見出し画像

〈to'morrow music〉 NEW ARTISTS OF THE MONTH (March 2022)

先日は『Humanity #1』というイベントに遊びに来ていただいた方、本当にありがとうございました。ツイートでもご報告した通り、ドネーションを集めることができました。僕は本当に何もできないけど、音楽は最高だ。

戦争だけではなく、あらゆる差別などにもNOを言っていきたいし、僕が考えていることはいつも政治の事ではなく、Humanityのことなんだとずっと思ってきたけど、それを少しずつでも形にできればいいなと思っています。

今月もプレイリスト〈TO'MORROW MONTHLY〉から国籍 / ジャンルを問わずに特にお気に入りのニューカマーを厳選し紹介していこうと思います!

aryy (Osaka / Japan)

大阪を拠点に活動中のSSW / プロデューサー、aryy(ex. non albini)。Lil Soft Tennis、RY0N4と共に活動しているHEAVENというコレクティブのメンバーであり、R4というバンドでも活動している。Roy BlairYeek辺りのインディーとラップの中間を表現したかのようなBrockhampton以降のシーンを日本でいち早く取り入れたアーティストのうちの一人で、James IvyDLCL辺りの2020年代に入ってから活躍しているNYCのアーティストとも繋がりを感じるし、常に最先端なシーンの影響も受けつつも、例えば2000年代のロックシーンや2010年代のインディーポップのようなサウンドにも通じるノスタルジーを感じるのが特徴的だと思う。ベッドルームっぽさも絶妙でそれも確かに軸になっているんだけど、ヴォーカルのメロディーのキャッチーさとアレンジの遊びココロで良い意味でインディーでもHIP-HOPでもない新世代のポップスとして成り立っているよね。

Finches (London / UK)

ロンドンを拠点に活動中のSSW、Daniel FinchとGuitarとMusic Videoなど映像監督を担当するOscar Simmonsによるデュオ、Finches。Porches辺りのインディーっぽさを感じる一方でJean Dawson辺りの90sから影響を受けてる現代のオルタナアーティストから80sを吸い込んだシンセポップやドリームポップのようなサウンドまでを1曲に詰め込んでおり、それでいて最終的にはシンプルに仕上がっているのが才能を感じさせますし、別の曲ではEasy Lifeとかにも近いカラフルなインディーラップ〜ポップを披露しており、完全に今のロンドンの最先端なところが好きな人には刺さるであろう注目デュオです!

Horsegirl (Chicago / USA)

個人的には〈to'morrow records〉で〈Sonic Cathedral〉からリリースされた7インチを数年前にオーダーするもソールドで時既に遅しだったシカゴのティーン3人組、Horsegirl。昨年デビュー前から〈Pitchfork Festival〉に出演したり、なんと〈Matador Records〉からデビューが決まったりとUKがWet LegであるならばUSはHorsegirlという感じで今年一番名前を聞くことになるかもしれないUSのオルタナバンドだろう。LA出身のMommaの次のアルバムとかもかなりヤバいことになってるけど、このHorsegirlは彼女たちよりも少し気怠さを強めに感じるのが特徴的で、数年前に僕が一人で激ハマりし、推しまくっていたKnife Wifeというバンドとかにも親しい感じがあるのが最高だし、オルタナ、スロウコア、シューゲイズ辺りまでを過去には網羅しているので一本道じゃない音楽性も素敵。

Kiryano (New York / USA)

〈ivvY LeaguE〉というサンクラ中心のチームにも所属しているNYを拠点に活動中のプロデューサー / ヴォーカリスト、Kiryano。サッドネスを感じさせるエモラップ〜ハイパーポップの中間点を絶妙に突いた仕上がりが心地良くもあるし、絶妙に哀しさを表現している。過去には日本に滞在していたこともあるらしく恐らく日本のボーカロイドをはじめとしたカルチャーとかからも影響を受けていると思う。個人的には自分の肩書をラッパーではなく、ヴォーカリストってつけているところも良いなと思うし、サンクラを主戦場とした海外のシーンは繋がりのあるラッパー同士の距離が遠くて、コロナ禍以降どうやってライブ活動も含めて、自身のシーンを広げていくのかなっていうのがあるけど、そういうった自分たちを広げていく活動も含めて楽しみにしている一人です。

Menace無 (Tokyo / Japan)

〈MUDOLLY RANGERS〉というKamui率いるコレクティブにも所属する東京を拠点に活動中ラッパー、Menace無。先日リリースされた「Virus code」という新曲がDrum & Bassを軸としたマックススピードなトラックを軸にした楽曲なのだけど、エモラップやハイパーポップ以降の反映させつつも、より近未来的なインターネット上を旅行しているかのような気分にさせらえるサイバーパンクな仕上がりになっていて最高だし、この手のエクスペリメンタルを進化させたサイバーな楽曲はコロナ禍の終盤以降に海外でも流行ってる傾向があるので、その手のサウンドをいち早く取り入れているセンスとかも含めて注目していきたいラッパーだと思いますね!

Milk Talk (Hyogo / Japan)

NJ出身のプロデューサー、Hair Kidとメゾネットメゾンというプロジェクトでも活動中のヴォーカリスト、Q.iによるデュオ・プロジェクト、Milk Talk。現在は兵庫と東京にそれぞれ拠点を置き活動中のユニットだ。80sのロマンが詰まりに詰まったメロウとダンスを同時に味わえるシンセポップにJ-POPな要素も色濃く出ているキャッチーなヴォーカル&ラップを組み合わせた歌が乗っかる楽曲はJ-POP系のファンから80sのシンセポップやディスコポップ好きから更にはFuture Funkなどが好きな人にも刺さるであろう。口ずさみたくなるキャッチーさだけではなくベースラインやリズムなどのディティールにも拘りが見えるし、絶妙な宅録感も親近感を持たせていて良い感じですね!

My Idea (Brooklyn / USA)

Brooklynを拠点に活動中のWater From Your EyesのNate AmosとPalbertaやソロとしても活動しているLily Konigsbergの2人がタッグを組んで結成されたデュオ、My Idea。2人がそれぞれ活動しているプロジェクトではよりBrooklynらしいアートポップのような中毒性高めの楽曲を鳴らしているが、このMy Ideaのデビュープロジェクトを聴いていると、よりシンプルにベッドルームなインディーポップやエレクトロ・サウンドを鳴らしていて心地良い仕上がりになっている。Highになっている状態でも最強なポップミュージックを作れるかを確かめたかったらしく、中には飛んでるときにでJustin Bieberをバカにしながら作曲した楽曲とかが収録されているそうだ(笑) 僕はJustin Bieberも普通に好きだけど、彼らのポップセンスももちろん大好きで、そんな尖ったところがほとんど出てこないどちらかというよゆるさのあるインディーポップ。

Nick Mono (London / UK)

ロンドンを拠点に活動中の19歳のSSW / プロデューサー / ラッパー、Nick MonoがリリースしたデビューEP『The Sun Won't Stay After Summer』はBorckhamptonFrank OceanTyler, The Creator辺りから影響を受けたインディー、ラップ、R&Bを繋ぐ感じとKing Krule辺りのUKのギターサウンドやジャズからの影響をミックスさせて誕生した以外と難しいUS/UKの壁を超える新世代のベッドルーム・ヒーロー感が半端ない。海外では既に多数のプレイリスト入りを果たし、初のヘッドライン・ショーはソールドアウトするなど注目度もあるし、RSDでいきなり7インチをリリースするなどレーベルからのプッシュも伺える。色々この手の注目アーティストはいるけど、その中でもNick Monoが飛び級してRex Orange Countyに続いあっという間に人気者になってしまう可能性だって高いと思う。

tiger bae (Tokyo / Japan)

京都で活動していたHOTEL MEXICOというバンドのメンバーであるJiko KobayashiとMasaaki Iwamotoがバンド解散から8年後に新たにヴォーカル、Yucoを迎えて結成されたシンセポップ・バンド、tiger bae。デビューEP『Calm Like This Love』というタイトルにも反映されているけど、派手すぎないシンセポップが武器になっているバンドだなと個人的には思っていて、もちろん踊れる要素もあるのだけど、それ以上にヴォーカルも含めた音がサウンドとして身体に染み込んでくるのが本当に心地良いし、特にこの「Useless」とかJapanese Breakfastを彷彿させるような冒頭のリフとかもオルタナティブに染み込んできますね。全体を通して80sのネオン的なノスタルジーと2200年の近未来的なギラギラを同時イメージできるのも面白いし、それが結構中毒性に変換されていて個人的にはLA Vampiresとかをイメージさせるバンドだなと思ったので、その辺のポップだけど尖ってもいるシンセポップが好きな人にもチェックしてほしいバンドですね。

TOGITO (Tokyo / Japan)

SSW、Michaelaが中心とする音楽とアートコレクティヴ、TOGITO。このMichaelaは16歳でモデル等でも活躍しているらしいのだけど、明らかに海外出てきても驚くレベルの完成度の高いデビューアルバム『P・O・N』を先日リリースしている。アルバムにジャンル的な統一感は無いけど、POP、R&B、Jazz、Latin辺りのサウンドを時にエクスペリメンタルに表現しながら構成している作品。日本語の他にも僕が理解できない言語で歌っていて、それもめちゃくちゃクール。個人的にはこのラテンノリであり民族音楽っぽさもある「Micacumbia」という楽曲が一番好きなのだけど、2言語で語りかけるように詩を読みながら完全にエクスペリメンタルしてる「麻気沙の心境」という曲とかもイカれていて最高だ。僕もだけどよくわからないまま凄い!!ってなる人続出だと思う。

上記で紹介したアーティストを含めたマンスリープレイリスト〈TO'MORROW MONTHLY〉も公開してます!

僕が運営している洋楽専門のオンラインレコードショップ〈to'morrow records〉もチェックしてみてください!

各種SNSでも音楽を紹介しているのでよろしくお願いします!
Twitter / Instagram






ライブハウスでの飲み代になります! Cheers!!!