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1冊のKindle出版が、人と人をつないだ話

「とても共感しました!」

「この本を読んで元気がでました」

「挑戦する勇気をもらえました!」

2023年7月。人生初のKindle本を出版。
本を読んでもらった方から多くのコメントをいただいたのです。

心が震えました。自分が書いた本に共感していただき、前向きになってもらえた。
自分と向き合い、弱い部分をさらけ出しながら、苦しみながら書いた苦労がすべて報われました。

自分の想いを文章にし、読んだ方の心が動くことはなんて素晴らしいのだろう……。

パソコン越しに見るコメントの数々。途中からだんだんとぼやけ、読めなくなりました。曇ったメガネを何度も何度も拭いたのを、今でも覚えています。


Kindle本出版のきっかけ

わたしは昔から自己肯定感が低い人間でした。40代に入ってもなお、自分に自信をもてず他人と比較しては落ち込んでばかり。

そんな自分を変えたくて、出会ったのがまよまよ先生(野口真代先生)の「ものかきキャンプ」。
Kindle出版とライティングに特化したオンラインスクールで、無料体験会に参加後、すぐに入学を決めました。

スクール卒業後、なんとかKindle本を出版できて達成感でいっぱいでした。
そして自分の本はわたしにとり、確固たる「自信の証」になったのです。

・努力すれば報われる。
・最後まであきらめなかった。

出版で得た経験は、低かった自己肯定感を高めてくれました。

そのとき感じた

『こんなわたしでも誰かの力になれた!』

という気持ちはかけがえのない宝物です。

ライター活動の迷走

「書くこと」に魅了されたわたしは、ライターとして活動をスタートしました。
会社員として働きながら、副業ライターとして活躍しようと意気込んでいたのです。

ですが、ライターとしての0→1がなかなか達成できません。
クラウドソーシングに応募しても通らない。通ってもテストライティングで落ちてしまう。
自分の無力さに打ちのめされました。

そして、ようやく達成できた!と喜びもつかの間、初の報酬が5,000文字で300円。
うれしかったのですが、少しだけ悲しかったのも事実です。

『お金の問題じゃない』

『はじめの一歩を踏み出せたんだから上出来じゃないか』

そう自分に言い聞かせてトライするものの、先が見えない暗い道をヨタヨタと歩いている気分でした。

仲間からの声

そんな中、ライティングスクール同期の仲間から

「Zoomで近況を話しませんか?」

とお誘いを受けました。

お互いのライター活動のしんちょくや雑談がひとしきり終わったあと、彼女はこう切り出しました。

「電子書籍の執筆代行に力を貸してくれませんか?」

彼女の本業は美容関係。人脈が広く、個人事業主や企業の社長さんとのつながりをもっています。その人脈を生かして「自分の本を出版してみたい人」から執筆代行の依頼を受けていたのです。

さらにはデザイナー、イラストレーターなどKindle本作成に関わるメンバーを集め、チーム結成を進めていました。

さらにこう続けました。

「ともてんさんの本を読んで、力を貸してほしいと思ったんです」

曇天だった薄暗い雲のすき間から、差し込んだ一筋の光。
ライターとして信頼してくれたことがとてもうれしかった。
わたしは間髪をいれずにこう答えていました。

「ぜひやらせてください!」

執筆代行は自分の本とは勝手が違う


執筆代行は自分の本を書くのとは勝手が違います。
今回は自分ではなく、クライアントの想いを形にする執筆。
自分の本よりも緊張します。不手際があってはいけないし、想いをしっかり届けたいと強く感じました。

本のテーマは「葬儀の大切さ」。クライアントは葬儀社の社長で、簡素化している現代の葬儀事情に対して、葬儀の重要性を伝えたいというご依頼でした。
※クライアントさんには執筆代行を公表する許可を得ています

やるべきことは山ほどありました。

・執筆代行に特化した講座受講
・葬儀関係のリサーチ
・競合との差別化
・クライアントをよく知るためのヒアリングシート作成

まずリサーチをはじめたところで、立ちふさがった壁。

時間が圧倒的に足りない……。

時間の確保

このころ、勤務先の会社ではトップが変わり、利益優先で受ける仕事の制限をなくしました。つまり残業・土日出勤が大幅に増えていたのです。

何時に帰れるかわからない。土日も確実に休めるとは限らない。
このままではスケジュールが大幅に遅れてしまう。

執筆代行のスケジュールが立てにくい状況は、焦りを生みました。
いただいたチャンスを棒に振りたくないし、仲間たちに迷惑をかけたくない。

こんな思いから決断したのです。

『転職しよう』と。

いつかはライティングのみで食べていきたいという野望があります。
わたしの人生において優先すべきはライティングであり、仲間でした。

生計を立てるのは違う会社でもいい。20年ほどお世話になった会社でしたが、思い切って転職に踏み切ったのです。

執筆代行の本が完成

定時で帰社できる会社へと転職が決まり、時間の確保に成功。
リサーチにしっかりと時間を費やせ、クライアントのお人柄も知れました。

慣れない仕事や人間関係でヘトヘトな毎日ですが、やりたいことを優先した選択に悔いはありません。

そして2023年10月。仲間と協力して作り上げたKindle本が完成。

自分の本を出版した3か月後に、再び本を出せるなんて夢にも思っていませんでした。

出版後、読者の方からうれしいコメントをいただきました。

「葬儀で悩んでいたところだったので、とても役に立ちました。ありがとう」

このコメントはクライアントに向けての言葉ですが、代行を通して誰かの力になれたこと、光栄に思います。

そしてクライアントから感謝の言葉をいただきました。

「以前から書籍の出版に興味があったこともあり、自分の思いが叶いました。
電子書籍を出版してみて、周りから「読みやすくてすごいね」と嬉しいお言葉をいただきました!
全てではありませんが、普段伝えられない葬儀の思いを伝えられたこと、そして関係者や知人に伝えられる場所ができたことに感謝しています。
現在は、1人でも多くの方へ届けたくホームページなどに載せて活用しています。」

温かい気持ちで満たされました。
本を通してクライアントの人とのつながりに良い変化があったことがとてもうれしく、執筆代行のやりがいを強く感じました。

自分の本と違い、執筆代行にはクライアントとのつながりが密になる素晴らしい側面があります。
その人を知るために深堀りし、一緒にひとつのものを作り上げていく過程は、とてもやりがいがあり人間関係を強く結びつけてくれます。

『わたしは人が好きなんだ』

自己肯定感がどん底のとき。人が苦手な時期がありました。
心のシャッターを閉め、ひとりでも生きていけるなんて思っていた時期が。

2冊目の出版で、人とのつながりの素晴らしさを実感しました。
改めて自分の心の声に気づかせてくれたのは、執筆代行のおかげです。

これから


これからもKindle執筆代行に取り組み、経験を積み重ねていきたいと思っています。ですが、足りないことは山積みです。

もっとクライアントの想いをしっかり届けたくて。

もっと読んだ人の心を動かす文章が書きたくて。

永妻先生主催の「ストーリーカレッジ」に入学しました。
ストカレの仲間と切磋琢磨しながらストーリーを学び、ひと回りもふた回りも成長していきます。

1冊のKindle出版からはじまったわたしの物語。
仲間と共に進む道はずっと続きます。

ブブブッ。

skypeの通知。

「次のクライアントさんが決まりました!ともてんさんと同い歳の男性ですよ!」

ー了ー

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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