〈to'morrow music〉 NEW ARTISTS OF THE MONTH (JUNE 2020)
先月からスタートしたニュー企画 。今月もプレイリスト〈TO'MORROW MONTHLY〉から国籍やジャンルを問わずに厳選したニューカマーを10組紹介していこうと思います。
Brandon (Riverside / USA)
カリフォルニアはリバーサイドを拠点に活動中のSSW / プロデューサー、Brandon。スウィートなR&Bをほぼギター1本+αくらいのアレンジで調理する非常にシンプルな曲を書くSSW。彼の一番の武器はFrank OceanやDaniel Caesarといったアーティストを彷彿させるような甘くてスッと胸の奥に入り込んでくるヴォーカルで、ここまでシンプルに曲とヴォーカルの良さだけに惹かれるアーティストは久々かもしれない。
Egyptian Blue(Brighton / UK)
UKはブライトンを拠点に活動中のポストパンク・バンド、Egyptian Blue。様々なポストパンクが出てきているUKのシーンだけど、彼らの魅力は鋭いギターとパンキッシュな迫力。Idlesが赤い炎だとしたら、バンド名通りEgyptian Blueは青い炎を奏でるスタイル。これまでにリリースしてきた楽曲も様々なタイプがあるし、時にはParquet Courts辺りのUSのポストパンク・バンドを彷彿させたり、リズムで色々変化を付けたりと、まだまだ引き出しも多そうなので楽しみなバンドだ。
Gum Country (Los Angeles / USA)
カナダはヴァンクーバーのガレージバンド、The CourtneysのメンバーであるCourtney GarvinがLAに引っ越して本格的にスタートさせたニューバンドで、The Courtneys同様にガレージスタイルのバンドだけど、こっちの方がローファイ・テイストでまさしくLAっぽいバンドに仕上がっている。〈Burger Records〉ファンにはたまらないバンドだと思いますね。僕が大好きなLAのFrothのフロントマンJoo-Jooがエンジニアとして参加していて、昨年デビューした新タイプのポストパンク・バンド、Automaticのプロデュースとかも含め、彼が自身のバンドFroth以外でもLAのシーンで重要な人物になりはじめているのが個人的にはワクワクしてたまらない。
James Ivy(New York / USA)
NYを拠点に活動中のアーティスト、James Ivy。先日リリースされたデビューシングル「Staring Contest」は音楽シーン全体がエモに立ち返っていくであろう2020年代の流れに乗った2000年代前半を彷彿させるエモーショナルなギターとJamesのヴォーカルがマッチした1曲。インターネットにも情報は全然無いが、先月紹介したDLCLと同様にHarry Teardrop周りの人で「Strawberry」のMVにも出演しており、この辺りのシーンは凄く面白くなりそうな予感。
Japan, Man(Beirut / Lebanon)
レバノンはベイルートの15歳、Laeticia Acraのプロジェクト、Japan, Man。彼女自身はJapanとは全く関係なく、Manでも無いしでとてもユニークな名前だけど、彼女のインタビューによると印象的で覚えやすい名前にしたかったとのこと。Clairo辺りのベッドルーム・ポップからMen I Trustを彷彿させるドリームポップ / サイケポップやR&B、ソウル、レトロポップといった様々なジャンルを取り入れており、デビューEP『The Bad Days』では楽曲それぞれ違う引き出しから作られた楽曲が心地良く鳴っていて、アメリカでデビューしていたらもう売れててもおかしくないクオリティーの高さだ。
Kamal. (London / UK)
ロンドンを拠点に活動中の17歳のSSW、Kamal.はメロウなタイプのR&Bを鳴らすアーティスト。メロウなピアノとソウルフルでディープなヴォーカルが絡み合う新曲「Blue」は凄くシンプルだけど、エモーショナルさも心地良さも兼ね備えた素晴らしい一曲。注目しておくべき若きアーティストの一人だと思うし、タイプは少し違うが最初に紹介したBrandon同様にFrank OceanやDaniel Caesar好きにはオススメしたいアーティストの一人だ。
Melody (Los Angeles / USA)
LAを拠点に活動中のSSW、Melody Caudilによるプロジェクト、Melody。父親がパンクバンド、Gamefaceのメンバーであったりと、音楽が身近にある環境で育ち、12歳ぐらいから楽曲制作を始めたというMelody。お気に入りのアーティストにSnail Mail、Elliott Smith、Declan McKenna、Phoebe Bridgersを上げる完璧な16歳。高校生のならではの体験やティーンとして生活する中で生まれた感情をインディーロックに乗せて唄う。この「Hibernate」を聴いていると、まさに『Habit』の頃の垢抜けないSnail Mailを彷彿させ、そのピュアさにグッと来てしまう。
nijuu(London / UK)
韓国生まれで現在はロンドンを拠点に活動中のアーティスト、nijuu。先日リリースされたデビューEP『nijuu in the sea』では英語と韓国語をミックスさせたリリックとそれを呟くように唄うウィスパーヴォイスが幻想的な世界観を作り出していて魅力的だ。Beach Houseを彷彿させるようなオルタナティブでディープなドリームポップとUSのベッドルーム・ポップ・シーンを彷彿させる楽曲の二刀流が彼女の持ち味で、どの曲もメロウで浮遊感があるし心地良すぎますね。
punchnello(Seoul / South Korea)
1997年生まれのLee Yeong-sinによるプロジェクト、punchnello。昨年リリースしたデビューEPはジャジーなHIP-HOPやR&B、ソウル辺りのサウンドを取り込んだ心地の良いサウンド作りが目立った作品だったが、新曲「us」ではソウルフルでローファイポップな雰囲気のある韓国のシンガー、meenoieをゲストヴォーカルに迎え、ジャズやR&Bを軸とした今まで以上に心地良い渾身の一曲になっている。
yuzuha(Koube / Japan)
神戸のシューゲイザーバンド、YENというバンドのメンバーとしても活動中のSSW、yuzuha。彼女がたぶん最初にSoundcloudにアップロードしていた「injured」から本当にクール。〈100% Electronica〉のNegative GeminiやCowgirl Clue、COUCOU CHLOEといったオルタナティブなエレポップやLGBTQ、そしてPC Musicから派生した今ボクが一番クールだと思っているシーンに食い込んでいけるような音楽を日本でいち早くやっている。エレポップやドリームポップ、エクスペリメンタル・ポップなどを程よく混ぜ合わせてクラブマニアの心を掴みつつ、最新曲「embrace」ではエモや日本のラップ要素も取り入れてキャッチーになっていてこれからどんどん面白くなっていきそうなアーティストだ。
上記で紹介したアーティストを含めたマンスリープレイリスト〈TO'MORROW MONTHLY〉も公開してます!
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