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2020年12月15日...池袋新文芸坐「共想」を観る前と観た後の出来事。

※諸注意※
本編の感想は、別のページで改めて書かせていただきます。
今回は完全たる自分語りですので
「共想」を観てきた方にも、これから観る方にも
特に有益ではないです。
飛ばしてくださってもかまいません(笑)

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【 2020年11月16日 】
夜、寝ようとベッドに入り、態勢を変えたら眩暈がして転倒してしまい
ベッドから床へと落ちました。
そのときベッドのそばにある、木製のサイドテーブルのほうに頭がゴン!と
落下しまして...めっちゃ痛かったけど、そのまま眠っちゃったんです。
翌朝、髪をとかしてクシがあたったら痛くて、改めてそこを触ってみると 
撃ったところにかなりの痛みがある...。
他の箇所ならともかく、頭部を放置しておくのはさすがに危険すぎるので
翌日、念ため病院にいきました。

【 11月17日 】
わたしが身体の不調のときに行くのは、二階建ての小さな総合病院です。
内科、胃腸科、整形、リハビリ、と、コンパクトに便利なのですが
よくよく考えてみると、コロナから以降で総合病院に行ったのは
今回が初めてでした。
受付の入り口に衝立があり、発熱で来院した人は、そちらで待機して隔離。
皆さん重装備で、いつも診てくれるオジサン医師の顔もよくわからない。
水色のビニールキャップ、プラスチック製のゴーグル、サージカルマスク、
水色のビニールエプロン......診察室には、アクリル板で医師と患者との
敷居がつくられていました。
現場を目の当たりにすると...やはり苦労がわかります。
そこは正に「戦場」そのものでした。

わたしは身体を壊して、一昨年から看護助手の仕事を辞めました。
やりがいのある仕事ができなくなり、悔しかったけれど...
むしろそれで命拾いしたとも言えます。

あのまま続けていたら...結局は身体を壊すか、感染したかもしれません。

そんなことを実感しながら診察を受けました。
地下のレントゲンなどがある箇所でCTを撮ってもらって
とりあえず異常はないとのことでした。
最も気になっていた「お風呂...(´・ω・`)はいってもいいんですか?」
を、聞いてみたら
「湯舟に浸かったらダメだよ、当分はシャワーだけにしなさい」
と、言われ、そういうものなんだ?(・・;) と、驚き、そして
「なんか身体に異変があったらまた来なさい、しばらく安静にしててね。
遠出とかもしないようにね」
とも言われ「え?」と......。
ちょうど「共想」の公開告知がきた当時だったのです。
「コロナだし、出かけないようにね」と、更に念を押され、
他の不安を長々と話せるような状況でもなく、そそくさと帰りました。

まあ、無事で良かったです。 
薬は出されなかったけど、痛みはずっと続き...毎日、ロキソニンを
飲んでました。
完全完治に二ヶ月くらいはかかりましたね。

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【12月...某日】

とらえ方が違うのはわかっているのですが
悪気が無いのもわかっているのですが...

「やっほーみんな息してる?」

このツイートの衝撃で...心が崩れ落ちてしまいました。

息苦しさのなかで闘ってる人たちへの
軽率な発言にしか感じられなかったのです。

自分のいまの弱さでは受け止めきれなかった...
そういうことだとも自覚してます。

病院で働いていたので、病室で寝たきりになっている
たくさんの人たちの姿が、明確に浮かんできてしまったり。
いま、自力で呼吸できない人もいるのに...と。

感染してなくても、みんな苦しんでる。
ほんとはマスクをしたくない人たちだっている。

「息してる?」って、聞かれても...
「苦しくて苦しくて、うまくできません」
としか答えらない...。

疲れた、もう、必死に息をしようとすることに...疲れた......。

池袋新文芸坐での「共想」の上映が近づいてきた頃でした。
頭部の怪我はまだ痛かったけど、それよりも心が倒れてしまって
行くのは無理だ、と、なりました。

精神的な意味で、もう一歩も動きたくないと......。


そこから「やっぱりわたしは行かなきゃ...!!」

そう思えるまでに、また心が立ち上がれるまでに、時間はかかりましたが
またちゃんと歩けて、そして...観に行くことができました。

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上映前に、篠崎誠監督、主演の矢崎初音さん、柗下仁美さんが
舞台挨拶をされたのですが、柗下さんが

「ネットなどで、辛く悲しい情報もはいってきてしまう日々ですが、
今日は観ることで肩の力を抜いてゆったりしてほしいです」

という感じのことを言ってくださったので......
勝手に「ありがとう!ありがとう!」と、胸の内でお礼を述べました。

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【12月15日...当日】 

このことは、今回で初めて話します。
誰にも言ってなかったことです。

「共想」を観に出かけた日、わたしは万引きに遭遇しました。
場所がどこなのかは、もちろん伏せておきます。
捕まるまでを目撃してしまったので、映画を観ていた序盤は
まだショックを引きずっていたほどです。
詳細なことは話せませんが、ただ...

「こっちだって大変なんですよ!」

そう叫んだ店員さんの言葉が、この時代のすべてでした。

みんなギリギリのところで踏ん張ってる。
だからこそ...やってはいけないことがあるし、罪は罰せられるべきだ。

わたしは小説を趣味範囲で書いているのですが、よく違法者を見かけます。
盗作、著作権や肖像権の侵害、画像の無断転載、トレース、身勝手な言動、等々...。

だから尚更に、心に刻みつけられた事件でした。


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【2021年2月13日...】

変な夢をみたので晩ごはんはエビマヨを食べよう。
そんな呑気で些細な願いをかなえ、小説の公募の執筆していた夜......

東京に引っ越してきて5年目のわたしは、初めての大きな揺れを
体感しました。
「まるで電車に乗ってるみたい」という感覚でした。

わたしの出身は四国の愛媛県です。
大きくても体験したのは震度4弱で、それでも怖かったです。
南海トラフとか心配されてますが、四国は地震の小規模程度は
頻繁にあるような地域で、たいていは1~3くらいです。
これは横揺れだからは震源地が遠い、縦は震源地が近い。
このくらいの知識だけは身に付いていました。

そんなわたしにとって2月13は...それこそ生まれ始めて体験した
大きな地震でした。

ツイッターのTLで、10年前を思い出して恐怖している方々がいました。
関西から「テレビでめっちゃ東京いうてはるけど大丈夫ですか!」 
と、心配のリプライをくださった方がいました。
いろんな人たちの安否を心配し、心配され、声を掛け合いました。

これがいまのわたしです。

四国で独りぼっちになっていたころは
とある曲の歌詞に[恐かったら叫んで欲しい]と、聴いて
わたしが叫んでも誰にも届かないよ...... 
そんな風に絶望していた時期があります。

いまは届きます。
そして、誰かの声も聞こえてきます。

もう独りぼっちじゃないです。

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わたしたちはずっと、震災後ではなく震災前を生きている。

震災を体験していないからこそ、わたしは「共想」に引き付けられます。
どうにかして共に想えないものかと...。

そんな想いが、声が、これからも
様々な場所へと、人々へと、作品を通して届くことを願っています。

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2021年2月19日...はや(トモリ)