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白サシ給餌感想②ハンミョウ



給餌概要

今回はハンミョウにウジを与えた際の感想と注意点を記録する。

ウジ特有の蠕動ぜんどう運動により、ハンミョウに対して高い嗜好性を示す。
ハンミョウは数メートル先からでもその動きを捕捉して近づき捕食を行う。


餌容器内に乾燥した砂や土を共に入れる事で、湿潤環境におけるウジが持つ登壁能力を抑えられる。その際はウジが潜らないように薄めに敷く事を推奨。
この点は脱走を行いやすいミルワームよりも優れているように感じた。
ウジを給餌する際の餌容器については後述する。

ハンミョウは"正の走光性"を持ち、飼育下では主に光源が存在する方角のケース壁面に沿って地表を移動する傾向がある。
そのため餌容器と水容器はそうした場所に沿って設置すると良い。
また、ウジは逆に"負の走光性"を持ち、明所に設置された餌容器内で暗所を求めて常に動き回る事となり、ハンミョウにとって嗜好性が高い状態が長時間続くため餌として都合が良い。

ただし、数日間捕食されなかった場合には前蛹となり、容器の隅で全く動かなくなる。
数日間はそのままにしても問題無いが、次第に表皮が褐色に色付いてきて最終的には暗褐色の囲蛹となる。
囲蛹は4日〜2週間前後で羽化(気温によって変動)をするので、ケース内にハエ成虫が居る事で都合が悪ければ予め取り除く。
囲蛹を潰した場合でもハンミョウの餌として利用できる。

また、古い飼育書では、旅行等で長期間給餌を行えない場合の非常食として購入した白サシや囲蛹を飼育ケース内に投入する事で、時間差で発生する羽化直後のハエ成虫を肉食昆虫に捕食させる給餌方法が紹介されており、その際のイラストにハンミョウが使用されていた。



餌容器

餌容器は以下のように鉢底ネットと結束バンド(インシュロック、ケーブルタイ)を用いて土留めを作る事でメンテナンスが行いやすくなる。


餌容器は3センチほどの深さがあれば
ミルワーム等が脱走する頻度も減る



捕食方法

ハンミョウがウジの捕食を行う際、初めのうちはウジの柔軟かつ頑丈な外皮により咀嚼に難儀する様子が見られるが、咀嚼を繰り返すことによって次第に外皮が破られ、体液が滲み出すようになった後に、最終的に外皮だけが残るようになるまで捕食される。
外皮は噛み千切られる事なく、噛み終えたガムのように単一で残される。

そのため、ミルワームのように遺骸破片が複数箇所に散乱する事が全く無い。
捕食された1個体につき1つの外皮が残されるので、比較的楽に回収を行える。



幼虫への給餌


幼虫に与える場合は頭部を潰したウジを巣穴に差し込む事で給餌を行う。(これにより冷凍アカムシのみで加齢させる事も可能)
巣穴に入れる際は潰した側の頭部を下にする事でハンミョウ幼虫がウジの体液に触れて、餌である事を認識しやすくなる。
巣穴に引き摺り込めないサイズであっても一度餌だと認識すれば入り口付近で捕食を継続する。




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また、ハンミョウ飼育における餌容器の設置法及び飼育法全般はフォロワーが運営している以下のサイトでトモロウの名前と共に紹介されている。

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