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10/3(土) 篠崎誠監督特集@アテネフランセ文化センター

朝の11時から、事実上7作品の上映!!

(`・ω・́)ゝ全通してきました!

1ヶ月、無事に経ちまして身体も無事ですので
こうしてレポを書いています。

※体調的にはずっと『過敏性腸症候群』で胃腸が荒れていて
ヘロヘロなので、当日もヘロヘロでしたが。(・ω・`。)

いやはや開催する側も勇猛果敢ですが、全通するわたしも猛者でした。
もはや亡者になりそうでした(笑)
亡者になったら「霊感のない刑事」には見えなくなるなあ (笑笑笑)
とか、ブラックジョークを出せるのも、こうして無事だからです。

(´・ω・`)だってねぇ~ 滅多に上映されない作品群だから
やっぱり全部を観ておこうと。
栄養ドリンクを飲み、休憩時間に軽く口に放り込めるものをパクッといって
乗り切りましたよ。

そうして観れた自分もすごいけど、何がもっとすごいって...
別ジャンルの知人、ライヴ仲間が来てた!… Σ(゚ω゚)
すんごいっ!ライヴが中止や無観客ライヴ配信になっていくので
もう半年くらい会えてなかった相手に、ここで再会できるとは!
お互い振り幅が広いっ! というか、わたしより詳しかったですよ。
そ、そうだよね、ライヴで会ったら推しの話ししかしないから(笑)
他の趣味は知らないもんだよね。(・▽・;)

そんな思いがけない出来事もあったりしながら...

帰り際に、全通特典をいただきました。ありがとうございました。↓

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やはり記念のサインだけは、篠崎監督にいただきたくて...
学生さん?らしき男性お二人と話しておられるときに
割ってはいってしまい...失礼しました。
※真面目な質問もされていたので、こちらをお願いした後から
改めてゆっくり話して欲しかったのです。
けれども、すみませんでした。

あのときに、お時間を分けてくださった両者共々...感謝を申し上げます。
ありがとうございました!


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 ここから感想、そして私的なこと...色々です。↓

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『おかえり』
三度目の鑑賞でした。

一度目は夫の妻への愛に涙して
二度目は夫婦愛に感動して
そして三度目は...物語を知り尽くした身としての『神視点』になって
まったく違う角度から冷静に眺めていました。

そうすると、どんどん見えてくる...夫婦の崩壊のすべてが...

あぁ、もう出だしから奥さんの異様さがわかる!
それにまったく気づいてない旦那さんの呑気さもわかる!
そっか、これは...一緒に暮らしてきたからこそ起きた悲劇なんだ。
旦那さんは、良くも悪くも、性質がゆるい...
奥さんに対して、ゆるい優しさで気にせず、ゆるい態度で素通りしてきた。
それが、奥さんが精神を病んだ原因でもあるんだ。
でもそれだけじゃなくて、テープ起こしという期日に追われる仕事を
こなす日々における、ストレスもあったんじゃないかな?
そんなことにも気づける鑑賞でした。

※一緒に暮らしてる相手が、急にこんなことを言い出したら...
絶対に恐い!というのも、今回でようやく実感できました。

そして、この作品の素晴らしさは『夫婦間で起きた突然の試練』として
完全に独立させている点であることも、わかりました。
気の良い友人もいるし、実家に親もいるけれど、それらが介入してこない。
助力するのは警察と病院のみです。
夫が妻の病気に孤高に立ち向かうその姿が...この映画のすべてなんです。

篠崎監督は、この日、別作品でのトークにおいて
「これを撮っていたときには独身で、夫婦とは何かわからなかった。
同棲と夫婦の違いってなに?みたいな、いまならもっとわかるけれど」
ということを言っておられました。

うーん...夫婦のカタチや形式って時代と共に変わっていくわけで
絶対的な定義は無いですよね。
いまは『事実婚』も主流になってきてます。

それでも変わらないものは『夫婦とは身内になること』それだけです。

作中で、警察で刑事に詳細を聞けるのも、医師からの説明を受けれるのも
夫である...彼が身内だからです。

基本、身内でなければ救急車にさえ乗り込めません。
入院したときの病状の説明も、事故などで重症を負い面会謝絶に
なったときも、身内でないと対処できません。

結婚することに対するこだわりは人それぞれですが...

作中の主人公は確かに『夫』として『妻』と向き合っていました。

この作品は、そこにのみ光と闇を当てられています。
それが名シーンのひとつである、台所の二人ですね。
ここのシーンは撮影エピソードも含めて大好きです。

『おかえり』は、監督の、当時の撮影秘話の出来事の語りも含めて
観れば観るほど...わたしのなかで、より強く光を帯びていきます。

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『共想』
ついに四度目の鑑賞でした!

そして奇遇過ぎて驚いたのですが...
10月3日は『共想』の初の一般上映から1年後でしたよ! ↓

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習慣的に自身のツイートを読み返すことがあって
1年前の今頃って、なにしてたっけ?みたいな感じで振り返っていたら
偶然に気づけたのでした。えらい!(笑) ヾ(*´▽`)ノ゙ 

ちなみにこのとき、本来は池袋新文芸坐で
「太陽を盗んだ男」と「青春の殺人者」を観に行く予定を変更して
予約に飛びつきました。濃いなあ(笑)
※上記の2作品も、後日改めて無事に鑑賞できました。

『ほろほろと光るあの白い明かり...
あの綺麗な宝石...』

作中の詩を暗唱できそうで、できないです。
多方面を観るに必死で、詩だけをインプットできないからでしょうか?
それほどにこの作品は...画面と役者さんからの引力がすさまじいです。
色味のこだわりも含めて。

それで、ですね...

ここからワタクシ事な話題で申し訳ないのですが...
四度目の鑑賞において、ふと一周廻って、別の視点がきて

『もしかしたらこの二人のうち、どちらか、もしくは両方とも
死んでしまっているのではないか...?』

という想像を膨らませてしまいました!

※ネタバレではないです、未見の方はご安心ください。

もちろん、この作品に明確な答えも結論も無いとおもっています。
ですから、わたしの行き過ぎた考えでしかないのですが
そうしてとらえると納得できる点もあったり...?

そしたら頭の中でいきなり『死者と対話するお話し』というのが
ものすごい勢いで浮かんできて、構想を練り始めてしまいまして...

『コラ!いったんそれ置いとけ!ワタシ!本編みろ本編!』
と、必死に頭を切り替えました。(・・;) ちゃんと観ました。

そうして後日に、本当に作品を書き上げました。
※三部作ものにしているので、いずれnoteにまとめようともおもいます。

と、話題が反れましたが、もうひとつ、個人的な話しを...。

『共想』で、メインの女性を演じる、柗下仁美さんと矢崎初音さん
それから児童相談所のシーンで登場する彼...
(『サクリファイス』のほうでも揃っていた方々ですね )
ふと...この三人のビジュアルを元にして、書いた作品があったのですが
こちらはコンテストで「優秀作品」に選んでいただけました。 
※これもいずれnoteに出し直します。

『共想』が作られていく過程をみつめていた時期...
ニュー八王子シネマに行けた当日に、電車が止まったこと。
公開から追いかけてきて、目に映るもの...心で受け止めるもの...
そして、自身の創作意欲にまで押し寄せてきた刺激の強さ。

「2011年3月11日の地震発生時に、どこでなにをしていましたか?」
という問いに

「当時は四国に住んでいたので、関東に住むネット仲間の1人に
スカイプからメッセージを送ったら、無事ではあったのですが...
『電車に2時間、閉じ込められてた』と、返事がきました。
夜間勤務だから、スーパーで食材が買えないという都内住みの知人へと
インスタントラーメンを、ひと箱ぶん送りました」

そう答える続けるわたし...。

DVDでいつもそばにあることも素敵ですし、次の上映があるなら
そのときには、わたしのなかで...どんなものになってるだろう?
どんな思い出が...嬉し気に切なげにまとわりついてくるだろう?
それを待っていたいです。


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『SHARINGアナザーバージョン』
二回目の鑑賞?ちょっと間が空いたのであやふやに...。

本編もですが、アナザーはもっと観れる機会が稀なので
それも全通した理由でしたね。

こちらは本編よりも短縮され「彷徨える青年」が登場せず、そして...
卒業製作で舞台を演る学生たちのほうに、重点が深くなっています。
あるシーンで作中、最も気弱そうな男子学生が、薫に対して
「あれは、ちょっと言い過ぎだったんじゃないかな...」と、言うのが
本編では確か無かったので、個人的には好きな追加だったりします。
そんな終盤...
それぞれが、出ない答えと向き合い、それなりの着地点をみつけてる。
それを「言葉」ではなく「表情と行動」で表現しているのが良き!
特に、イラつきながらタバコを吸っていた青年が、タバコを出そうとして
やめるところ...これは本編でもアナザーでも変わらず好きなシーンです。

もちろん、本編の軸となる人物、社会心理学者の瑛子の揺らぐ心の行方...
檀上に立つ講師の瑛子と、舞台に立つ学生の薫、この二人が同じ位置で
対峙して見つめ合ったときの、感情の爆発シーンは、こちらでも見どころの
ひとつとなっています。

そして、この作品は、本編もアナザーも
『謎』を、観る側へと投げかけてきます。

ラストが違うと同じ作品でもこうも印象が違うのかと...
それを味わえるのが『SHARING』の魅力でもありますね。

この作品全体に関しては長文のブログも含めて、書き連ねてきましたが
過去ツイートをみていたら、最も端的で最適ではないかな...?
と、おもえる文面をみつけました。↓

キャプチャqeyughj

これがすべてだとおもいます。


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『忘れられぬ刑事たち+霊感のない刑事+トーク』

このあたりのみ初見でした。
そろそろ体力的にヤバいって、なってたのに...
あまりの面白さに目が冴えてきて(笑) 夜はこれからだ!
みたいになってしまいました!(笑笑笑)
小ネタの一つ一つにツボって、声を抑えて肩を震わせて笑いましたっ。
よ、よかった、一番後ろの席に座ってて (・▽・;)

ちなみに「霊感のない刑事」をふと観ていて、刑事の自宅のシーンで
首の取れたオモチャが何度か映ったのですが...
「あっ!マ〇ドナ〇ドのハッピーセットのオマケのスヌ〇ピーだ!」
と、咄嗟に気づいた自分、えらい!(`・ω・´)v
そこだけは気になってしまい、上映終了後に監督にお聞きしたら
合ってました。えらい!(笑)
キャラの著作権的に顔を取ったのかな?と、おもっていたのですが
作中でやたら首が飛ぶので(笑) それの象徴の意味もあったそうです。
こまかい!

それにしてもこの二作品、わたしには時期的にヒットでして。
「殺し屋イチ」で大森南朋さんのファンになった身ですし
飯田譲治氏にどハマりしてて「アナザヘヴン」も観ていたので
岡元夕紀子さんでキャーッ!でした。
つか、岡元さんスタイルすごい!腰の位置が高い!
キッチンが小さく見えるーっ!Σ(゚ロ゚;)  とか、
『忘れられぬ刑事』では、死体役まで豪華だなあっ!と、大歓喜!
いまこの御三方を揃えるには(スケジュール的に)もう無理では!?
とか、声に出さずに脳内でワーワー言ってました (>▽<)

さて、しっちゃかめっちゃか、シュール、ちょっと悪趣味で不謹慎(笑)
そんな二作品 (加えて貴重な短編作品!)と、楽しませていただきまして。

それでも、上映後の短めのトークがとても濃くて深かったです。

「自分の身に起きて欲しくないことを作品にするのがホラーなんだ」
というのは...それこそ、忘れられぬ言葉でした。

わたしが良質ホラーを好きなのは
「自分の身にも他者の身にも起きて欲しくないこと」
それを確かめたいから...というのもあるのかな?と、おもってみたり。

そして、その一番が「死なれること」です。

誰だっていずれは...だけど
いまじゃないほうがいい。

1日でも1分でも1秒でも。

ドタバタを見せられつつも、やっぱり心に染みてくる。
篠崎監督の独自性も不変な過去作品でした。
観れてよかったです。


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『ACTION!』
二回目の鑑賞は、アクションシーンを落ち着いて観察できました。

そしてみればみるほど、逆にわからなくなります。
なんでそんなに綿密に支持された通りに動けるのっ!?と...。

ただ、身体能力の高さは頭の良さにも直結してるのだと
それだけはよくわかりました。
※そもそも段取りを頭に叩き込むだけでも大変なことですよ!
学力的な意味ではなく、脳から身体への伝達神経速度がいかに
優秀であるか、そしてそれは生まれ持ったものであると同時に
日々の鍛錬からくるもの...なんですよね。
そういう意味でも、アクションをこなせる方々は美しいです。

それにしても黒沢清監督の精悍な顔立ちも、ひたすらに脳内にある
映像を現実へと引き出す作業を繰り返す姿も、とても美しかったです。

※わたしの周囲では、黒沢監督の作品のなかでどれが最も好きか?
それぞれで分かれているのが、興味深い現象だったりしますよ。
わたしはいつも『回路』の「行けるところまでいってみる」という
ラストに後押しされながら生きています。
でも作品として一番好きなのは『ニンゲン合格』ですね。


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と、長々と書き連ね、執筆に時間がかかり...
またもや現状は厳しくなりつつある世界となってきました。

12月はどうなっているだろう?

来年は...?

映画を観るのも命がけだ。
これからもきっと過酷だ。

けれどまだ生きて
映画に自分に「おかえり」を言いたい。

昨日、失ったもの
今日、得たもの
明日、失うか得るかするもの

どれに対しても想いがあふれて
「共想」して「競争」して「狂想」するような気持ちで

「強壮」を、わずかでも持っていたいです。

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2020年...11月18日
はや (トモリ)