少年時代の記憶が詰まった土手と河川敷
千葉県松戸市の実家には、両親と弟家族が住んでいる。僕が生まれ育った場所に建て替えた二階屋だ。
車で向かう時は、江戸川に架かる葛飾橋を渡って市内へ入る。
日本中にある変わり映えのない街並み。
ランドマークは伊勢丹。小2まで通った木造校舎が創立100年を機に取り壊されて建った伊勢丹ビルの敷地内には「松戸市立中部小学校跡地」の記念碑がある。小学校は別の場所に移転している。
実家は、対岸の左手が東京都で右手が埼玉県の江戸川の土手からわずか50m。少年時代の記憶が土手と河川敷にたっぷりと詰まっている。
亡き祖母と一緒にヨモギを摘んだ幼い頃。
土手の斜面を段ボールで滑り降りる遊びに夢中だった小学校時代。
親に内緒で土手で朝まで過ごした中学時代。
校内マラソンの自主練習。
無免許でオートバイの練習をしたのもここだった。
高校時代を終え、家を出た。
30年を超えた歳月は、距離とは無関係に私を遠くへ連れてきてしまった。
とうとうと流れる川、ずっと先の空まで続く土手は変わらない。
2015年9月
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