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〈to'morrow music〉 NEW ARTISTS OF THE MONTH (April 2021)

マジで先月の更新から色々あった。

〈TO'MORROW MONTHLY〉でも1曲目に選んだけど、Porter Robinsonの新作に救われまくっていた日々でした。

さて、今月も同プレイリストから国籍 / ジャンルを問わずに特にお気に入りのニューカマーを厳選し紹介していこうと思います!

THE BLOSSOM (Los Angeles / USA)

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BROCKHAMPTONのKevin AbstractとRomil Hemnaniがプロデュースをしているレーベル〈VIDEO STORE〉の第一弾アーティストとしてデビューEP『97 BLOSSOM EP』をリリースしたアーティスト、THE BLOSSOM。BROCKHAMPTONの流れのラップ〜インディーをミックスしたRoy BlairJean Dawsonはもちろんだけど、Easy LifebeabadoobeeCharly BlissbülowClairoClaudといった本当にバラバラのアーティストを全部バランス良く感じるし、90年代のオルタナティブ〜パワーポップや00年代のポップパンクからの影響も強く感じる。2021年を象徴するような音を鳴らし、ラップ〜インディーをミックスさせた大型新人!

English Teacher (Leeds / UK)

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Sports Teamを輩出したことでも有名で、昨今のUKポストパンク・シーンが好きなら知らない人はいない〈Nice Swan Records〉から最新曲「R&B」をリリースしたバンド、English Teacher。同郷のDrahlaを彷彿させるような鋭くオルタナティブなギターサウンドとDry Cleaningを彷彿させるようなLily Fontaineのヴォーカルが超クールだし、”Despite appearances I haven’t got the voice for R&B, even though I’ve seen more COLORS shows than KEXP” という皮肉の混じったリリックもカッコいい。まだ発表曲は少ないがサイケっぽいアプローチやローファイ・テイストな楽曲もあるので、これからEPやアルバムなどまとまった単位で作品をリリースする時、彼らがどんな姿になっているのかが楽しみだ!

fanclubwallet (Ottawa / Canada)

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Clairo以降のベッドルーム・ポップ・アーティストの中でも特にベッドルームの良さが強調されているデビューEP『Hurt is Boring』をリリースしたHannah Judgeによるプロジェクト、fanclubwallet。ギターもリズムも含めとにかくソフトな質感を軸とした作品だけど、Anna Burchを彷彿させるような太陽が照らす感じの楽曲からJordana辺りの宅録感の良さを極めたポップさを表現している楽曲までとにかく聴きやすいし、中にはbedbugとかを彷彿させる気づいたら泣いているようなメロディーをしれっと忍ばせているのもカッコいい。本当にパンデミック中に音楽を作り始めたくらいにニューカマーなので、これから彼女のスタイルがどのように変化していくのか含めて楽しみたいアーティストだ。

Hong Kong Boyfriend (Los Angeles / USA)

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日本で生まれ、サンフランシスコで育ち、現在はLAを拠点に活動中のRob Sandersによるプロジェクト、Hong Kong Boyfriend。Frank OceanBon Iverからモノ凄く影響を受けたという。最新曲の「Sharlene」ではFrank OceanやBrockhampton以降のR&B、インディー、HIP-HOPを繋ぐモダンなサウンドに仕上がっているが、昨年リリースされた「Cold Waters」という曲を聞いてもらえればBon Iverからの影響を感じるのも納得できるだろう。まだ3曲しかリリースしていないが、キャッチーでありながらエモーショナルを生み出すのが本当に上手なアーティストだし、Hong Kong Boyfriendというアーティスト名も素晴らしい。EPやアルバムで100%ヒットするアーティストだと思うので、今のうちにチェックしておいてください!Conan Grayくらい売れたら面白いね!

Junior Varsity (Los Angeles / USA)

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LAを拠点に活動中のGreg AramとZach Michelによるデュオ、Junior Varsityが2019年ぶりにリリースした新曲「Cold Blood」はJean Dawsonを彷彿させるようなラップとエモやオルタナをミックスさせた超クールな楽曲に仕上がっていて最高だった。00年代の流れやエモ系のリバイバルなどが21年には流行しているけど、完全にそこをピンポイントに狙って久々の砲撃をカマしたかのようにも見える。プラットフォームを見る限り以前公開していた数曲は消えているためここから新たなスタートと言ってもいいのだろうか?まだまだ謎が多いアーティストであって、少し調べても今後のプランなどは出てこなかったが、近々EPやアルバムをドロップしてくれると願いたいところだ!

kezia (San Francisco / USA)

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タンザニアにルーツを持ち、現在はサンフランシスコを拠点に活動中の22歳のSSW、kezia。昨今の流行りのノリのベッドルームなリズム感を軸にスムースなR&Bをメインに鳴らすアーティストで、時にはラップもするし、時にはインディーポップのようなスタイルも散りばめられているのが彼女の楽曲の特徴だろう。韓国のSummer SoulのようにインディーでもR&Bでもラップでもイケるスタイルは今後かなり楽しみな存在だと思うし、少しエモーショナルでメロウな感じも素晴らしい。ヴォーカル、リズム、そしてシンセなどの音色どれも絶妙にローファイなのが〈NINE8〉にも所属するロンドンのBiig Piigとかのファンにはたまらないと思う。

Mashmellow (Moscow / Russia)

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ロシアはモスクワのインディーポップ / ドリームポップ・デュオ、Mashmellow。Youtubeで検索するとあのオバケみたいなヤツがたくさん出てきて全然動画を探せなかったが、彼らがリリースした最新作『Pole Pole』というEPは本当に2000年代の映画の主題歌や投入歌にピッタリなポップでエモーショナルを極めた作品に仕上がっていて、本当に「ああ〜たまにはこんなのも良いよね〜」となる作品だ。複雑なことを一切せずにとにかくキャッチーで泣けてくるメロディーを武器にした楽曲は普通の人たちがやったらダサく聞こえてしまうだろう。でも彼らには100点の声質があるので大丈夫なのだ。カッコいい。t.A.T.u.の「All The Things She Said」が無条件で最高なのと同じ論理だ。

Mia Joy (Chicago / USA)

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シカゴを拠点に活動中のSSW / Multi Instrumentalist、Mia Joy。先日デビューアルバム『Spirit Tamer』をリリースしたアーティストなのだが、その作品が浮遊感のある静かなドリームポップからアンビエント、エクスペリメンタルまでを鳴らしたサウンド像にグッドメロディーがうまい具合に融合し、渋さとキャッチーさが合わさった素晴らしい作品だった。Beach HouseのようなアーティストやシアトルのLoma辺りのアーティストが好きな人にもオススメしたいし、単純にPhoebe BridgersLucy Dacusのファンにもオススメしたい。Sun Juneのようなシンセ使いが最高の曲も収録されていたり、楽曲というよりもアルバム単位で聴くと特に素晴らしい力を発揮する。

PONY (Toronto / Canada)

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Charly BlissBeach Bunnyに続くパワーポップ界の逸材、Sam Bielanskiを中心としたカナダはトロントのパワーポップ / ポップパンク・バンド、PONY。先日リリースしたデビューアルバム『TV Baby』は上記で挙げた2組やField Mouse辺りのキャッチーなインディーロックを彷彿させるサウンドで、そのキャッチーさは00年代のアメリカンアニメの主題歌にも抜擢されていそうなレベルだ。マジで何一つ新しいことはしてないかもしれないが、それが許されてしまうキュートでパワフルなヴォーカルと抜群なメロディーセンス。最初から最後まで何一つ媚びることはなく、キャッチーでパワフルなロックサウンドを爆裂で鳴らしているの!支持するに決まってるでしょ!

underscores (San Francisco / USA)

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San Franciscoを拠点にしているコレクティブ〈six impala〉の一員としても活動しており、元々はNYCで活動していたアーティスト、underscores。現在どこを拠点にしているのかよくわからないが、元々はNujabesの「feather」をカヴァーし話題になったビートメイカーのイメージが個人的には強かったのだけど、気づいたら自身のデビューアルバムをリリースし、ハイパーポップ界の新星として名を上げる存在になっていた。そんなデビューアルバム『fishmonger』は実際にかなりヤバくて、エモやポップパンクからガレージまでを彷彿させる爆裂的なロックサウンドをハイパーポップにミックスしていて、BrockhamptonがHIP-HOP✕インディーのシーンを作り上げたのだとしたら、彼はインディー✕ハイパーポップを繋げる存在になるかもしれない。

上記で紹介したアーティストを含めたマンスリープレイリスト〈TO'MORROW MONTHLY〉も公開してます!

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