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タイ文字を読む その⑦発音しない「ห」と「อ」

ここまで来るとタイ文字の学習も終盤。
もう一息です。


今回の主役は「ห」と「อ」。

ですが、二重子音で説明した”単独低子音字”を思い出しておいてください。

「ล、ม、น、ณ、ง、ร、ว、ย、ญ」
➡これらの低子音字は「単独低子音字」と呼ばれています。


まずは「ห」から。

子音の「ห」は、”h”の音。

ห้า hâa「5(数字)」
หก hòk「6(数字)」
หา hǎa「探す、訪ねる」
ห้าง hâaŋ「デパート」


子音の「ห」は、単独低子音字と連結すると発音しなくなるという性格を持っています。

"h"の音が消えてしまうんですよね。


もし紙のタイ語辞典を持っている方がいれば、辞書を引いてみてください。

ほとんどの単語で音が消えていることがわかります。

文字としてはよく出てくるのですが、音としてはよく消えるという不思議な子音なのです。

一言も喋らないけど存在感はすごい人みたいな。


では、いつ音が消えるのか。

ห+【ล、ม、น、ง、ร、ว、ย、ญ】
※”ณ”はスルーでOK


「ห」の後に単独低子音字【ล、ม、น、ง、ร、ว、ย、ญ】が続くと、「ห」の音が消えます。

そしてここが重要。
「ห」の音は消えますが、声調は「ห」を頭子音字としてカウントします。

つまり、高子音字としてその単語の声調を求めるということ。

声調も確認してコア単語をぜひ覚えてください。

【コア単語】
หลับ làp「眠る」
หมู mǔu「豚、豚肉」
หนัง nǎŋ「映画」
เหงา ŋǎw「寂しい」
หรือ rʉ̌ʉ「○○ですか(疑問)」
หวาน wǎan「甘い」
หยุด yùt「停止する、(行動を)やめる」
ใหญ่ yày「大きい」

発音を見るとすべて"h"の音が消えていますよね。
声調には高子音字のルールを適用。


注意点として、「ห」に母音が付いている場合は単独低子音字と連結していても、通常の子音として扱い”h”の音で発音します。


หิว hǐw「お腹が空いた」
ห่วง hùaŋ「心配する」※この「ว」は母音の「ว ua」
ห้อง hɔ̂ŋ「部屋」
ห้าม hâam「禁止する」※書き言葉


「ห」に母音や声調符号が付いていない場合は、基本的には音が消えると考えてもいいかもしれません。

でも、หก hòk「6(数字)」のような単語もあります。
すべて当てはまるわけではありませんので注意が必要。

ちなみにこれは『その⑤母音符号のない単語の読み方』で登場しました。


次に「อ」。

最初に確認を。
子音の「อ」と母音の「อ」を理解していますか。


子音の「อ」は、もともと発音しない子音です。
意外とこれを知らない方がいますので要注意。

長母音や短母音が子音の「อ」に付いたときは、その母音のみを発音します。

อ้วน ûan「太っている」
ออก ɔɔ̀k「出る」
อันนี้anníi「これ」

発音はしないけど、声調は「อ」に従います。

また、発音はしませんが子音としてはしっかり存在するので、偽二重子音や母音符号のない”o”を加える特殊な読み方も適用されます。

อภัย aphay「許す」
อโศก asòok「アソーク」
อก òk「胸」


母音「อ」の音は”ɔɔ”。

สอง sɔ̌ɔŋ「2(数字)」
รอ rɔɔ「待つ」
ของ khɔ̌ɔŋ「物」

母音の方は問題ないかと思います。


そして今回学習する”発音しない「อ」”は、以下に記載する4つの単語のみ。

อยู่ yùu「いる、ある、暮らす」
อย่า yàa「~しないで(禁止)」
อยาก yàak「~したい」
อย่าง yàaŋ「種類、~のような」

「อภัย」や「อโศก」などとの違いは、この4つの単語だけには偽二重子音のルールが適用されません。


例えば、อยาก yàak「~したい」

本来は偽二重子音なので短母音「a」が加わり"ayàak"となります。

しかし、この4つの単語だけはその影響を受けず、完全に"無"の子音と化します。

音は消えても「อ」を頭子音字としてカウントするので、声調だけは中子音字のルール。

4つすべてが頻出単語です。
間違えないようにしましょう。





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