも見事だった。現在は国を離れカリフォルニアに住んでおりロスのラグビーのクラブチームの代表(同好会レベル)Briscow氏は36歳だが不況の中2008年の春は無職状態。イーストウッドがラグビー映画を製作しているのをききつけ「”ギャラなしでやるよ”って言ったんだ。ラグビーは世界で最高のスポーツだからね」とBriscow。撮影隊が南アフリカの撮影を終えると、ワーナースタジオへ。ここでBricsowの出番となった。入れる音、コメント、観客のノイズの入れ方なども歴史的イベントを正確にすべくBristowにゆだねられた。イーストウッドはラグビーに関して真剣にBriscoと話をしたという。
本人はギャラなしでやると売り込みをかけたものだが、とっても大きなギャラをもらった。
何度かプレミア上映に参加。彼のラグビー仲間はエンドクレジットで彼の名前のところでスタンディングオベーションを送った。
Bristowはしかし唯一後悔がある。愛するニュージーランドチームが決勝で南アフリカを倒すエンディングに変えられなかったことだ(冗談だよ)。

http://cemt.web.fc2.com/humanfactor.html

【Number記事「箱根駅伝中継の生みの親が~」】
雑誌『Number』の、箱根駅伝のテレビ中継番組に関する記事。

「もともと生中継とドキュメンタリーをミックスさせるアイデアはあったのですが、巨人戦の中継でやろうと提案したら、見事却下されてしまって(笑)。だけど駅伝なら、実況中継の価値を高める方向性でミックスさせられると思ったんです。長い歴史を誇る箱根駅伝はエピソードの宝庫。取材をしていた当時は第1回大会に出場した方がご存命でしたし、当時を語ってくれた10人に9人が涙をにじませて思い出話をしてくれる。苦しい練習を重ねてきた選手たちの物語は感動的でした」

https://number.bunshun.jp/articles/-/846534


【スポーツ報知記事「増田明美さん、『細かすぎる解説』で~」】

選手の秘話を存分に伝える「細かすぎる解説」で知られる増田さんは、この日も鈴木亜由子(日本郵政グループ)の祖母が書いた短歌を読み上げるなど、さまざまな秘話を惜しげもなく視聴者へ披露した

https://hochi.news/articles/20210807-OHT1T51018.html


*注釈:「競技映像の間に『物語』をインサート*する構造」について
こうした手法は、一般的な映像編集の用語では「フラッシュバック」の一種となる。「THE FIRST SLAM DUNK」におけるインサートの場面(時制上の「過去」または「大過去」)については、この映画の論評において「回想シーン」という説明をされることが多いようだが、本来的には「回想シーン」とは「登場人物が思い出しているシーン」であるから、個人的には若干違和感がある。ただし「フラッシュバック」を「回想シーン」と訳すこともあるようであり、明確な誤りとまでは言えないのかもしれない。

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