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〈to'morrow music〉 NEW ARTISTS OF THE MONTH (October 2022)

こんな事書いていましたが、W杯楽しすぎる。生活は完全にブッ壊れています。

今月もプレイリスト〈TO'MORROW MONTHLY〉から国籍 / ジャンルを問わずに特にお気に入りのニューカマーを厳選し紹介していこうと思います!

Adriana McCassim (Los Angeles / USA)

Asheville出身、現在はLAを拠点に活動中のSSW、Adriana McCassim。来年リリース予定のデビューアルバムから公開された新曲「Touch」は彼女自身が元々持っているオルタナフォークを軸とした良さもある楽曲ではあるのだけど、それ以上にSnail Mailの『Habit』期とかに通じるオルタナティブで叫ぶようなヴォーカルが本当に心の奥の方に刺さるし、楽曲の緩急の付け方がとても素晴らしいと思う。元々WaxahactheeとかSun June辺りのインディー、フォーク、カントリーなどを混ぜたアメリカらしい楽曲を作るのが得意なアーティストだし、アルバムでは他のタイプの曲も聞けそう。今回の「Touch」のように、どのように楽曲に人間らしさが加わっているのかが楽しみ。

Barbora Hora (Brno / Czechia)

チェコの第二の都市、ブルノを拠点に活動中のSSW、Barbora Hora。同じくチェコのバンド、Billowのメンバーが運営している〈Bughead Records〉からもリリースをしているアーティストなのだけど、最新曲として公開された「never/forever」が本当に神秘的に美しいインディーフォークで素晴らしい。他の楽曲も含めると、Big TheifのAdrianne Lenkerのソロ曲とかが好きな人にチェックしてほしいヴォーカリストだと思う。森の中とかで聞きたくなる。自然に溶け込んでいくような空気のようにとにかく透明な空気感が幻想的な聞くのに一切負担がかからない身軽で美しい音楽です。

between mermaids and me (Aarhus / Denmark)

デンマークはオーフスを拠点に活動中のAndreas PilgaardによるStine Drejerデュオ、between mermaids and me。2人は11年間共に音楽を一緒に作ってきた仲間で、ここに来て新しいプロジェクトとしてbetween mermaids and meを設立。オルタナティブな電子サウンドを中心にしたエレクトロ〜エクスペリメンタルな音楽をダークでドリーミの世界の中で鳴らしている。混沌としたインターネットの世界を泳いでいるかのようなグリッチポップ。メロディーの部分に少し北欧の要素を感じさせるのも面白いし、柔らかくてドリーミーな楽曲からアタックが強い楽曲までを演奏する感じも良い。

Blush Always (Kiel / Germany)

ドイツはキールを拠点に活動中のSSW、Katja Seiffertによるプロジェクト、Blush Always。インディー、オルタナから少しレトロっぽい楽曲までを鳴らすSSWで、Soccer Mommyとか最先端のUSインディー系統のSSWが好きな人にチェックしてほしいアーティストだ。少し切なさを常に醸し出してる生活感溢れるヴォーカルが大好きで、良い意味でヨーロッパというよりもアメリカに馴染んでいるサウンドだと思うし、90s系統のオルタナっぽい過去曲も素晴らしいし、今後アルバムがリリースされる頃には更に注目を集めているだろう。

deviin (Florida / USA)

Glaiveのサポートドラマーとしても活躍するアーティスト、deviin。ドラマーとしての活動が本業だと思うので、まだ自身名義でリリースしているのは3曲だけなのだけど、最新曲として公開された「Sports Car」はBoy Pabloとかにも通じる親近感が溢れたインディーポップをEasy Lifeとかにも近いモダンなサウンドで鳴らしていて最高。またサポートとは別にI Met A Yetiという少しチップチューンとかも混じったようなエモ〜ハードコアバンドにも所属していたり、自身のインスタにはFoo FightersAmerican Footballの叩いてみた動画をアップしてたりと、90〜00年代のエモ系統が根っこにあるのがわかる。

Little Truck (Los Angeles / USA)

LAを拠点に活動中のSSW、Derec Patrickによるプロジェクト、Little Truck。元々彼はFringeというバンドをやっていて僕も大好きだったんだけど、バンドでは〈Caputed Tracks〉系統のサウンドを鳴らしていたけど、ソロではDusterFog Lakewaveform*辺りを彷彿させるサッドコア、スロウコア、インディー、オルタナをミックスした素晴らしいソングライティングが輝くデビューEP『on my way to heaven』を先日リリース。シンプルだけど、震えているようなヴォーカルワークに感傷的にさせられるし、音数もシンプルだからこそメロディーが一番前に出ているので、彼のメロディーメーカーとしてのセンスが光っている。

MorMor (Tronto / Canada)

個人的には2018年の年間ベストEP企画で彼のデビューEP『Heaven's Only Wishful』を1位にしているので、あんまりニューカマー感が無いのだけど、先日ようやくデビューアルバム『Semblance』をリリースしたので、このタイミングでこの企画にもリストアップ。80sを感じさせるドリーミーな要素を含んだR&Bを軸に鳴らしているアーティストで、ファルセットも混ぜ込んだとにかく神秘的なヴォーカルを聞いているだけで天まで昇っていけそう。目を瞑りながら気づいたら人生を回想しているうような心地良さがあるのと同時にThe Weekendにも近いようなポップさも兼ね備えているアーティスト。僕は彼を見つけたときから将来はDaniel Caesarくらい売れてもおかしくないと思っているから、まだまだ知名度的にはコレからだけど、絶対に今チェックしてほしいアーティスト!今からでも遅いくらい!

Public Body (Brighton / UK)

勢いの止まることが無いUKのポストパンク勢だけど、ブライトンを拠点に活動中のPublic Bodyはこの手のシーンが好きな人にとって次に注目しておきたいポストパンク・バンドだ。SUMMER SONICで来日も果たしたSquidとも既に共演している4人組で、少しガレージっぽさも感じさせるまさにUKらしいポストパンクから電子サウンドをミックスした楽曲までこれまでにリリースしているけど、どの楽曲も鋭さが際立つ。メンバーのTheo Verneyに関してはエンジニアとしても活動しており、これまでにEnglish TeacherEgyptian BlueFURLazarus Kaneと〈So Young Magazine〉の周りのシーンのバンドと一緒に仕事をしている。その辺りも含めて今後この手のシーンの中で中心になっていくバンドであると思う。

Sadie Jean (Los Angeles / USA)

まだ3曲しかリリースしていないにも関わらずデビューシングル「WYD Now?」がTikTokでバズった影響もあり既にSpotifyのマンスリーリスナー300万人を超えている20歳のSSW、Sadie Jean。3曲目として公開された「Locksmith」も狙ってやっているにしても出来すぎな仕上がりで、この曲は"This is the last song I'll write about you"というリリックでスタートするのですが、このリリックを少しエモっちぃメロディーに乗せて歌ってるのは、もうティーンがハマらないわけがない。アメリカンなポップソングではあるのだけど、僕のようなインディーファンの心を擽るってくるような要素も散りばめられていると思うし、Maggie Rogersとかが好きな人にも刺さるのではないでしょうか。

Somewhere (Yokohama / Japan)

ラジオパーソナリティーとしても活躍するSSW、SAKUによるプロジェクト、Somewhere。彼女がリリースしたデビューシングル「Sunrise」は空気の澄んだナチュラルでシンプルなインディーフォークなのだけど、美しくシンプルなヴォーカルとシンプルに聞こえるけど後ろの方で鳴っている音の細かなアレンジがとても素晴らしい。Phoebe BridgersからスタートしたUSインディーフォークの流れに影響を受けている感じもあるし、個人的には特にSkullcrusher辺りのアーティストが好きな人にオススメしたいSSWが日本からも出てきたなという印象がある。"Somewhere"というアーティスト名の通り、どこか遠くに気分を飛ばせる安らぎの音楽。これからが楽しみです。

上記で紹介したアーティストを含めたマンスリープレイリスト〈TO'MORROW MONTHLY〉も公開してます!

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