テニスのポジショニングのキーワード「合理的待機位置」
こんにちは、トモヒトです。
今回は、テニスのリカバリーのキーワード「合理的待機位置」について、考えてみます。
今回の内容に関しては、特にご意見いただけると嬉しいなと思っています。
「合理的待機位置」とは?
「合理的待機位置」は、相手のボールを待つための合理的な場所のことです。
つまり、相手のショットに対してコート全体をカバーするうえで効果的なポジションを表します。
合理的待機位置は、相手の返球可能範囲を二分する線上に位置するといわれ、下の図のように表されます。
「合理的待機位置」と移動距離
この図をみると、「ベースライン後方で横に移動すると、クロスへのボールのほうが移動距離が長くなる」ため、返球可能範囲を二分していないのではと感じました。
この疑問に関しては、下の動画で解決しました。
要は、「クロスへのボール(アングルショット)に対しては、横ではなく斜め前に動く」というのがポイントです。
図で表すと、下のようになります。
角度のついたクロスへのショットに対して、真横(赤矢印)に動くとストレートへのショットに対する移動距離よりも長い距離を走ることになります。
一方、斜め前(青矢印)に動くことで、ストレートとクロスでカバーするための最大移動距離が同じになります。
仮に、ストレート・クロス両方に対して、ベースライン後方で対応する場合、よりクロス寄り(上の図では右)にポジションをずらさないとクロス方向の距離が長くなります。
ただし、ストレートのショットに対する移動距離がわずかに長くなるため、得策ではないかもしれません。
ショットの到達時間って考慮しなくていいのか?
本当に気になるのは、ここからです。
そもそも「ショットの到達時間は、コースごとに変わらないのか?(=コースごとのショットスピードの差分は考慮しなくてもいいのか?)」という点が気になりました。
仮にストレートとクロスでショットスピードに大きな差があり、ショットの到達時間に違いが出るのであれば、到達時間の比に応じてポジションをずらすという考え方ができるのではないかと考えました。
例えば、下の図の場合、左へポジションをずらしてもいいのでは?と考えました。
こうすることで、ショット到達時間がより短い(上の図ではストレート)に対しては短い距離(=より短い移動時間)で対応できます。
反対に、ショット到達時間が長い(上の図ではクロス)に対しては、移動距離は長くなるものの、ショット到達時間が長い分移動時間の延長を相殺できます。
これによって、より効果的にコート全体をカバーできるようになると考えられます。
とはいえ、これが問題となるのは、
コースごとのショットスピードが無視できないほど大きい
コンマ数秒で大きく変わるほどのラリースピード
の両方が満たされた状態といえます。
仮に、コース別でスピード差があったとしても、既存の「合理的待機位置」の考え方で十分対応できるのであれば、この考え方が重要になるとは考えにくいです。
まとめ
今回は、「合理的待機位置」について考えてみました。
既存の「距離を基準にした合理的待機位置」に対して、「時間を基準にした合理的待機位置」の考え方の必要性を探ってきました。
現時点での結論としては、
「時間を基準にした合理的待機位置」の必要性の検証
(必要性があるならば)価値の検証
考え方の具体化
の課題をクリアする必要があると考えています。
もちろん、「必要なし」の結論で終わる可能性もありますが・・・
最後までお読みいただきありがとうございました。
ご意見ご感想あれば、コメントにお願いします。
参考文献
日本テニス協会: テニス指導教本Ⅰ(2015)
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