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3球目攻撃のデータ分析②

こんにちは、トモヒトです。

今回は、3球目攻撃に関して、両プレーヤーのポジションと3球目コースの関係をメインにみていきます。


分析方法

まずは、分析方法についてまとめます。

分析対象

今回は、2023年ATPツアーファイナルのラウンドロビン全試合(途中棄権は除く)を対象とします。

データ取得方法

目視によって、3ショット以上ラリーが続いたポイント(892ポイント)から、以下のデータを取得します。

  • サイド(デュース/アド)

  • 1st/2nd

  • サーブコース(ワイド/ミドル/センター)

  • リターンポジション(リターンを打ったポジション)

  • 3球目ポジション(3球目のショットを打ったポジション)

  • 相手ポジション(3球目を打つ時点での相手ポジション)

  • 3球目ショットタイプ(フォアハンド、バックハンド、ボレー、スマッシュ)

  • 3球目コース(3球目のバウンド地点)

  • ポイント結果(ノータッチエース、ウィナー/相手のミス、4球目で失点、5球目でポイント、6球目以降)

リターンポジション、3球目ポジション、相手ポジション、3球目コースは、下のコート図の値とプラスマイナス(右半分が+、左半分が-)を入力します。
例えば、4Dの左半分に3球目がバウンドしたとすると、3球目コースは4D-となります。

コート図

分析結果

相手のポジションと自分のポジションの組み合わせ頻度

相手のポジションと自分のポジションの組み合わせで、どのパターンが多く現れたのかを上位10パターン見てみます。
(カッコ内は「ノータッチエース」または「ウィナー/相手のミス」の発生回数が、上位10パターンに含まれる場合の回数)

相手:6C+ / 自分:4C-  => 27回(8回)
相手:6C+ / 自分:5C-  => 23回
相手:6C+ / 自分:5D+ => 18回
相手:5B-  / 自分:5C+ => 18回
相手:6B-  / 自分:4B-  => 17回(4回)
相手:5C+ / 自分:5C+ => 14回(6回)
相手:5C+ / 自分:5C-  => 13回
相手:6B-  / 自分:4C+ => 13回(5回)
相手:6C+ / 自分:5C+ => 13回
相手:5B-  / 自分:5B-  => 12回

また、「ノータッチエース」または「ウィナー/相手のミス」の発生回数の、上位10パターンは以下となります。

相手:6C+  / 自分:4C-  => 8回
相手:5C+  / 自分:5C+ => 6回
相手:6C+  / 自分:3C-  => 5回
相手:6B-   / 自分:4C+ => 5回
相手:6B-   / 自分:4B-  => 4回
相手:6B-   / 自分:4C-  => 4回
相手:5A-- / 自分:4B+ => 4回
相手:6C-  / 自分:3C-  => 3回
相手:5B+ / 自分:5C+ => 3回
相手:6B-  / 自分:5C-  => 3回

自分と相手の位置関係と3球目コース

両プレーヤーのポジション関係で頻出のパターンのうち、「ノータッチエース」または「ウィナー/相手のミス」の発生回数が多い4パターンについて、3球目のコースを見てみます。

相手:6C+ / 自分:4C-

相手のポジションが6C+、自分のポジションが4C-のケースでの3球目のコースショット数は、下のヒートマップのようになります。
最もショット数が多かったのは4A+へのショットで5回です。

6C+/4C-のときのコース別ショット数

そのうち、3球目攻撃が成立したケースは、以下のパターンです。

4A+:フォアハンド2回/バックハンド2回
2A- :フォアハンド1回
3A+:フォアハンド1回
3D+:バックハンド1回
3D- :バックハンド1回

このポジション関係で最も多かった3球目コースは4A+の4回でした。
4C-から4A+へのショットは、センター寄りベースライン内からデュースサイドのコーナー深くへのショットとなります。
センター寄りからサイドへ打つ分、コート外へ逃げていくような軌道となります。

4C-から4A+へのショット


相手:6B-  / 自分:4B-

相手のポジションが6B-、自分のポジションが4B-のケースでの3球目のコースショット数は、下のヒートマップのようになります。
最もショット数が多かったのは3A+と4A+へのショットで3回です。

6B-/4B-のときのコース別ショット数

そのうち、3球目攻撃が成立したケースは、以下のパターンです。

1A+:フォアハンド1回/バックハンド1回
3A+:フォアハンド1回
4A- :フォアハンド1回

このポジション関係で最も多かった3球目コースは1A+の2回でした。
4B-から1A+へのショットは、センター寄りベースライン内からクロス方向へのドロップショットとなります。
ただし、ドロップショットは意表をつくことが重要なショットなため、3Aや4Aへのショットと組み合わせることで有効になると考えられます。

4B-から1A+へのショット


相手:5C+ / 自分:5C+

相手のポジションが5C+、自分のポジションが5C+のケースでの3球目のコースショット数は、下のヒートマップのようになります。
最もショット数が多かったのは4A+, 3C+, 4C+, 3D-へのショットで2回です。

5C+/5C+のときのコース別ショット数

そのうち、3球目攻撃が成立したケースは、以下のパターンです。

4A+:バックハンド2回
3B- :フォアハンド1回
3C+:バックハンド1回
3C- :バックハンド1回
4C+:バックハンド1回

このポジション関係で最も多かった3球目コースは4A+の2回でした。
5C+から4A+へのショットは、センター寄りベースライン後方からデュースサイドのコーナー深くへのショットとなります。

5C+から4A+へのショット


相手:6B-  / 自分:4C+

相手のポジションが6B-、自分のポジションが4C+のケースでの3球目のコースショット数は、下のヒートマップのようになります。
最もショット数が多かったのは3D+へのショットで3回です。

6B-/4C+のときのコース別ショット数

そのうち、3球目攻撃が成立したケースは、以下のパターンです。

3D+:フォアハンド2回
4A+:フォアハンド2回
3A+:フォアハンド1回

このポジション関係で最も多かった3球目コースは3D+と4A+の2回でした。
4C+から4A+へのショットは、センター寄りベースライン内からデュースサイドのコーナー深くへのショットとなります。
また、4C+から3D+へのショットは、センター寄りベースライン内からアドサイドへのやや浅いショットとなります(4D-を狙ったショットが浅くなった可能性もあります)。

4C-から4A+/3D+へのショット


まとめ

今回は、3球目攻撃に関する両プレーヤーのポジションと3球目コースの関係を見てきました。

データ数が少ないため、今回の結果だけでポジション関係ごとの有効な3球目のコースを結論付けるのは難しいです。
しかし、3球目攻撃について考える入口にはなるかと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。
ご意見ご感想あれば、コメントにお願いします。

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