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想像以上の美しさ。日本で唯一の博物館に行ってみた

突然ですが、皆さんは美術館や博物館めぐりは好きですか?

数年前に語学留学でイギリスに滞在していた頃、とくに驚いたのは、多くの美術館などが入場無料だったことです。

もともと芸術好きだったこともあり、現地ではほぼ毎週末、美術館めぐりをしていました。「芸術が身近にある」という生活は、とても贅沢だったと振り返ります。

そこで今回は、地元の少しニッチな(?)博物館めぐりの記録をシェアしてみたいと思います。

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今回訪れたのは、日本で唯一の大工道具の専門博物館である竹中大工道具館

新神戸を散策するたびに、和の雰囲気が素敵な外観がずっと気になっていました。

"未来へ伝えたい、匠の技と心"

大工道具は、品質のよいものほど摩耗するまで使われ、消滅するという厳しい宿命をもっています。また、戦後の高度成長を経て機械製材と電動工具が広まり、今日ではテクノロジーの発達とともに、手道具を使う職人は急激に少なくなってきました。

消えてゆく大工道具を民族遺産として収集・保存し、さらに研究・展示を通じて後世に伝えていくことを目的に、1984年、神戸市中山手に設立されたのが日本で唯一の大工道具の博物館「竹中大工道具館」です。

「竹中大工道具館」 公式HPより


「大工道具を民族遺産として収集・保存し後世に伝えていく」ことを目的に1984年に神戸市中山手に開館。その後、2014年秋に新神戸駅近くの「竹中工務店」ゆかりの地へと移転したそう。

入り口、建物、お庭……。一つひとつに日本の伝統技術が垣間見れます。お手入れもしっかりされていて、本当に素敵!

竹中工務店の歴史を少し調べてみたところ、創業がなんと江戸時代。もともとは名古屋で神社仏閣の造営を業とされていた(のちに数々の洋風建築も手掛けるようになり、明治時代に神戸に進出)と知り、なんだか納得。

入り口から建物の中にいたるまで、まるで神社仏閣かのような厳かな雰囲気すら感じました。

中に入ると、広いエントランスが。受付の裏には小さなお土産コーナーもあり、ヒノキのリフレッシュスプレーや木製のアイテムなどが並びます。

作家たちによる個性豊かな木の椅子が並ぶ

床も天井も、全て木製。入った瞬間に開放感があって、とても気持ちの良い空間でした。

地下1F・2Fにある7つ展示コーナーでは、どれも大工道具の魅力を伝えるものばかり。ふだん馴染みがないだけに、道具のレパートリーや歴史の長さに驚きました。

B1Fでは、大工道具の歴史や棟梁とうりょうの技、大工道具の展示に触れます。

日本~世界の大工道具の展示が見られます
木造建築の発展について学べるコーナー
秘伝の技術がまとめられた、大工さんの教科書のようなもの(復元資料)


続くB2Fでは、桜や竹などの多様な「木を生かす」コーナーや名工品の数々、和の伝統美について触れられる展示がメイン。

地下2F~1Fにかけて展示される「唐招提寺とうしょうだいじ金堂組物」の実物大模型
組子細工が美しい障子
茶室の実物大模型。まさに、和の伝統美!
中に入ることもできます

展示だけにとどまらず、敷地内にある茶室「一滴庵」は春と秋の特別公開も予定されているそうです。竹中家のお茶室、気になります…。

「木を生かす」コーナー
鍛冶職人たちの「名工の輝き」コーナー
大工道具は手の延長。大工は「木を刻む専門家」

B2Fには「木工室」があり、「宮大工がいる博物館」という特徴を活かした多様なワークショップが開催されています。

夏休みということもあり、この日もたくさんの親子連れが訪れていました。

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目で見て、実際に触れられる展示がたくさん。観光客はもちろん、子供から大人まで五感で楽しめる博物館だと感じました。


「日本の道具はおもしろい。」

そんなキャッチコピーが目に留まりつつ、「ものづくりの国」の素晴らしさや面白さを知ることができる素敵なスポットでした。

日本で唯一の博物館。

皆さんもぜひ一度、足を運んでみてくださいね!

■詳細情報
竹中大工道具館https://www.dougukan.jp/
住所:〒651-0056 兵庫県神戸市中央区熊内町7-5-1
◎休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日~1月3日)
◎料金:一般(個人)700円、中学生以下無料
◎アクセス:山陽新幹線「新神戸駅」中央改札口より徒歩約3分|神戸市営地下鉄「新神戸駅」北出口1 or 北出口2より徒歩約3分|シティループバス「12新神戸駅前(1F)」下車徒歩約3分|神戸市バス2系統・18系統「熊内6丁目」下車徒歩約2分


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