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白サシ給餌感想①ヒキガエル


今回は以前紹介した白サシ養殖装置で得たウジやハエをヒキガエルに与えた際の感想を掲載する。




空腹状態のアズマヒキガエル2個体に対して生きたウジをそのまま与えた場合、ウジや芋虫特有の蠕動ぜんどう運動により高い嗜好性を示した。
しかし、2.3匹ほどのウジを捕食した後に2個体とも捕食を停止した。


ウジは水没した環境でも半日以上行動を行う事ができる。
さらには鉤状の口器を引っ掛ける事で歩行を行う生態であるため、ヒキガエルの胃の中でストレスを与え続けた結果、捕食の停止に至ったものと思われる。
また、排泄された際のウジはほぼ完全な未消化状態であった。

今回捕食を行ったヒキガエルは両者ともしばらくの間、ウジの捕食を行わなくなった。
ヒキガエルは捕食対象から何らかの反撃に遭った場合、同じ動きをする餌を避けるようになる傾向があるが、その例に当てはまるストレスを受けたのかもしれない。




続いて、囲蛹いようの両端をそれぞれ1ヶ所ずつ針で傷付けた物をヒキガエルに捕食させる実験を行なった。
その結果、囲蛹は未消化分が多い状態で排泄された。
以下が排泄された囲蛹を分割した画像となる。

ヒキガエルの糞と囲蛹
分割した囲蛹。
両端に穴を開けたものの
未消化部分が非常に多い


餌として利用する場合は完全な分割状態で与える事、または羽化後のハエを与える事が推奨される。
分割状態で与えた場合でも囲蛹殻は未消化のままに排泄されるが、ヒキガエルが野外で捕食を行う場合も餌となる地表生物の外殻が未消化のままに排泄される場面が多いため、基本的に腸閉塞等の問題は起こり難いと考えられる。




自分は羽化後のハエをヒキガエルに与える事が多いが、未消化部分は外殻表層と翅のみで、比較的消化率は良いように見える。
与える際は、ハエを適宜集めるのではなく、蛹の状態で小型タッパーに詰め込んだものを飼育容器内に置いている。
蛹が入ったタッパーには羽化後の成虫が抜け出せるほどの穴を開けているので、羽化したものから外に出ていく。
ハエは昼行性かつ走光性があるので、タッパー内に留まることはほとんど無く、夜間は行動範囲が限られて特にヒキガエルが捕食しやすい状況となる。


ハエ成虫がヒキガエルの捕食範囲外へと移動してしまわないように、飼育容器は番重ばんじゅうに土を入れた物を使用している。

飼育容器の高さをヒキガエルの行動範囲内に抑える事で、ヒキガエルは常にハエを捕捉できる環境となる。
蓋はバーベキューネットにインシュロックを用いて、目の細かいトリカルネットを取り付けた物を使用。

ヒキガエルは力が強く、蓋を押し上げて脱走する例が頻繁に報告されるため、水の入ったバケツ等を重石として複数箇所に設置し、蓋を押し上げられないようにする。

また、水容器はハエが入る事を防ぐために、光源から最も離れた奥側に配置している。

最近はあまり自宅に居ることがないため、参考画像は後日撮影して追記する。


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