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ひどい耳鳴りが1週間も続いています

「ミミナリさん、さすがにもう消えたらどうですか。」

「いやいや、あなたがぜんぜん休まないからでしょう。はたらいてばっかで、プライベートの時間でさえ、仕事のことばっかじゃないですか。バッカみたいですね。あはは。仕事ばっかで、仕事バカなんですね、あなたって。ふふふ。あれれ、聞いてますか。あのね、ふつうに、ゆっくりお風呂にはいったり、気が済むまで眠ったりして、からだがリフレッシュしたら自然と消えるもんですよ、私たち耳鳴りは。あぁ、あとお酒の飲みすぎもよくないですね。お酒を飲むことで、疲れが魔法みたいに消えていくと勘違いしてますよね。いやぁ、よくないなぁ。からだにガタがきますよ、ボディブローのように。」

「本当に止まらないですね。仕事は自分が好きでやってるのでいいんです。お酒だって、ぼくの数少ない快楽なんですから。ほっといてください。ですから、からだが疲れるのはある程度しかたないんですけど、うっとうしいのはあなたですよ。いいかげんに黙ってください。」

「だったら言わしてもらいますけどね。これが、私の仕事なんですよ。それから私はあなたと違って、仕事が大ッキライです。だからね、私だってはやく休みたいんですよ。なんなら私自身はやく休みたいから、あなたに口うるさく休め休めと言っているんですねぇ。あはは、なんかややこしいですね。私は休みたいけど、あなたが休まないから、休めない。アラ、こまった。いいですか、つまり、ある意味では、我々は運命共同体なわけですよ。それにね、私は耳鳴りの中でも、そんなにトーク力のある方ではありません。そのうちにトークテーマが尽きてきます。そしたらお互いに地獄ですよ。しょうもない話をダラダラしなきゃいけないんですから。カエルがエリマキトカゲに変わった話なんか聞きたくないでしょう。こっちだってそんな話は願い下げです。あれれ、聞いてますか。あ、聞こえていないふりモードに入りましたね。うーわ、これは長くなりそうですねぇ。えーと。ある池に小座衛門って名前のカエルがいましてね、そいつは雨が降ったり、やんだりするのをうっとうしく思ったわけです。これはカエルにとっては珍しいことでして、なんでもカエルっていう生き物は・・・。」

「あああああ・・・・・。」

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