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日本のライブハウスシーンで良かったバンドまとめ

2019.12.17〜2020.1.13まで日本に帰った。こんなに長く帰国していたのはアメリカに来てから初めてだったし、今までの2週間前後の帰国では友人との約束でスケジュールが埋まってしまってライブハウスにはそこまで行けなかった。

今回は滞在期間が長かったこともあり、久々にそこそこ日本のライブハウスシーンを体感した。大好きなスタジオコーストで大好きなストレイテナーを観れたし、CDJではほぼ酒を飲んでいたけど、FLOWER FLOWERやNumber Girlも観れた。そして30バンド以上小箱でインディーズ・バンドも観た。

よくアメリカで出会った友人に日本の音楽について質問をされる。「日本の音楽シーンはどうなの?」って質問されると、大抵は「Shit!」と答えるけど、「日本のインディーシーンはどうなの?」と聞かれると「better than here!」と答えることが多い。「ここより良いかもね!」と。

別にこれはお世辞でも無ければ、僕が日本人だからでもなく、日本のライブハウスシーンの音楽がLAのDIYシーンに負けているとは思わない。今のロンドンとかに行けば別かもしれないが、僕は日本のライブハウスシーンがLAやNYのシーンに負けているとは思わない。

実際に今回久々に日本のライブハウスに足を運んでみて、日本のバンドの面白さを実感したし、今回は3年くらいのブランクの間に出てきた新しいバンドや以前と比べて見違えるほどよくなったバンドなどをここで紹介していきたいと思う。

日本のバンドは音源よりもライブが良いバンドが圧倒的に多いので、音楽リスナーの皆さんにはライブハウスに足を運んでほしいし、このブログを読んでくてれる洋楽ファンの方がいたら、身近の街で鳴っている音楽にも興味を持ってほしいなと思う。

やっぱり好きな音楽は一つでも多い方が人生楽しいと思うからね。

EASTOKLAB(from 名古屋)

名古屋を拠点に活動中の4人組。個人的には去年Spincoasterでインタビューをさせてもらったり、3年前くらいにイベントに出てもらったこともあるバンド。ライブを観たのはそれ以来だったけど、音圧が凄くて迫力があるのにのすんなりと耳に馴染むし、ドリーミーでオルタナティブなエレクトロサウンドがとにかく心地良かった。そこの上に乗っかるヴォーカル日置くんのファルセットは格別。最後に演奏した「Dive」という新曲がすごく良かったので、今年も楽しみだ。

揺らぎ(from 滋賀)

去年日本で一番注目されていたであろうシューゲイザーバンド、揺らぎ。結構前から知っているけど、ライブを観れたのは初めてだった。個人的に揺らぎの好きなポイントは楽曲の中での緩急の付け方。緩急が上手くついてるから轟音を鳴らすときにスイッチが一気に入り、一気にギアが上がる感じが良い。UKや北欧のドリームポップ / シューゲイザーバンドともクロスオーバーする数少ない日本のシューゲイザーバンドだと思う。

RiL(from 町田)

昨年のイベントにも出てもらったRiL。僕のイベントはフロアライブだったので、ステージに乗ってるライブを観たのは初だったけど、彼らはステージの有無やキャパの大小関係無く同じ熱量でライブを届けられるから強い。ハードでパワフルなロックンロールを2020年に全力で鳴らし、そのギターフレーズ一つでグッと来ちゃうんだから。最初は迫力に圧倒されるけど、最終的に楽しいで終われるも良い。2ピースバンドで一番大事なメンバーそれぞれの華もあるし。基本ハードな音楽が苦手な僕が全力でオススメする町田の2人組。

Bearwear(from 東京)

東京の2人組、インディーバンド、Bearwear(ライブでは5人でした)。Captured Tracks系統バンドを中心とした2010年代のUSインディーなサウンドを軸に、彼らが元々やっていたというエモやパンクからの影響が色濃く反映されているバンドで、日本で一番〈Run For Cover Records〉からのリリースが似合うバンドなのではないでしょうか。日本のインディーシーンにもUSインディーからの影響を感じるバンドは多々いるけど、彼らのタイプはまだいないし、日本では現状唯一無二な存在かと。

逃亡くそタわけ(from 東京)

今日紹介しているバンドの中で一番昔から知ってるバンドだと思うし、活動歴も長いはずだが、Youtubeにはよくわからないライブ映像しか見つからない。音も最悪だ。でも、この映像からも彼らの良さが少し伝わると思う。イントロから無駄に泣けちゃうグッドソング。めちゃくちゃ優しくて友達の兄ちゃんがライブしているで最高。何よりも楽しそうだ。もう何年ぶりに観たかわからなったけど、新曲として演奏していた曲が一番最高だった。

SEAPOOL(from 大阪)

大阪を拠点に活動中の3ピースバンド、SEAPOOL。ストリーミングで音源は聴いていたのでライブを観れるの楽しみにしていたけど、ライブは音源以上に出音に迫力があって、完全にオルタナバンドで最高だった。90sのサウンドを取り込みつつも中心には唄がある感じのサウンドは羊文学やきのこ帝国といったバンドを彷彿させるし、シンプルな楽曲から少し変態チックな楽曲まであるのもグッド!またゆっくり観に行きたい!

SHAKE BANGS (from 宇都宮)

宇都宮を拠点に活動中の3人組、SHAKE BANGS。ローファイ・ガレージ・サウンドに乗っかるノスタルジックなメロディーを聴いていると、もしHomecomingsが西海岸に住んでいたらこんなバンドやっていたんだろうなって。少しLAが恋しくなったのは内緒です。探したけどネットには上がってないっぽいし、なんて曲かはわかりませんが、1曲The Schoolを彷彿させる曲演奏していて泣きそうになりました、、、。なんて曲だろ、、、。

窓際 (from 東京)

andymori辺りからの影響を感じるこういうバンドって正直たくさんいるんだけど、その中でピンと来るバンドってあんまりいないじゃないですか。窓際はその手のバンドの中ではSUNNY CAR WASH以来にピンと来たバンドでしたね。シンプルに楽曲と唄が素晴らしくて。音源の何倍もライブが良かったです。

Jan flu(from 東京)

もしCaptured Tracksが日本にあったとしたら、彼らと真っ先にサインするだろう。DIIVやWild Nothingを彷彿させるサーフ感がたまらないし、少しニューウェーブっぽい曲もあるのも最高です。メロディーも絶妙に癖になるし、元々大好きなバンドでしたがようやくライブが観れて感無量でしたね!完全に趣味入っちゃってますが、僕のようにUSインディーシーンが好きな方はマストだと思いますね!

SAGOSAID(from 東京)

音楽には気怠さこそが必要で、それこそがパンクでガレージでオルタナティブなのだ。とばかり言っていた2年くらい前の僕に今すぐ教えてあげたいバンドSAGOSAID。今すぐ〈Burger Records〉に見つかって欲しいし、ベニスビーチのスケートパークの真横でやっているよくわからないフェスに出演してほしい。僕が好きなオルタナティブ・ガレージは雨よりも太陽が似合うのだ。

ナツノムジナ(from 沖縄)

沖縄で結成、現在は東京で活動中というプロフィールからなんかカッコいいナツノムジナ。People In the Boxとかと対バンしているように、まさに残響レコードがまだちゃんとしていたら大プッシュしているバンドだろうなと思う。きっと彼らには彼らにしか見えてないような理想の世界があって、そこに向かおうと、向かおうと必死にもがいているような音楽に僕には聞こえる。オルタナティブで文句の言いようの無い演奏はもちろんだが、どこかフジファブリックの志村さんをイメージさせるようなちょっぴり癖のある唄声はズルい。

Johnnivan (from 東京)

出れんのサマソニにも出演していたJohnnivan。この「Nobody's Awake in This House」や幾つかの曲ではどこかFranz Ferdinandとか、00年代を彷彿させるようなダンスロックに近い感じもありつつも、80sのニューウェーブやポストパンクっぽさもストレートで感じた面白いバンド。様々な海外のバンドに影響を受けてるんだろうけど、シンセの使い方とかで最終的には完璧には日本バンドのらしさが出ているのが面白かったな。

BROTHER SUN SISTER MOON (大阪)

大阪を拠点に活動中のBROTHER SUN SISTER MOON。全然知らないままライブを観たけど、本当に衝撃的だった。サイケデリックで浮遊感のあるTame Impalaのような楽曲やBeach Houseを彷彿させるようなドリーミーな楽曲で空気感を完全に自分たちの雰囲気に作り変え、200人の小さなライブハウスからトリップした感覚になった。こんなバンドが観れるとは全く思ってなかったし、昔初めてThe fin.を観たときのことを思い出した。

Gi Gi Giraffe(from 東京)

僕が昔開催したサーキットイベントにOAとして出てもらったことがあるバンドなのでけど、完全に別バンドに進化していました。宅録系でローファイでサイケでリフがカッコ良すぎるという点でドミコとかに通じる変態感が凄まじくたまらない。宅録だけど跳ねるようなリズムのアプローチや録音も素晴らしいし、その上に磨きがかかったロックンロール・バンドとしてのライブのクオリティーが以前とは比べ物にならなかったな。

The Wisely Brothers(from 東京)

キュートで透き通るようなヴォーカルだけを聴いていると邦楽ロックのド真ん中として活躍していそうにも思う彼女たちだけど、The Wisely Brothersはそれだけじゃなくて楽曲ごとに表情を変えるバンド。例えばこの「テーブル」という曲はUKのGirl Rayが頭に過るし、他にもUSインディーなサーフテイストな曲からHomecomingsやチャットモンチーまでを彷彿させ、直球バラードまで演奏していた。そして見た目に反してギターのサウンドがヘヴィーでオルタナティブな曲も多かったのは個人的に高ポイント。一つの方向性に定めず様々な楽曲を演奏。でもこの3人が演奏すれば全部The Wisely Brothersになってしまうのは最高にオルタナティブだな。

NOT WONK(from 苫小牧)

NOT WONKが苫小牧というこれまで聞いたこともない地名から出てきて、デビューアルバムをリリースした時、本当に興奮したのを覚えている。FREE THROWのタイラさんをはじめ音楽に精通のある人たちがみんなで大プッシュし、朝方のBAYCAMPで観た時は本当に何か変わりそうなヒリヒリ感があった。たぶん今回3〜4年ぶりに彼らのライブを観たけど、NOT WONKは想像を遥かに超えた化け物になってた。最新作『Down the Valley』でソウルなどを含んだサウンドへと変化した彼らだったが、ライブは完全に4年前くらいに観たNOT WONKを遥かに超えるパンクバンドだった。ギターアンプから出る音は明らかにイかれてるし、ドラムは死ぬほど上手い。特に「Shattered」「I Wont’ Cry」「Come Right Back」の3曲は90sに活躍した僕のヒーローたちの顔がどんどんと飛び込んでくるような迫力と繊細さと新しさ、そして何よりも音楽に説得力があった。今年もLAで色々なライブを観ると思うけど、正直これより凄いライブを観れるか不安だ。

NITRODAY (from 横浜)

先程紹介したRiLと同様に昨年イベントにも出てもらったNITRODAY。僕は彼らのことをPixies辺りの90sのオルタナ系バンドと比較して好きになったと思うのだけど、この日ようやく20歳になったフロントマンの小室ぺいくんを中心に彼らはまだまだ変化の途中だ。約一年ぶりに観たライブでも圧倒的に前に唄が出てくるようになっていて、そこが一番良かったし、USの音楽に影響を受けているバンドだったのが、様々な音楽に影響を受けつつも日本で勝負するバンドへと進化していた。この日披露していた新曲郡も抜群に良かったし、僕が彼らを最初に聴いたときとは違う期待感を持って、本気で今後が楽しみになった。

ライブハウスでの飲み代になります! Cheers!!!