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架空のともだち

こんばんわ。
今回は、次女が3歳だった時、お話してくれた「架空のともだち」のことについて書いていこうと思います。

※主人が当時書いていた育児日記から引用します。

次女が、最近『ちみちゃん』なるお友達の話をするようになりました。
しかし近所にも、もちろん保育園にも『ちみちゃん』と呼ばれる人物はおらず、その存在は謎に包まれています。
断片的ではありますが『ちみちゃん』の情報を整理すると、
①ちみちゃんは「顔がまるい」
②ちみちゃんは「おかずを食べずにご飯のみ、もしくはお菓子だけを食べる」が、それが原因で「ママに叱られている」
③ちみちゃんはハチをやっつけることができるが『ぽぽちゃん』はできない(唐突な新キャラ登場に深まる混乱)
と次女談。
他にも情報を引き出そうと「ちみちゃん何歳?どこに住んでる?」等々と聞いてみるのですが、都合が悪そうな問いかけには全て『無視』を決めこむ悪女っぷり。謎は深まる一方ですが、私は引き続き『ちみちゃん』の秘密を追い続けていこうと思います。
今聞いた最新ちみちゃん情報によると、次女曰く「ときどき変なおじさんを踊る」らしいです。
これもう、わかんねぇな。

主人の育児日記


この文章を読んで当時私は爆笑しましたが、当の本人(次女)は、真剣そのもの。「嘘偽りはないんだ」と言わんばかりに真っ直ぐな視線で話していました。

この時の次女の思考を分析しようと思います。
子どもについて理解する、1つの手段として「発達理論」という考え方があります。簡単なことばにすると「子どもについて理解できるヒント」の集合体です。知っているとほんの少し、子どもの行動や発言を大人が理解したり納得できる可能性があります。
子どもの考え方(認知発達理論)で有名なジャン・ピアジェ(Jean Piaget)は、認知力の成長を4つの段階に分けて考えています。
ピアジェの理論によると、次女が謎のともだち『ちみちゃん』の話を熱弁していた時期は、前操作期(2歳~7歳)にあたります。
前操作期という言葉、とても難しくて心になかなか残りません。簡単にザックリとお伝えするのであれば、幼稚園や保育園くらいの年齢の子どもたちと思ってもらえれば大丈夫です。
幼稚園や保育園の子どもたちの考え方は、日々グングン成長しています。「おままごと」や「お医者さんごっご」、「戦隊ヒーローごっこ」等、創造力・想像力を使った遊びを盛んに行う時期です。戦隊ヒーロー(物事)を自分のイメージを使って遊び、様々な事を認識していきます。
ただ、この時期はまだ自分の心の中の出来事と事実とを区別することが難しく、自分を主体とした考え方が特徴です。(自己中心性)
また、見かけによって思考が左右(直感的思考)されていて、見た目が変化しても変わらないということまではまだ理解できません。(保存性の未発達)
専門用語を使うと一気に頭が混乱しますね。
簡単に言うと
「戦隊ヒーロー好きで、自分の考え方しか信じない。見た目が変化したらわかりません!」
といった感じです。
私、個人的にこの時期の考え方で最も面白いと感じているのが「アミニズム的思考」です。初めて聞くことばかもしれませんが、これは「もの・事柄に命・意思があるように擬人化する考え方」です。人形や戦隊ヒーロー、草や花にも命や意思があると感じているのです。

ここで、謎のともだち『ちみちゃん』の発言をしていた次女の思考に戻ります。みなさんもお気づきだと思いますが、次女は恐らく人間ではない何かが擬人化し『ちみちゃん』という架空のともだちができていたのだと思います。主人の愉快な育児日記だけではただただ次女がおかしな子どものように感じてしまいますが、3歳であった次女の世界ではみんなよく経験している、よくある話なのです。
当時私は大学で発達理論を猛烈に勉強していたので、『ちみちゃん』の話を聴くことが楽しくて思わず動画に収めてしまった程です。

最後に、7歳に成長した次女に『ちみちゃん』について聞いてみました。
次女は「知らないよ。」と言い、少し恥ずかしそうに話題を変えていました。しつこい私は、また話題をちみちゃんに戻して質問すると「あれ?確かいたような。。 あれ??1年生ではないのかな。あれー?」と明らかに人間ではない何かであったことを今は理解し、とぼけた発言をしていました。
それにしても気になりますよね。何が『ちみちゃん』だったのか。
これからも定期的に聞いていこうと思います。

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