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〈to'morrow music〉 NEW ARTISTS OF THE MONTH (May 2021)

EURO2020のおかげで生活が壊れている。ヨーロッパのフットボール・ファンにとってアジアに住むのは選択ミスでしかないなと思う日々。

かといえアメリカ時間だと早朝〜午前中にキックオフなので、決勝とかどうしてもお酒飲むのが我慢できず14時くらいにはベロベロでその日の予定をブチ壊すこともあった。

”時差”という概念は僕の嫌い嫌い嫌いランキングトップ10にランクインすることは間違いない。

地球って怖い。

さて、今月もプレイリスト〈TO'MORROW MONTHLY〉から国籍 / ジャンルを問わずに特にお気に入りのニューカマーを厳選し紹介していこうと思います!

Armlock (Melbourne / Australia)

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メルボルンを代表するエレクトロ・ポップ・デュオ、KlloのメンバーであるSimon LamとHamish Mitchellによるデュオ、Armlock。Klloとは真逆の音楽性を鳴らすデュオで、メランコリックでエモーショナルなインディー、エモ、オルタナ、スロウコア辺りのファンにオススメしたい音楽性だ。音数が最小限でシンプルな楽曲構成ながらもとにかくメロディーセンスがズバ抜けていて、この手の音楽の中でも特にダイレクトにエモーショナルを届けてくれるし、Fog Lakeとかの音楽をもう少し立体的に表現した感じが最高ですね。

Bubble Tea and Cigarettes (New York / USA)

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スペインの名門〈Elefant Records〉とサインしたNYのデュオ、Bubble Tea and Cigarettes。最新曲である「Santa Monica」という楽曲はThe Maríasを彷彿とさせるレトロでドリーミーなテイストの上でHoly Motors辺りを彷彿させる少し乾いたサイケデリアがゆったりと横揺れしていて素晴らしい。靄にかかったような抽象的なヴォーカルも彼らのメロウな世界観を作り出す手助けになっていて最高だし、70年代とかのノスタルジーも秘めている。個人的にBubble Tea and Cigarettesというバンド名も最高だと思う。良い意味でこのアー写からは想像できないムーディーな感じ、日本でもハマる人多いはず!

Grace Aimi (Okinawa / Japan)

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2000年生まれ、沖縄とアメリカにルーツを持つZ世代のポップ・アーティスト、Grace Aimi。日本で初めて世界の ”Z世代ポップアイコン”と呼ばれ人気アーティストたちと肩を並べるクオリティーのアーティストが出てきたと思う。元々はYoutuberとしてカヴァー曲などをアップロードするところからキャリアをスタートさせた彼女が先日リリースしたデビューEP『PICNIC』では収録曲それぞれが全く違うカラーをしており、girl in redClairoを彷彿させるインディー曲からラテンを彷彿させる楽曲、更にはBillie Eilish辺りからの影響を感じさせるポップソング、おまけにRemi Wolfとかも共鳴する。とにかく自由度がすごいし、完全に昨今の日本のアーティストの中では飛び抜けて世界で活躍する可能性を感じる。しかも王道で。

Harriette (Texas / USA)

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テキサスの21歳のSSW、Harrietteのデビューソング「at least i'm pretty」はTikTokを中心にバズを生み出し、ストリーミング再生は50万回を既に超えている。姉が音楽業界で働いていることもあり、元々音楽と身近だった彼女はTaylor SwiftClairoPhoebe Bridgersといったアーティストから影響を受けたという。自身も音楽制作をはじめたキッカケは ”TikTok” で、様々なアーティストがベッドルームで作ったラフなサウンドを発表し、それ等が世界に広がっていくところを目の辺りにしたのが音楽制作をスタートしたモチベーションになっていたそうだ。実際「at least i'm pretty」はとてもローファイなベッドルーム・サウンドが売りのキャッチーなインディーポップ。以前紹介したfanclubwalletとかもそうだけど、この手のアーティストは一つのキャッチーなフレーズとゆるさでどんどんと広がっていくし、”at least i'm pretty”というタイトルにもなっているフレーズはそういう意味で100点だと思う。

JDM Global (Houston /  USA)

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Claudと共にNYでtoastというユニットを過去には組んでいて、Clairoの親友であり「4EVER」のMVにも登場してることでお馴染みのJosh Mehlingが遂にJDM Globalという名義でソロ活動デビュー!パンデミックと共に地元のヒューストンに戻った彼が完成させた3曲入りのEPは、全体を通してベッドルームの質感を最大限に引き出しつつも、それぞれが違うカラーを表現しているし、3曲それぞれ絶妙に少し変なのが最高だなと思う。サイケっぽさのある楽曲からNo Busesの最新作とかとも通じるガレージや気怠さを2020年代のムードで調理している感じが最高ですね!

juno (Bay Area / USA)

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16歳の注目ニューカマー、juno。Bay Areaを拠点に活動中のアーティストで、glaiveericoda辺りと共に注目されてもおかしくないハイパーポップ〜ベッドルーム・ラップのアーティストだ。正体不明だがSoundcloudに上がっているほとんどの曲をhallowという名義のプロデューサーが制作しており、hallowのトラックとjunoのヴォーカルで一心同体とも言えるであろうパートナーとしてやっているっぽい。最新曲として上がっている「Never Got To Kiss You」の冒頭のシンセとかも最高だし、hallowのビートの良さも本当に際立つ。juno自身は実際に同い年のglaiveや少し年上だがzac greer辺りとも交流があるらしく今後どういった形で活躍していくのか楽しみだ。

Pillow Person (London / UK)

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〈Bandcamp〉からのレコメンドで出会ったPillow Personというアーティスト、正体はHarry StylesHot Chipでドラムを叩いているSarah Jonesのソロプロジェクトだった。絶妙なチープの空気感を持ったエレポップは〈PC Music〉の流れにも通じるし、もっと宅録系のアーティストが好きな人にも届くはずだ。ポップなメロディーやヴォーカルは当たり前だが、どこか不穏な空気感を醸し出すフレーズが要所要所で登場したりするのもグッド。本職がドラマーであるので、もちろんビートやトラックもtoo muchにならない程度に拘りが見えるし、昨今のアンビエントが含まれている流れとかにも通じる3曲入りのEPがかなり良いのです!

The Sukis (Hertfordshire / UK)

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UKはHertfordshireを拠点に活動中の18歳のデュオ、The Sukis。王道のギターロックを鳴らすバンドはたくさんいるかもしれないが、Arctic MonkeysThe StrokesThe Libertinesの遺伝子を受け継いたクオリティーの高いバンドは中々いないと思っている。The Sukisに関してはアイルランドのThe Academic、LAのWarbly Jetsに続いて見つけた久々の王道ギターロック・バンドの超カッコいいヤツ!疾走感のある楽曲の中でポップに弾けるメロディーにはこの手のバンドで大事な色気を感じるし、爽やかさパワフルなロックンロールな感じのどちらも併せ持ってるのも良い。最後の最後ではギターを弾きじゃくってノイジーさを出したアレンジもグッドだ!これから楽しみな存在なことは間違いない!

Swan Princess Project (Massachusetts / USA)

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マサチューセッツを拠点に活動していたSleep PatternsというバンドメンバーであったStevie FitzpatrickSam Checkowayの2人が新しくはじめたプロジェクト、Swan Princess Project。まだ現在一曲しか公開されていないが、〈Run For Cover Records〉とかからリリースしているエモ系のバンドが好きな人にオススメしたいアーティスト。エモが好きな人はもちろん、普段中々エモとかを手を出さない人にも届くシンプルさとキャッチーなメロディーが備わっていると思う。バンドは今年中にデビューアルバムのリリースを予定しているそうなので、続報を待ちたい。

8485 (Toronto / Canada)

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先月紹介したunderscoresの客演にも参加しているカナダはトロントのアーティスト、8485。ハイパーポップやインターネット・ミュージック界隈では結構名前も見かけるようになっているアーティストなのだが、このタイミングでリリースしたEP『plague town』ではSoundcloudのシーン以降のエレクトロ・ポップやシンセ・ポップの懐かしさ〜新しさを融合したサウンドを軸にしつつもyeule辺りのエクスペリメンタルをミックスした感じとか〈PC Music〉やトラップとかの流れも組み込んでいて面白いし、ラストを飾る「southview」では2021年の一つのテーマである00年代のギターとかを取り入れているのも最高で、以前紹介した日本のyuzuhaとかに共鳴するカナダの新時代のインターネット・ポップ・スターだと思う。

上記で紹介したアーティストを含めたマンスリープレイリスト〈TO'MORROW MONTHLY〉も公開してます!

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