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【将棋】後手番の積極的な戦法!鬼殺し向かい飛車ー基本の戦い方と実践例について 後編ー

※前編は下記記事

前回は図4の局面まで進み、
・居飛車は3筋の制空権
・向かい飛車は好ポジションの角
という主張がそれぞれにあるという状況でした。

今回は続きを記載します。
※局面図は 共有将棋盤 (shogi-extend.com) の機能で出力しています。

再掲図4

真正面から攻める

図5 居飛車側の桂の身動きが取れず、向かい飛車が指しやすい

図4~図5までの手順は下記の通り
38 2四歩(23)
39 2四歩(25)
40 2五歩打
41 2五桂(37)
42 2四飛(22)

居飛車の飛車・銀・桂が利いている2筋から攻めていきます。
△2四歩~△2五歩が手筋で、飛車を逃げると、5四の角で銀を取ることができて(参考図4)向かい飛車勝勢です。

参考図4 銀得&陣形差で向かい飛車勝勢

なので、本譜の変化は仕方のないところです。

疑問の角打ち

図6 居飛車が馬を作っている間に桂馬を成り込む。向かい飛車の駒得がほぼ確定

図5~図6までの手順は下記の通り
43 4五歩(46)
44 4五桂(33)
45 3三角打
46 2一飛(24)
47 2二歩打
48 3一飛(21)
49 2四角成(33)
50 3七桂成(45)

居飛車は▲4五歩と突いてきました。向かい飛車の角のラインを何としてでも止めたい、という意図です。
対して、△同桂として次の3七桂成を狙います。

居飛車はここで▲3三角打としてきましたが、これがかなりの疑問手。ここでは▲4八金(参考図5)として、3七桂成を受ける必要がありました。

参考図5 3七桂成を受ける。これなら良い勝負。

△3七桂成が実現したため、先手の駒得がほぼ確定し、陣形差も相まって向かい飛車勝勢となりました。

図6以下は▲3三桂成から攻め合うよりないですが、4三の銀にひもがついているのが向かい飛車側の自慢で、終始5四角が攻防に活躍しています。

図6から結果図までは下記手順のように進みました。
51 3三桂成(25)
52 3六成桂(37)
53 2九飛(26)
54 5二銀(43)
55 4二成桂(33)
56 4二金(41)
57 4二馬(24)
58 3五飛(31)

結果図

結果図はかなりわかりやすいところまで進んでおり、向かい飛車としては、
△4七成桂~△3七飛成などが厳しい攻めになります。
対して居飛車は、飛車を成ることはできますが、向かい飛車側の美濃囲いが堅陣で、攻めが間に合わなさそうです。

まとめ

今回は鬼殺し向かい飛車の基本的な戦い方を、私の実戦譜をもとにご紹介しました。
この戦法は後手番でも主導権を握ることができたり、力戦に持ち込めたりするので、先手居飛車対策として覚えておいて損のない戦法です!


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