記事『ウクライナ危機で露見、「ロシアは悪くない!」論者が無視する21世紀の国際規範』について

『日本を含む西側とロシアの対立を「21世紀型の国家」と「19世紀型の国家」のロジックの対立であると捉え直す』

・・・以前別件で私がフェイスブック投稿(コメント)した中で言わんとしていたことに通ずるものがありました。

件のコメント(抜粋)↓

『ロシア、中国って専制君主国から(安定的な)近代資本主義を経ずに共産主義国家としての支配構造を確立した希有な大国であって、今もって共産党が支配する中国も含めて原理的な共産主義(計画経済、私有財産否定)を捨てながらも、〝労働者による〟「集団指導」を称して互いが互いを監視、牽制し、権力構造は「集団」のトップに集約されていく…当然〝異端〟が排除されていく中で、「自由」や個々のその意志に基づく本当の「民主」なるものを知らない(経験したことがない)これらの国の民衆は、物質的な〝豊かさ〟の享受によって思想信条の自由がないことにさしたる疑問は呈さない(一部は気づいて行動しようにも、200年以上も前に単発銃やら鋤や鍬持っての民衆蜂起が功を奏した時代とは訳が違う)・・・そんな歴史で今に至っているんですよね。

対外的にも…法の支配とか民族自決といった近代国家間の〝常識〟的な概念を学んでいないから、専制君主の時代と変わらない覇権主義が彼等の理屈では通用するわけで、北方領土や尖閣諸島について我が国が主張する「固有」の領土という論理は本気で理解できてないんだと思います。』

別の我が投稿より一部転載(北方領土問題に関して…ここでの「原則論」とは、「近代国家において平和裏に定められた国境」=1875年の樺太千島交換条約を根拠とする「全千島列島返還」論)。・・・本件のウクライナ全土についても同じことが言えると思います。↓

『いわゆる「固有の領土」とは近代国家において平和裏に定められた国境に基づく概念とみなすべきであろう。

確かにロシアはこの論理は通用せず、「第二次世界大戦の結果」と言われれば、サンフランシスコ講和条約に基づけばそれが正しいし、中国に至っては(中華人民共和国ではない=別の国家である)2000年前の帝国による支配の歴史(その根拠すら疑わしいが)を持ち出して尖閣の領有権を主張しているわけで・・・』

『ちなみに、こうした想定されるロシアの対応は、合理主義的な駆け引きであって、おそらく彼等の価値観に「原則論」はない。そもそもロシア連邦は(4島の帰属問題に言及したエリツィンの東京宣言を除くかつての各条約、協定に関係した)「ソ連」でもなければ「帝政ロシア」でもない。「原則論」に則れば、クリル諸島(千島)、サハリンはおろかクリミアも、シベリアさえも彼の国(22の共和国で構成され1つの「国」とは呼ばないらしい・・・この点からしても)〝固有の領土〟などではないのである。』


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