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舟和・キマイラ



舟和の芋ようかんを買った。
非常に純朴かつ繊細な味で、原点にして頂点だと思っている。
子供の頃から、機会があれば買ってもらっていた気がする。

その味わいはサツマイモ、砂糖、少量の塩のみで作られた黄金比だ。
故に保存性が低く賞味期限も1日しかない。

原材料のシンプルさから想像できるように、言ってしまえば「ちょっと甘くしたサツマイモ」かもしれない。
しかしそれだけでは説明できない味わいがある気がするのは、ほんの少しの塩故だろうか。

飛び抜けて美味いスイーツというカテゴリではないが、とにかく「懐古する味」「落ち着く味」だ。

基本的には土産物として持ち帰るので浅草の喧騒の中で食べた事はないが、一度そこで味わってみるのも面白いかもしれない。

地元市でもたまに物産展等で見かける事はあるが、自分の住む地域周辺ではあちこちで売っているという訳でもない。

…と思っていたが、つい最近にちょっとした近場で常時販売しているポイントを発見した。

…ような気がするが、それが何処だったのかを全く思い出せない。
もしかしたら夢だったのかもしれない。

よくよく考えてみると恐らく、そこまで近場ではなかったと思う。
何せこの1ヶ月で実に100軒を越える商業施設を巡ってしまったので、各地の記憶が複雑に融合しているのだ。

趣味や仕事、調査で商業施設巡りをしていると、こういう弊害が出てくる事が多い。
現在は閉業してしまっている「幾度となく家族で遊んだデパート」の思い出も、平成レトロなその内装の記憶も、今では各地の商業施設のそれが入り混じった混合獣キマイラと化してしまった。

対策としては、訪れたその場所で少しでも多くの写真やメモを残しておく事くらいしかないのかもしれない。

というかマジでどこなんだ、近場の舟和販売店。
検索しても全然それっぽい物が見つからない。



平成レトロ施設・一例

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