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【肩】上腕骨頭前方変位について-概要と評価-

こんにちわ!


私の地域では草野球がシーズンインしているチームが多くあります!
かっこよく言えば社会人の軟式野球になりますが、私が所属しているチームは企業チームのようなガチガチのチームではなく、楽しくと勝つことを両立したチームで毎年楽しく野球させてもらってます⚾

いまこういうコロナの状況ではありますが、私のチームも含めてチームでの感染対策も徹底して行っているところは多くあるので、はやくコロナが落ち着いてより気持ちよく野球ができる日がはやく来ればと思います!


今日なんですが
肩関節についてで上腕骨頭の前方変位について書いていきたいと思います!

肩関節周囲炎の患者さんや野球肩の方でもよくこれは診られる所見です。

しっかりと理解しておきましょう!!!


●上腕骨頭前方変位とは

肩甲上腕関節の関節窩に対して上腕骨頭が前方に上方変位している状態のことです。


矢状面から見たときに上腕骨頭の上部を覆うような形で肩甲骨の肩峰があります。


以前も記事にあげておりますので再度確認してみてください。

正常では肩峰の下に上腕骨頭があり、肩峰に対して上腕骨頭は直径の1/3内に収まっています。

しかし、これが1/3以上変位してしまうとなんらかの可動域制限や痛みにつながりやすくなってきます。


●原因

原因に関しても先ほど載せた記事であげておりますが

肩甲上腕関節での主な問題としては

・肩関節後方関節包短縮 + 前方関節包伸張位
・大胸筋・広背筋の硬化・短縮
・肩甲下筋の筋力低下
・肩関節外旋筋群(棘下筋・小円筋)の硬化・短縮

などがあげられます。

特に臨床的に多いのは

後下方組織の短縮が多く、屈曲・外転・内旋運動における骨頭の後方・下方滑りを阻害してしまい、結果として動作の中で骨頭前方・上方変位を招いてしまいます。

また、臨床の中で肩関節周囲炎の患者さんで、前方変位と上方変位はよく起こりやすいのでしっかりと静止アライメントの時の骨頭の位置や動作時の骨頭の動きは診ておきましょう。



●前方変位が起こるとどうなるか

屈曲や外転などの動作の中で関節窩に対して上腕骨頭が前方や上方変位してしまうと、肩峰下インピンジメントが起きやすくなってしまいます。


肩峰下インピンジメントとは、腱板や肩峰下滑液包が烏口肩峰アーチの下面と接触することで、疼痛が生じる原因の一つです。

後方や下方の関節包・筋肉などに拘縮が生じ、肩関節の動作の中で上腕骨頭が前方・上方に押し出されることによって、動作時に腱板や滑液包と烏口肩峰アーチでの接触圧が強く生じてしまいます。


●前方変位を修正するには

原因で挙げられた問題点を修正するのですが先ほどもいったように、臨床的にもよく多いのが後下方組織の拘縮です。

後下方組織でいうと

・棘下筋
・小円筋
・後方・下方関節包
・後下関節上腕靭帯

などがあります。


一般的に後下方が伸張される動作でいうと屈曲/外転と内旋です。

そのため、前方変位を修正するにあたっては

2nd・3rd肢位での内旋可動域を出す必要があると考えられます(※もちろんこれだけが前方変位の原因とは限りません)。


新人の頃の私はそんなこともわからず、ひたすら患者さんが挙上できるように屈曲可動域と外旋可動域、肩甲骨外旋・後傾を出そうとしていました。

非常に浅はかでした。笑


そして、その中でどの組織が可動域制限の原因組織になっているのかを評価していかないといけません。


それを評価するためには他動での可動域を見ていく中で

・エンドフィールの感じ方
・どの組織が早く伸張されるかを触診しながら感じる(表層組織なのか、深層組織なのかなど)

を確認していく必要があります。

その評価をした上でストレッチやリリース、反復性等尺性収縮など必要な治療を選択していきましょう。



●まとめ

今回は肩関節の上腕骨頭前方変位について書かさせていただきました(上方変位も多少入りましたが)。

臨床でもよく診る所見だと思いますので参考にしていただけたらと思います。


私は今でも肩関節の患者さんの治療に苦しむこともありますが、勉強していく中で様々な知識を得てそれを必要な患者さんには実践してみて改善したときの喜びは今もすごく感じます。

それくらい肩関節の患者さんは難しいと思います。

ではでは。

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