娘の自転車
都内で一人暮らしを始めた娘の自転車が、自宅に置いたままだった。
「乗って行って届けてあげる」と言ったまま一年が経とうとしていた。
先週娘にLINEした。
日曜日。
黒い雲で覆われたと思ったら雨。
通り過ぎると、今度は痛いくらいの日差し。安定しない空。
夕方から空が落ち着いたようだったので、行くことにした。
タイヤの空気を入れて、所々に油を差して、近所を試走。
前輪が歪んでいる気がするけど大丈夫かな。空気減らないかな…。
午後5時半頃浦和の自宅を出た。
丈の低い女子向きシティサイクルでゆっくり走り出した。
普段自転車に乗らないから、車が多くて狭い幹線道路に少々緊張したけど、すぐ慣れるものだ。
荒川を渡るときなんかは夕暮れの広い空を見上げながら鼻歌を口ずさんでしまうぐらい爽快だった。
122号から明治通りを通り、所要時間1時間18分で田端のアパートに到着した。
少し腰が張った。
案の定、娘は帰宅していなかった。
買っておいた安物のチェーンロックで自転車を繋いで、電車で帰宅した。
歩いて田端駅に向かう途中のLINEのやりとり。
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