働きやすさは「課題特定とその言語化」で出来ている
こんにちは。SmartHR人事労務研究所の副島 (@tomosoe)です。先日、同僚からこんな言葉をもらいました。
これは、弊社の「働きやすさ」にまつわることに対していま何が起きていて、何を考えなければいけないのかを整理していたんですが、とある沼にハマってしまいました。それならばどんな沼に私がハマっているのかを吐き出してしまえ!としたドキュメントに対する同僚からの感想です。沼にハマったのは事象に対して何を課題とするのかを定めることが難しく…幾通りもある考え方の中でどれを採用すべきかをまずは決めねばなと思い、アマゾンの奥地に関係者を誘ったのでした。
課題の特定こそ会社のアイデンティティ
「働きやすさ」は課題特定が7割を占めるのでは思っています。会社の業種、規模、個人の職種によっても違うし、ライフスタイルやライフイベントの変化によって求めるものも変わってくる。「どんな課題に着目する会社なのか」はその会社のアイデンティティなのかもしれません。その課題特定をするために必要なのは「考え方」。考え方次第で何を課題として捉えるのかも変わってきます。
昨年の「WORK DESIGN AWARD」で「そっちの考え方するのか〜!」と私が唸ったのは、グランプリを受賞したパプアニューギニア海産の「フリースケジュール制度」でした。
制度の斬新さに目が行きがちですが、私が注目したのは代表であり工場長の武藤北斗さんの考え方と課題設定です。
シフト制勤務の場合、欠勤者が出ると他の方の負担が大きくなることは誰もが想像できると思うんですが、課題はそっちじゃなくて「休みます」の一言が言い出しにくいことの方に着目されたと聞いて、ハッとしたんです。スケジュールが調整しやすい職種ではなく、今日、必ず、対応が必要な工場勤務において、経営者がそっちの考え方ができるってすごいなと純粋に思いました。
最終審査の時にはあまりに斬新な制度のため「他の会社で再現性あるのか」といったことも話題にあがりましたが、私はどちらかといったら制度そのものよりも、働くことの本質をついた考え方と課題設定をたくさんの人に知ってもらいたいと思っていました。最終的には審査員の満場一致でグランプリが決定しましたし、後日の従業員さんへのインタビューを見ても、考えさせられることばかりで私自身もとても勉強になりました。
端的な言語化によって生み出されるもの
弊社でもさまざまな働きやすさにまつわる制度を設計していますが、やっぱり大事なのは考え方と課題の特定。これができないと制度は考えられません。(なので冒頭でアマゾン入りしたのでした)
先日、今年のWORK DESIGN AWARDのエントリーシートのサンプルを作るために、SmartHRのリモートワークに対する手当制度の背景や課題、成果などを改めて書き起こしてみるということをやりました。いざ書き起こしてみるとまったく斬新な制度ではなく(苦笑)、でも制度構築当時は明確に「これが課題だ」としていたものがあったし、2年後に振り返れたことで「まだこの制度は必要なのかな?」を考えるきっかけにもなりました。既存の制度でも改めて課題の言語化をしてみると、新しい発見があるかもしれません。
みなさんの考え方と課題を知りたい
今年もWORK DESIGN AWARDのエントリーが始まっています!「日本の「働きやすさ」を、前に進める」ためのAWARDです。どんな考え方があって、どんな課題特定をしたのか、ぜひ聞かせてください。決して奇抜な制度が注目されるものではありません。その証拠に弊社の制度はこんな感じで全然奇抜ではないのに(苦笑)それでも働きやすい会社と認識いただけているのは、課題を社内外に共有しているからなのではと思っており、その共有の場としてぜひ活用いただければと思っております。今年のエントリーシートは各項目ごとに文字数をギュッと絞っています。1行100文字あれば意外に伝えたいことが伝わるのです。この言語化にもチャレンジしてみませんか?端的にまとめることで社内に対してもわかりやすく制度をアピールできるきっかけになるかもしれません。社外に対しても「どんな考え方をしている会社なのか」を伝えるためには言語化が重要です。エントリーシートの記入方法ガイドも公開されているのでご参考ください。
僭越ながら、今年も審査員を務めます!たくさんのご応募、お待ちしております!
(こんな感じの奇抜ではない制度たち)
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