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竹樋設置経過報告・竹筒トラップ仮製作


サトイモ苗場に竹樋たけどいを設置してしばらく経つ。
散水後はスズメバチやミツバチが給水に訪れる様子がよく見られるようになった。
基本的に刺激しなければ刺される事はないため、補殺する事なく放置している。


竹樋は私有地にて伐採した、水分を多く含む当歳の青竹を利用したために加工後は全体が大きく縮む。半分に割ったというのに、再び完全な筒となりつつあるまでに縮んでしまった箇所も見られる。
加工する竹に青竹を使用してはいけない理由がよく分かる。

しかし、縮んだ事によってホースを挟み込んで固定しやすくなった。
この箇所を少し削ってからは、上手くホースを固定しつつ着脱も容易となったので、今回に限っては青竹の加工が功を奏したと言えるだろう。

正直なところ、竹が大きく縮むまではホースの固定方法をどうするべきか悩んでいたので本当にちょうど良かった。


竹樋設置後は1匹のアマガエルが完全に定住するようになった。
猛暑の中で日陰と適度な水分が存在する場所が貴重なのだろう。




隣の土地から私有地に侵入した篠竹も伐採せざるを得ないので、伐採と加工を行った。

所謂、竹筒トラップと呼ばれる物だ。
これを雨の当たらない場所に設置する事で様々な蜂を呼び込んで、営巣を観察できる。
これは青竹を使った試作なので乾燥により縮んで筒も歪んでしまう。そのため本来は緑色の抜けた古い竹を使うが、これも乾燥が進めば小さな蜂が利用してくれるだろう。

ビオトープ周辺ではイモムシやササキリの類が多く観察されるため、それらを餌とする狩蜂かりばちの飛来が期待される。
巣を塞ぐ蓋として泥が使われるため、ビオトープの付近は営巣場所としてより好まれる可能性が高い。

このトラップは竹筒を割る事で中の幼虫を細かく観察できるが、その後に放置すると死んでしまう。
しかし、割った後に中の幼虫と餌を回収して小瓶に入れる事でその先の成長を観察する事もできる。

片側には節を残しておく

本来は伐採後すぐに加工せず、ある程度放置して乾燥させるべきなのだと思われる。
そもそも狩蜂は湿度の高い筒を好まない。前述の通りに蓋として使われる巣材の泥が軟弱になったり、筒の中で育つ幼虫やその餌にとってカビや蒸れが大敵となるためだろう。
しかし、今回は青竹一本分だけすぐに使用してみる。どれほど縮むのかを一度確認しておきたい。
また、加工を主目的とするならば他種の竹と同様に夏期の伐採及び当歳の青竹の使用は避けるべきだろう。



以前にビオトープ周辺への散水を行おうとした際、ホースの中から大量の葉が押し流されて出てくるという珍事に遭遇した。
規則的に切り取り集められたその葉はハキリバチによる物と見て間違いないだろう。成虫が集めた葉を住処や餌として成長するこの蜂もまた、竹筒を巣として利用する。
今回の竹筒はあの時のハキリバチへの贖罪も兼ねて設置する事となった。

ホースの中から押し流された
ハキリバチの巣材




時折日本に流通する海外産のオサムシ科甲虫、Anthia sexmaculata (通称:トゥエルブスポット・プレデタービートル)等は幼虫が主にアリ幼虫や蛹を捕食して成長する生態を持つが、代用食としてハチノコ等を利用する飼育者も存在する。
大量に設置した竹筒トラップは代用食を賄う手段の一つとしても有効なのではないかと自分は考えているが、餌に適したサイズを大量に用意する事が難しく、急場を凌ぐ手段としては準備の手間や期間が長すぎる事から現状ではあくまでも空論の域を出ない。




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