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〈to'morrow music〉 NEW ARTISTS OF THE MONTH (June 2021)

ミュージシャンの不祥事的な話の方が、この音楽クールだよね!という話よりも熱心に盛り上がってるのを見ると、やっぱりちょっと切ないよなあ。1ネガティブに対して9ポジティブ発言する精神!大事だなと思います。

EUROはイタリアが優勝。

キエッリーニ、痺れた。

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さて、今月もプレイリスト〈TO'MORROW MONTHLY〉から国籍 / ジャンルを問わずに特にお気に入りのニューカマーを厳選し紹介していこうと思います!

Art School Girlfriend (Wrexham / Wales)

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ウェールズ出身のPolly Mackeyによるプロジェクト、Art School Girlfriend。元々はDeaf Clubのギターとして活動をしていた彼女。ソロにおいてはまずアーティスト名のセンスが抜群で、これまでにMarika Hackmanとサポートとしてツアーを回った経験を持ち、デビュー作の発売前からI-Dで特集を組まれるなどUKを中心に注目を集めるアーティストだ。サウンドの奥行きが感じられるのが特徴のオルタナティブ・ドリーム・エレクトロを鳴らすArt School GirlfriendはThe Japan Houseのような少しメランコリックなドリームポップやBeach Houseのように宇宙を旅しているかのような気持ちにさせられるアーティストに近い。どんな時にでもスッと入ってくるこの音像は暑すぎる夏を優雅に過ごすのにも、寒い冬で世界観を作り出すのにもピッタリだろう。

Cafuné (Brooklyn / USA) 

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デビューアルバム『Running』を7月20日リリースしたBrooklynのデュオ、Cafuné。スペシャルな歌声を持つSedona Schatと〈Pitchfork〉でライターとしても活動をしているNoah Yooによるプロジェクトだ。Soccer MommyやAnna Burch辺りを彷彿させるインディーサウンドを鳴らすこともあるが、個人的に一番好きなこの「High」という曲は少しメロウでジャジーなムードを醸し出した楽曲でまるでClairoやThe Maríasのよう。Barrieに続くBrooklynの重要なインディー・ポップ・アーティストになりそうだし、パンデミック禍の中ようやく完成させたデビューアルバムと共に名前を広げていくことに違いない存在!

KUNST (Bangkok / Thailand)

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タイの6人組、KUNSTの新曲「Dry Tears」という曲はAlvvays辺りの良メロお化けにも負けないほどのキャッチーなメロディーをオルタナティブ〜シューゲイザーなサウンドで調理するという最高な楽曲に仕上がっている。イントロのギターサウンドからもうグッと来るコード感だし、少しキラキラとした甘酸っぱさがあるのもポイント。透明感のあるシューゲイズをやるのに100点なのもヴォーカルの声質もとても良いし、YONLAPA、Death Of Heatherに続いてタイから素晴らしいバンドが出てきました!

Olivia O. (Atlanta / USA)

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〈Dirty Hit〉からリリースするインディーポップ・デュオ、Lowertownとしても活動しているOlivia O.のソロ。基本的にベッドルームの作風を全面に出したローファイな質感の楽曲をソロではリリースしているのだけど、今回リリースしたEP『Great Big Nothing』では個人的にはElliott SmithやFog Lake、Alex GやWyatt SmithといったメランコリックなSSWを彷彿させるようなメロディーラインや10代である彼女の感じたこと、変化、経験、出会いなどが綴られたリリックを含め最高だと思う。とてもメランコリックではあるけれども、妙に芯まで入ってくる。技術ではなく、才能というか、人間味が溢れた彼女の音楽にグッと来てしまう。

Paris Texas (Los Angeles / USA)

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LAを拠点に活動中のLouie PastelとFelixによるデュオ、Paris Texas。5月にリリースされたデビューアルバム『BOY ANONYMOUS』に収録された全8曲はそれぞれ全く異なるタイプの楽曲だった。シンプルな”ラップ”を軸にしながらもときにはサウスロンドンを彷彿させるようなギターフレーズが混じっていたり、エクスペリメンタルなシンセサイザーが唐突に登場したり、R&BやソウルからMac DeMarcoを彷彿させるソフトロックなシンセも取り入れられている楽曲もあるし、もっとクラブサウンドに寄ったシンセベースがクールな曲もある。とにかくジャンルに囚われない。そのことも話題になり〈Pigeons & Planes〉でいち早く取り上げられるなど完全に世界から注目されている2人組だ。LAのダウンタウンでVanに乗りながら自らバンドTシャツを売る活動などDIY的にファンと交流したりしてるのも個人的には彼らを推していきたいポイント。

Pays P. (Paris / France)

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パリを拠点に活動中のオルタナティブ / ポストパンク・バンド、Pays P.。知名度は無いけど、Big ThiefのEUツアーのサポートアクトとしても抜擢されたバンドだ。気怠さと気持ち悪さ、そして迫力と衝撃、それ等を併せ持つバンドで、フレンチで歌われているから何を言っているのかは理解できないが、その方が奇妙に聞こえてこのバンドにとってはクールだろう。UK、Ireland、Brooklyn、Chicagoなどなど様々な場所でポストパンクのシーンは現在進行系で盛り上がっていると思うけど、Pays P.はどこのバンドとも一致しないオリジナリティーがある。唯一近いなあと感じるのはカナダのトロントのシーンではあるが、あそこはもう少しガレージ味があるけど、Pays P.はとにかくブラックで最初から最後まで攻めている感じがクールだ。Unschoolingとかもいるし、フランスはちょっとおもしろいことになっていそうだ。そんな予感を匂わせる3人組。

S.F. Johnson (Tokyo / Japan)

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UKはニューカッスル出身、現在は東京を拠点に活動中のアーティスト、S.F. Johnson。この肩書だけでワクワクしてしまう。先日リリースされたデビュー作『Songs from an Empty Orchestra』は80sを彷彿させるドリーミーなシンセポップやWild Nothingが好きな人にはマストでチェックしてほしい「Midnight」や「Asphyxiation」を中心にソフトメロウでR&BなどをミックスしたMichael Seyerを彷彿させる「Baby, I Know」など東京という異国の地へ引っ越したことで感じたインスピレーションや疎外感などを綴った作品に仕上がっている。ご近所トラブルを避けるために録音のほとんどを東京のカラオケルームで行ったというエピソードも日本ならではなのではないだろうか。もうほぼイギリスのアーティストだし音は完全に海外だけど、せっかくなので日本のアーティストとして紹介したい!笑

suL (Tokyo / Japan)

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福岡出身、現在は東京を拠点に活動中のラッパー / SSW、suL。98年生まれのsuLは自身のルーツでもあるバンド系の音楽からHIP-HOPをミックスしたスタイルが特徴的。今回ピックアップした「mania」という楽曲でもまず何よりも生々しさのあるアコギのサウンドが心地の良い柔らかさのあるラップと絡み合うのが素晴らしいし、コーラスやエフェクト、生歌をミックスさせたヴォーカル・プロダクションもめちゃくちゃクールだ。このラップという軸の中でインディーやR&B、ベッドルームやエモなど様々な要素が混じっているのはKevin Abstract以降のアーティストであったり、Keshiやrei brownといったアジア系でアメリカで活躍するベッドルーム・ラップ・シーンの中で注目を集めたアーティストが好きな人に刺さるはず。

WATER DAWGS (Tokyo / Japan)

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2020年にインターネットを通して結成されたWATER DAWGS。現在のメンバーにはリーダーであるPowerを中心にプロデューサーであるY ohtrixpointneverやhanoi ShashiFrankhouse、Genef、wasabiの5人。関東のリバーサイドにある一軒家 / スタジオで共同生活をしながらジャンルに囚われないHIP-HOPを生んでいるクルーだ。”リバーサイド”という場所がどこなのか僕には全く想像できないけど、やっぱりこの肩書を見た時に思い出すのはBROCKHAMPTONで彼らとの共通点といえば、とにかく自由に楽曲を作っているのがすぐにでもわかる所。特に最新曲として公開された「Nahmin」が特に素晴らしい。とにかくこんなにポジティブに溢れた音楽は中々なくて、そこを極めているのが最高だし、途中で少しワールドな感じに転調する部分も超クール!この曲は上の写真にも写ってるけど、aryy(fka. non albini)も参加していて、また彼のラップもフレンドリーな質感を出していて良い感じ。なんていうか、本当のアー写ではなく、Youtubeのサムネをここに貼りたくなる感じが全てかな。他の曲でもY ohtrixpointneverのトラックがどれも素晴らしくて、ソロの名義でも実験的でハイパーポップともリンクする楽曲をリリースしているので、ぜひそちらもチェックを!希望!

Wet Leg (Isle of Wight / UK)

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UKはワイト島出身、突如〈Domino〉と契約しシングル「Chaise Longue」をリリースしたデュオ、Wet Legが凄まじい。まずはSorryを彷彿させる”センス”という言葉でしか表現できない気怠いムードとオルタナティブでアグレッシブなギターを組み合わせたサウンドが本当に最高。なんていうか、パンキッシュだけど親近感があり、オルタナティブだけど、ゆるい。そんな一筋縄じゃいかないけど、超ポップな感じが最高。少し田舎っぽさ(島っぽさ?)を出したMusic Videoの雰囲気もたまらない。そして何よりもギターフレーズ、ベースフレーズなど上モノのサウンド一つ一つが頭にこびり付いてくる感じもたまらないですね。D.C.のKnife Wifeのアルバムを聴いたときに激上がりしたのと同じ感覚。とんでもないことになりそう。

上記で紹介したアーティストを含めたマンスリープレイリスト〈TO'MORROW MONTHLY〉も公開してます!

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tomorrow vol.11 フライヤー

A VIRGIN

BROTHER SUN SISTER MOON

NEHANN

THE PLANET WE CAN SEE

Sugar House


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ライブハウスでの飲み代になります! Cheers!!!