見出し画像

LEONが結婚できない男に見える ジャンレノと阿部寛

 LEONという90年代のとても有名な映画がある。実はまだ見たことがなく、Unextにも入っていたから見てみることにした。前日には「ピエロがお前を嘲笑う」というドイツのB級な映画を見てがっかりしていたところだった。映画は2時間あるから見るのには中々の気構えが必要なのだ。

 ちなみにピエロのドイツ映画は最後の「どんでん返しが面白い」という話だったが、逆に最後以外がとてもつまらなかった。最後をみるために1時間ほど耐えていたがあまりの詰めの甘さと感情移入のできなさでオチまで飛ばしてしまった。なんともドイツっぽいというか…。

LEON

それに引き換えLEONは最初から最後まで全く飽きることがなかった。一つ一つのカットに意味が込められていて、演技もカメラワークも素晴らしい。音楽も。

 冒頭の暗殺シーンもすごい緊張感でとてもかっこよかったが、悪役である麻薬取締局の突入シーンの恐怖感が印象的だった。ボスの気の狂っている表情がたまらない。

あらすじ

「グラン・ブルー」のリュック・ベッソン監督のハリウッドデビュー作。舞台はニューヨーク。家族を殺され、隣室に住む殺し屋レオンのもとに転がり込んだ12才の少女マチルダは、家族を殺した相手への復讐を決心する。
少女マチルダを演じるのは、オーディションで選ばれ、本作が映画初出演となったナタリー・ポートマン。また、寡黙な凄腕の殺し屋レオンをベッソン作品おなじみのジャン・レノが演じている。

レオンの結婚できない男感

 レオンは孤独な殺し屋なわけだが、どこかコミカルで愛すべきキャラクターなのがとても魅力的だった。

マチルダがやらかした時の呆然とした表情
不器用なところ
愛情深いところ
観葉植物をとてもかわいがるところ
ルーティンの中で生きているところ
仕事一筋なところ
そして牛乳が大好きなところが「結婚できない男」桑野信介にそっくりだと思った。

画像1

画像2

桑野信介ってレオンを意識してるのかと段々思えてくる。阿部寛の顔もなんとなくイタリア人ぽいのもあるかもしれない。

桑野が犬のケンと接するのとレオンがマチルダと接しているのもなんだか重なってきてしまう

画像3

映画の中の建物にみるロシア感

画像4

 そしてふと思ったのはレオンの住んでいるマンションがかなりロシアのマンションに似ていることだ。この砂っぽいというか埃っぽい感じ、壁紙が黄ばんだような感じはかなり近いものがある。

 そしてこの光を全然遮らない感じのカーテンもロシアっぽい。部屋にあるテーブルや椅子、ソファなどの家具も向こうの家具付き物件によくある感じだ。なんというか色あいと古めかしい感じだろうか。ドイツも古い建物はこんな感じだ。100年ものの建物も普通にそのまま使われているから日本とは違う。耐震の必要もないから大規模なリノベーションはされない。

 この「掃除しても無駄だ…。」という絶望感はやはり床の汚さもある。ベルリンで住んでいた部屋を思い出す。土足で何十年も暮らされてきた部屋で靴を履かずに暮らすのは厳しかった。しかも変な絨毯のような床だったから土や砂でどうしようもなく汚れていた。掃除のしようもない。レオンは人を殺してきた血の付いたような靴でそのまま部屋に入るわけだ。

 靴のまま部屋にはいるのをやめなかったらいくら手洗いやうがいをしてもしょうがないよなと思うのだった。


 


この記事が参加している募集

おうち時間を工夫で楽しく

サポートをいただけたらうれしいです。帰国の渡航費の足しにします。