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【痛み】痛みの伝達経路 -外側脊髄視床路について-

こんにちわ!

今日は痛みの伝達のメカニズムに関連する外側脊髄視床路について説明していきいと思います!

●外側脊髄視床路とは

外側脊髄視床路は痛みや温度の感覚を伝える神経伝達路であり、主に脊髄と大脳皮質の間で情報をやり取りします。

この神経伝達経路は温痛覚を伝える重要な役割を果たしており、身体の感覚を正確に伝えるために必要な経路です。


●外側脊髄視床路の流れ



外側脊髄視床路は以下の画像のように信号が末梢から脳へ繋がっていきます


(ペインリハビリテーション入門 より画像引用)

末梢神経である一次侵害受容ニューロンに存在する侵害受容器で感知され、一次侵害受容ニューロンを上行し、脊髄後角に伝導されます。その後、シナプスを介して二次侵害受容ニューロンに伝達されて視床まで伝導されます。

この脊髄後角から視床に至る経路が脊髄視床路です。

そこから視床でシナプスを介している三次侵害受容ニューロンに伝達され大脳皮質の体性感覚野に伝導されるとそれが「痛み」として知覚されます。


以下にそれぞれ少し詳しく書いております。


・末梢神経(自由神経終末)


痛みや温度の感覚を伝える刺激は、末梢神経線維を通じて脊髄に入ってきます。

鋭い痛みを伝えるAδ線維と鈍い痛みを伝えるC線維が主に関与し、痛みや温度の情報を脊髄へ伝えます。

特に外側脊髄視床路ではAδ線維の一次痛(鋭痛)の伝達経路です。

・脊髄後角


脊髄に入ってきた痛みや温度の情報は、脊髄後角で第二ニューロンによって処理されます。

脊髄後角は灰白質で背側から順にⅠ-Ⅹ層に分類されて、Ⅰ-Ⅵが脊髄後角になります。
感覚神経細胞が主に集まる場所で、痛みの強度や痛みの局在を識別して情報を延髄・中脳を通って視床へ伝達します

・視床


視床は、脳の中に位置し外側脊髄視床路の情報を受け取ります。
感覚や痛みの情報を他の脳の領域へ中継する重要な役割を果たしています。

・大脳皮質


視床から伝達された情報は最後に大脳皮質へ伝達されます。
大脳皮質では感覚情報を受け取り、その情報を受け取り痛みや温度の知覚を形成します。

大脳皮質のさまざまな領域が関与し、痛みの感じ方や意識化に関与します。




●まとめ

今回外側脊髄視床路の痛みの伝達について書きました。


外側脊髄視床路は、痛みや温度の感覚情報を効果的に伝達し、身体の安全性や生存に重要な役割を果たしています。この経路の障害や異常は、疼痛や感覚の異常を引き起こすことがあります。

痛みを扱う専門家として痛みの伝導路・メカニズムをしっかりと理解した上痛みに関連する障害や疾患の評価や治療をしていただけたらと思います。


ではでは。

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