サーブのコースとラリー数の関係
サーブのコースによって、その後のラリーの長さに違いがあるのか気になって調べてみました。
【調査対象】
2021年USオープンのシングルス
(公式がYoutubeに公開したもので、両プレイヤーが右利きのものに限定)
【方法】
サーブコースは、コートを3分割し、ワイド(W)、ミドル(M)、センター(C)を目視で判断
ラリー数はコート内に返球したものをカウント(アウトやネットはショット数としてカウントしない、ダブルフォルトは除外)
【結果】
統計値をみた感じではコースごとの差は見られませんでした。
統計値(デュースサイド)
統計値(アドサイド)
最大値はコースごとに差がありますが、これらは外れ値と考える方が良いように感じます。
(次のヒストグラムで見ると、ほとんどのラリーが10ショット以内に終わっていることが分かります)
ヒストグラムでの分布
ヒストグラムで見た感じで、CとWでは特徴にそれほど差が見られませんでした。
(Mが他の2つとは異なるように見えるのは、ラリー数が少ないためです。
正規化して比較する必要があると考えます。)
コース別ラリー数分布
正規化したヒストグラム
正規化すると、よりCとWの分布が似た形となります。
Mに関しては、他のコースと比べて1ショット(サービスエース)で決まるラリーが少ないです。
これは、Mへのサーブだとレシーバーの近くへ打つことになるため、サーブに届かないことはほぼないからだと考えられます。
(実際に見た感じでは、Mへのサーブがリターンミスとなるケースは、
サーブが身体近くに来て差し込まれる
球質(球威や回転による変化)によってリターンが崩された
攻撃的なリターンを打ったがミスショットとなった
が挙げられるかと思います。
箱ひげ図での比較
デュースサイドではコースごとの違いは、ほぼないように感じます。
わずかにMの中央値が他に比べて大きいですが、有意な差であるというには検定などのさらなる分析が必要だと考えます。
アドサイドでは、コースごとに違いが見られました。
【考察】
サーブのコース自体だけでなく、リターンの返球位置やレシーバーのポジションも含めてより詳細な分析が必要だと感じました。
イメージしやすいかと思いますが、実際にラリーを見ていても、レシーバーの体勢を崩せていたり、リターンが浅くなったりしたときには、ラリーが短くなりやすいです。
反対に、リターンを深く返されると、サーブの優位がなくなり、ロングラリーとなりやすいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?