イエメン人が教えてくれること

マレーシア留学をして、イエメンという国の人と初めて関わった。

最初は正直どこにあるかもわからない国だったし、顔もみんな濃いから見分けがつかないし、いつも群れて行動してるからとっつきにくかったし、英語もアラビックアクセントが強くて聞き取りにくかったし、

とにかく馴染みがない彼らに対してあんまり仲良くなれる気がしてなかった。

けど、気づけば彼らに会いたくてマレーシアまで来てしまうレベルには、彼らの文化や考え方や生き方に魅了されている。

そんな彼らの魅力を少しおすそ分けしたいとおもう。


まず、彼らはめちゃくちゃポジティブだ。

日本人だったら、「もう無理だわ、どうにもならん。」って諦めるようなことだって、
なんとかなるっしょ!って何故かゲラゲラ笑ってたりする。

それに、いちいち使う言葉が笑ってしまうくらい大げさだ。

たとえば、「最近元気がないんだよね〜」と相談したとき、普通の日本人なら「どうしたの?何かあった?」と言って、その悩みの根源に具体的な励ましの言葉をいれるだろう。

しかし、イエメン人は違う。

「元気がない?君が元気がなくなったら世界中の元気もなくなっちゃうよ!悩むな悩むな!」
とかいう謎に規模がデカい励ましを即座にしてくる。

なにが悩みなのか、などを聞くことは一切なく、悩んでるならシーシャでも吸って踊ろうぜ!ハハハ!!!みたいなこと言ってくる。

これだけ見ると、無責任だし相談するのに向かないじゃん!って思うかもしれないけど、私にとっては最高の相談相手だ。

どんなに悩んでたって落ち込んでたって、彼らと会って地球規模の励まし言葉をもらうと、悩んでたことがどうでもよくなる笑

もうなんかこの人たちの前でクヨクヨしてんの無駄だわ😂😂とりあえず考えんのやめてシーシャ吸って踊るわ😂🤣

みたいな心境になる(笑)

悩んでる時に、具体的で現実的なアドバイスをもらうことは、有用ではあるが気分はそこまで上がらない。

しかし、ただポーンっと背中を押してガハハと笑い飛ばされると、一気に世界が反転して明るくなる。

たいていの悩みは正解があるわけじゃなくて、単なる気持ちの落ち込みが原因だから、考え方を変えた瞬間解決するものも多いからね。

だから、どんな時でも前向きで適当で楽観的な彼らといると、ストレスというものを忘れてしまう。


そして、最高に友達や家族思いだ。

常に家族のことを気にかけ、家族の話をうれしそうにする。

そして友達のこともいつも楽しそうに話して自慢してくる。

そうやって人とのつながりをとても大事にしている姿は、とても良いなぁと素直に感じる。

そして、そう言った家族や友人のような大切な人に対して、彼らはとにかく気前がいい。

自分以上に大切な人に対してお金を一切ケチることなく使う。

generousという英単語が世界で一番当てはまる人たちだろう。

相手からのリターンとかは考えずに、自分が好きならただ与える。与えまくる。

この姿は本当に素敵だなぁといつも思う。

また、彼らの誕生日パーティーは次元が違う。

何度か彼らの誕生日会に参加したことがあるが、もう本当に圧倒される。面白すぎる。

まずレストラン全体に、鼓膜が破れるレベルの大音量でバースデーソングが流れ、その後全従業員と友人たちが指笛を吹きながら踊りながらケーキを持ってくる。

そして気付くと、全く関係ない他の客までお祝いの輪に参加して拍手している。

床においてあるシーシャを蹴散らしながらみんなが立ち上がってその1人の誕生日を全力で踊って手を叩いて変な声をあげながら祝う(笑)

しかも知らない人も一緒に(笑)


楽しすぎるだろ!!!どんだけいい文化だよ!!
と参加するたびに思う笑


全力で誕生日の人を店全体で祝うのは、日本のそれとは比べ物にならない規模だし、
本当に「心から祝っているんだな」ということが伝わってきて、見てるだけでもすごく幸せな気持ちになれる。

そして、なにより彼らは自分の国が好きで好きでたまらない。

暇さえあればイエメンがどれだけいい国かを熱弁し、君はイエメンに来るべきだね!世界で一番いい国だからね!とか言いながらイエメンの歌をいきなり歌い始める(笑)

なぁにいってんだか😂と最初は思ってたが、
ある時自分が彼らの前で日本の悪いことしか言ってないな、ということにきづき、急に恥ずかしくなった。


どの国だっていろんな問題があって、特にイエメンはまだ国内で内戦が続いている状態だ。

それなのに、自分たちの国のいいところに目をつけて、堂々と胸をはって歴史や文化を他人に語っている。

それに比べて私はどうか。

日本という客観的に恵まれた国に生まれながら、良いところを評価する前に悪いところにばかり目をつけてあーだこーだ文句をたらしている。

それに気づいた時、自分めちゃくちゃだっせぇーーーと思った。

腐っても自分の母国なんだから、まずは自分が愛さなくてどうするんだ。
不満を言ったってなにも変わらないんだから、評価すべきとこは評価して、ちゃんと愛国心を持って、そこから直すべきところに取り組めばいい。

愛国心を持つことを右翼だのなんだのいうんじゃなくて、当たり前のこととして捉えていかなければ、きっと日本はもっと良くない状況に置かれる。

日本を愛さない人が日本を変えられるわけない。

そう強く感じ、今私は改めて日本の歴史や評価すべき文化について勉強し始めるに至った。

めちゃくちゃ刺激受けてんじゃん自分って思っておかしくなるくらい、影響を与えられまくってる毎日だ。


また、彼らからしたら、世界最強のどこでいけるパスポートを持っていて、日本語という激ムズ言語を話せて、英語も使えるということはめちゃくちゃ武器だと言われ、初めて自分がどれだけ恵まれた立場にいるかについても教えてもらった。

なにもしなくてもどこでも行けて、コミュニケーションが取れる。そんなたっくさんの可能性を持ってるのに、どうしてそのチャンスを無駄にしようとしてるんだ!
使いこなせ全部!全部武器になるから!
周りの人とか環境に悩んでる暇があるなら1円でもお金作り出していろんな経験しようよ!
他の人が現状に不平不満言ってる間に死ぬほど努力してビッグになろうぜ?

って言われて、なんかめちゃくちゃ泣きそうになった。


たしかに、十数ヶ国しか行けないパスポートを持ってて、どの国に行く時もビザの問題で揉める彼らからしたら、私はどれだけ恵まれた環境にいるのだろうと思った。

なのに、ちっぽけなことで悩んで不平不満ばかり言ってなにも動かなくて、日本の中で自分の可能性を潰してしまいかけてる自分、めちゃクソもったいないじゃん!って思った。

彼らのポジティブで愛国心の強い姿勢は、ネガティブで母国に否定的な私を大きく変えてくれた。


他にも毎日彼らはたくさんのことを教えてくれる。

彼らと過ごす時間の全てが刺激的だし、彼らの話す言葉の全てが興味深い。

そして、負けてらんないなぁと思う。

イエメン人の友達はマレーシア留学で得た最も大きな財産の一つだ。

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