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ふみサロ2月課題『コンビニ人間』を読んで

2022年6月からエッセイ塾、ふみサロに参加しています。

毎月課題本から得たインスピレーションをもとに800字程度のエッセイを書き、参加者同士で講評する。SNSで発信するまでが課題。
8月から、SNSに投稿してから合評会となりました。


↓以下がエッセー


『私の身体は、音で満ちている』


長年、ピアノをやっているからなのか、
頭の中で音楽が鳴りやまずに困ることがある。
その日のレッスンの最後に聞いた曲、
ふとした瞬間に聞こえてきた曲、
自分が練習している曲、
などなど、そのときによって違うけれど、
一部分がぐるぐると繰り返される。
この繰り返しがけっこうきつい。
どうせなら、最後までいって、すっきり終わってくれたらいいのだけど。
練習している曲の同じところがぐるぐる繰り返されるのは、あやふやに覚えている部分のことが多い。右手のメロディーは分かっても、左手の伴奏の音があやふやだと先に進めず、繰り返されてしまう。
本番が近くなって、この状態だと気になって、楽譜を確認したくなる。

夜の静かな時間では、時計の秒針のカチカチカチカチの音が、メトロノームの音に聞こえてきて気になる。そうなると、秒針に合わせて音楽を再生してしまう。メトロノームは一分間に四分音符がいくつ入るかを数字で表している。秒針はちょうど60なので、比較的ゆっくりなテンポになる。速いテンポの曲をゆっくり演奏するのは意外と難しい練習方法で、それを頭の中でやるのは大変だ。勢いに任せて指だけの感覚で弾いていた部分が拡大される感じになり、どうなっていたっけ?と分からなくなり、またぐるぐる繰り返される。

頭の中の音楽がうるさく感じて、消そうとしても、スイッチを切るようにはうまくいかない。
そんなときはピアノ以外の音楽を聞く。
メッセージせいの強い歌詞だと疲れてしまうので、日本語の曲は滅多に聞かない。
ふんわりとした雰囲気のボサノバが好き。
歌詞の意味もよく分からないのが良い。
ギターの音色と指と弦が擦れるようなキュッという音も臨場感があって良い。

だけど、
ボサノバが頭の中で流れたことはないなぁ。
ピアノの曲ばかりだ。
頭の中ではうるさいと感じつつも、
結局、ピアノを聞くと、やっぱりピアノの音色は良いなぁと思ってしまう。
ピアノの音色が身体に染み付いているんだな。

           (おわり)


とても興味深く小説を読みました。
"普通"について考えさせられるテーマですが、"音"についての描写も興味深かったので、私の中の音について書きました。

課題本


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