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ふみサロ7月課題 "世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?"を読んで

ふみサロの楽しいところは、自分だったら選ばないような本との出会いもあること。
今回の課題本も自分じゃ選ばないだろうし、もし、選んだとしても、専門用語でくじけて最後まで読まなかったかも。
課題だから、なんとか頑張って読みました。
以下がエッセイです。



★子供たちの「美意識」も鍛えたい

 ビジネスにおいて、世界で最も難易度の高い問題、高度に複雑で抽象的な問題とは、一体どんな問題なのか? そんな難しい問題を解決するために「美意識」を鍛えようと芸術に触れる感覚は、勉強に役に立つからと子供にピアノを習わせるのと似ているなと思った。

 実際、私の教室にもお母さんが習わせたくて通い始めたAちゃんがいた。本人は全く興味がないから、まともにピアノに向かわせるのは一苦労だった。興味ないからか、曲に対しても興味が沸かないらしく、ある日“はくちょうのゆめ”という曲に取り組んでいた。私が、「白鳥ってどんな夢を見るんだろうね?」と問いかけると、「白鳥が夢なんか見るわけないじゃん。」と一言。ガクッと膝が折れそうになって、「まぁ、たしかにそうなんだけど、、、」と言葉に詰まってしまったことがあった。たしか小学2年生ぐらいだったと思う。結局続かず、辞めてしまった。本はよく読む子で、いろんなことを知っていた。今は中学生で、勉強も出来る子になっているだろうけど、どんな子に成長したのかちょっと気になっている。 
 
 反対に、歌うことが大好きで、ピアノが弾けるようになりたいと強い気持ちを持って始めたBちゃんは、当然ながら上達のスピードは早い。指がスラスラ動くようになるのも早いけれど、やはり他の子の演奏とちょっと違う。歌心のある子は、自然と曲の性格を表現しようとする。楽しい曲は楽しそうに、悲しい曲は悲しそうに。当たり前かもしれないけれど、それを自然と出来る子は少ない。それに、曲の終わりをぶっきらぼうに終わらせてしまう子が多いが、だんだんと終わるような雰囲気で弾けるというのもすごいことなのだ。

 しかし、残念なことにAちゃんのような超現実的な子は多くて、ピアノの先生として、いかに子供らしい想像力を刺激するかが日々の課題なのです。



課題本
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書) 


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