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人生を変えた名盤シリーズVol.20 『MOTHER2 ギーグの逆襲』

「大人も子供も、おねーさんも。」

記念すべき第20回目は、スーパーファミコンソフト『MOTHER2 ギーグの逆襲』(以下マザー2)のサウンドトラックです。

以前の記事で出てきた「ピンク・フロイド」の『狂気』とどちらにしようかと迷いましたが、マザー2は小学生の頃にプレイした初めてのRPGで、その世界観がとても印象的でした。また、サウンドも名曲ばかりという、思い入れが非常に強い作品のため今回はこちらを記事にしました。

マザー2の音楽を手掛けたのは、「ムーンライダーズ」の「鈴木慶一」氏と、ゲーム作曲家の「田中宏和」氏の2名を軸とした非常に豪華なラインナップです。

アルバムは2枚組で、曲目は以下の通りとなっており、通して聴くとまるでゲームクリアまでプレイしたかのような満足感が得られます。

<SIDE A>

1.『PROLOGUE』

2.『ONETT』

3.『TWOSON』

4.『SATURN VARREY』

5.『WINTERS』

6.『TREEK』

7.『DOKO DOKO DESERT』

8.『FOURSIDE』

9.『MOONSIDE』

<SIDE B>

1.『RAMMA』

2.『SUMMERS』

3.『SCARABI』

4.『DUNGEON MAN』

5.『CURSED JUNGLES』

6.『GUMI VILLAGE』

7.『THE UNDER WORLD』

8.『MAGICANT』

9.『THE GREAT UNDER WORLD』

<SIDE C>

1.『FINAL BATTLE』

2.『LOVE & PEACE』

3.『ENDING』

<SIDE D>

1.『ROOM NUMBER (PSI MIX)』

2.『HULA-HOOP(PSI MIX)』

3.『ANOTHER 2 (PSI MIX)』

SIDE A、Bは訪れた街のBGMメドレーとなっており、各地での様々なイベントの記憶が蘇ってきます。

SIDEC、Dは戦闘中や買い物中に流れる音楽など、何気に隠れた名曲が収録されています。

それでは早速レビューしていきたいと思いますが、収録曲が多いため、ここでは特に印象に残った曲を紹介していきたいと思います。

冒頭1曲目の『PROLOGUE』では、突然宇宙人が襲来してきたような禍々しいBGMが流れます。

子供の頃にマザー2のソフトを起動したとき、いきなりこのBGMが流れてきて結構怖かったのを覚えています笑

しかし、その後タイトルロゴとともに、これから冒険が始まるワクワク感を高めてくれるBGMが流れます。

続いて主人公が訪れる最初の街、2曲目の『ONETT』です。

聴いた瞬間に、あの頃夢中になってプレイした記憶が蘇ってきます。

今聴いてみると、8bitのスーファミの音楽でよくこれほどまで音に深みを持たせられるなと思いました。

あまり意識していなかったのですが、マザー2の音楽はメロディだけでなく、低音部も非常に充実していると今回改めて気づかされました。

3曲目の『TWOSON』も耳障りが良く、爽やかな印象のBGMです。

この街で二人目の仲間を味方にするのですが、当時はなかなか苦戦した記憶があります笑

そしていよいよ5曲目の『WINTERS』です。

はい、そうです。神曲です。

どこか切なさを含んだこの曲は、メロディーラインが秀逸で、全体を通してもトップクラスにお気に入りの1曲です。

3人目の仲間である「ジェフ(メガネをかけた少年)」が、檻に閉じ込められた主人公たちを救出しに行くのですが、その道中に出会いと別れを繰り返しつつ、自分の指名を全うしようとする様は胸に込み上げてくるものがあります。

また、ジェフがアンドーナツ博士から譲り受けた飛行船(スカイウォーカー)に乗って向かうシーンのBGMもなかなかの名曲です。

次に8曲目の『FOURSIDE』ですが、こちらは大都会の街が舞台で、楽曲も都会風にジャズが効いたアレンジが施されています。

洗練されて表向きは華やかですが、”光のあるところに影あり”というように、華やかな面ばかりではありません。

それは次の曲『MOONSIDE』で明らかにされます。

動画でも街の雰囲気が少し味わえる通り、その世界観が非常に不気味で、かつ色彩も怪しいものになっており、まるで幻覚を見ているかのような体験ができます。(そしてやたら敵が強い!)

「ハロー!そして・・・・グッドバイ!」

この言葉は子供のときの軽いトラウマでした笑

このようにマザーシリーズは表のポップな面だけではなく、人間の闇の部分が見え隠れしたりします。

以上、ここまででA面です。

SIDE Bでは物語が中盤にさしかかり、舞台もスケールアップしていきます。

SIDE B 2曲目の『SUMMERS』はリゾート地を舞台にしていて、戦闘を離れ一時のリラックス気分を味わえます。

ちなみにこの街はマザー2でも屈指のお気に入りの街の一つで、結構長くうろついていた記憶があります笑

私個人の予想ですが、エーゲ海などの美しい港町をイメージしているのではないでしょうか?

リゾート地らしいゆったりとしたBGMが流れていますが、実際は人々がしのぎを削り合っており、街のショップでボラれたのは今思えばいい教訓になりました笑

続く3曲目の『SCARABI』では、砂漠が舞台の街に移ります。

このようにマザーでは和洋折衷あらゆる文化がでてきており、そのスケールが大きいことはもちろんのことですが、異国の文化に触れることができるという側面があります。

続いて5曲目の『CURSED JUNGLES』では、主人公たちは砂漠の地からアマゾンの秘境奥地まで進んでいくことになります。

そしてここのBGMが、何度も聴きたくなるものではないのですが、子供の頃そのステージのおどろおどろしい雰囲気と相まって印象的だったため、あえて載せました。

このステージを訪れたすぐの場所に”ガッツある商社マン”という人物が、色々手数料を含めて商品を売ってくれるのですが、今思うとこんなへんぴすぎる場所に来るとはガッツありすぎです笑

その後主人公一行は、修行のために離れていた仲間と合流し、さらに世界の奥地である地底大陸まで進み、”お前の場所”最後のボスを倒します。

(一応主人公は各地にあるパワースポットのボスを倒し、8つのメロディを集めることを目的に冒険をしています。)

8つのメロディを集めた後に、主人公は”マジカント”と呼ばれる精神世界の国に入っていきます。

このステージも当時小学生であった私に強い印象を与えました。

登場人物と話すごとに色彩が変わり、ステージを進んで行くに連れ、より自身の深層心理の深みに入っていきます。

ステージ最後に”マニマニの悪魔”と呼ばれる、自身の邪悪な心の化身に打ち勝ち、主人公は大幅にパワーアップして戻ってきます。

まさに”冒険とは広大の世界を回るだけではなく、内面世界を巡る旅でもある”かのようなメッセージ性をこのステージを通して感じ取れました。

その後主人公たちはラスボスである”ギーグ”が、過去から現在に向けて攻撃をしていることを知り、”過去の最低国”と呼ばれている場所に向かいます。

(過去に向かうために主人公たちの身体がロボットへと改造されるシーンも、子供の頃のトラウマシーンの一つです。マザー2はトラウマ多いですね笑)

そしていよいよ、ラスボスである”ギーグ”と対峙します。

ギーグ戦では、主人公の幼馴染である”ポーキー”が立ち塞がり、最後まで邪魔をしてきます。

この戦いのBGMがなかなかの良曲のため載せておきます。

最初はゲームBGMらしい曲調ですが、突然デスメタル風に激しく転調します。

本当にマザーの音楽は幅が広いですね。

その後最後の戦いを終えた主人公たちはフィナーレを迎えますが、エンディングの前に各地の街を訪れることができ、そのときに流れるSIDE C 2曲目に収録の『LOVE & PEACE』の旋律が印象的です。

紹介記事は以上となりますが、今回取り上げなかった他にもマザー2には数多くの名曲があります。

(寄宿舎のシーンや、自転車に乗ったBGMなど)

全部を取り上げると相当長くなってしまうため、泣く泣く割愛しました。

また、私が日頃参考にさせていただいている、音楽解説を主としたYouTubeチャンネル「みのミュージック」にて、みの氏がマザー2のサントラについてより詳しく解説しているため、こちらもおすすめです。

こちらの動画で、マザー2にビートルズのサンプリングを使用していた事実を知ったときは衝撃でした。

他にもビーチボーイズなど、様々なサンプリングが使用されているようです。

冒頭でも述べましたが、マザー2は私が初めてプレイしたRPGであり、大変感慨深い作品です。

当時は意識していませんでしたが、改めて振り返るとBGMが非常に凝っていて名曲揃いです。

もしかしたら私が後に洋楽に目覚めたのは、このゲームのBGMが潜在意識に多大な影響を与えていたからかもしれませんね。

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