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ベトナムで生きていくためのスキルとは。

みなさん、こんにちは。
ベトナム医療・生命保険代理店TOMONI VIETNAM(トモニベトナム)
代表・CHOの山岸です。

過去にブログの方に書いていて記事をこちらにも移そうと思います。
「ベトナムであなたは大切な人の命を守れるのか。」
というお話です。

前回の記事でも、いかにベトナムが医療発展途上国であるかについての思いの丈と事実を吐き出しましたが、未だに吐き出しきれていないこともあります。
…思いを吐き出した過去の記事はこちら。
日本の当たり前は、ベトナムの当たり前ではない…当たり前ですが、その1
日本の当たり前は、ベトナムの当たり前ではない…当たり前ですが、その2
ベトナムで安全に過ごすために必要な7つのこと、その1
ベトナムで安全に過ごすために必要な7つのこと、その2
こんなに書いてもまだまだ、ベトナム医療インフラの未発達に対してお話をしたいことがあります。

それは、みなさんがベトナムで挑戦を続けるうえで必須の情報であるにもかかわらず、一番ないがしろにされやすいことだからです。

「なんとなかなる。」この言葉が私たち人類に与えてくれるパワーは数知れず。
ただ、残念ながら「なんとかならない。」ことはこの世の中にはたくさんあり、
ベトナムで倒れたときに、助かりたいと思っても、それは「なんとかならない。」のカテゴリーに入る可能性がとても高いというお話をしていきます。

昨年10月に、ベトナムALSOKとラッフルズメディカル 中島医師による
「心肺蘇生による救急対応」についてのセミナーを受講してきました。

あなたはベトナムで起こるもしもの非常事態「目の前で大切な人が倒れた」ときの準備はできてますか?


まず、1つの場面を想像してください。

「あなたは今ベトナムにいます。
楽しく忙しく過ごした1日も終わりベッドに入りゆっくり休むことにしました。
朝 4時、一緒に寝ていたはずの夫、妻またはこどもの意識がないことに気がつきます。大きな声で呼んでも、どんなに体をたたいても反応がありません。」

そんな時に、あなたはどのような行動を取ることができますか?

この状況はいつ、誰に起こってもおかしくない。

どのくらいの確率か、
日本だけでも毎年約7万人、毎日200人、 7.5分に1人が「心臓突然死」
しているというデータがあります。
日本ではなく、ベトナムいるからこそより必要なスキルです。
ベトナムのゆっくりして1年中常夏のようなところで生活していて、
思ったよりも治安も悪くないし、カフェはおしゃれでトロピカルなスムージはとても安いし、日本食にだって困らないほどおいしレストランがあって、ベトナム最高!となっていて、少し危機感がゆるむかもしれませんが、1度キュッと兜の緒を締め直すような気持ちになる必要があります!

では、なぜベトナムにいるからこそ必要な能力であるかのか。

緊急時の対応 ー 日本とベトナムの違い

*意識・呼吸もない状態とします。
ー まず、日本だと
① 119に電話して救急車を呼びます。
② 待っている間も心臓マッサージを行い、AED使用しながら救急車を待ちます。
東京では救急車の平均到着時間は 7分19秒で必ずきてくれます!
(平成 29年のデータ 東京消防庁より)
これが日本が世界に誇る救急医療レベルです!

ー これがベトナムだと
① 115に電話して救急車をって…いつ来るの?本当に来てくれるの?
あっ、まずベトナム語話せないし。。。
② そしたらまず、AEDをっ!って AEDどこにあるの?

と、大きく変わってきます。
とてもヤバイくらいの違いに気づかれたと思います。
それでは、このような事態が起こったとき、ベトナムにきてしまったのだから、もうこれはしょうがない…とあきらめるしかないのでしょうか?
それは、違います。絶対に違います。
正しい知識をもとに最善の行動をとることで、たとえあなたが医者・看護師でなくても、大切な人の命を守ることができます。

感覚ではなく、具体的にどのくらいベトナムで倒れたときにヤバイのかを知ることが大切なんです。
そして、その上でどのようなアクションを起こすことがベストなのかを知り、
実際にそのアクションを起こせる対応力がベトナムで生きていく上で必要なんです!

ベトナム緊急時ベストアクションの3ステップ

…では、どう対応するのがベストと言えるでしょうか?
わたしは3つのステップだと考えます。
①まず救急車! 番号をスマホに登録!
②心臓マッサージdeとにかく脳に酸素を届ける!
③AED持ってきて、すぐに心臓を正しく動かす!

ここから、1つ1つ説明していきます。

①まずは、救急車の番号をスマホに登録!

115番 (ベトナムの日本でいう 119番)はまず頼りにはなりません。
そうなると、2つの方法があります!
・よく言われているのはタクシーで直接病院に向かう。
・ または、医療機関が持っている救急車を直接呼ぶ。

ここで特に大事なことは、調べるで終わりではなく、登録をしておくということ。
目の前で大切な家族や友人が倒れているときに、そこから「確かホームページに載っていた!」と調べても遅すぎます。
また、パニック状態のとき、落ち着いてスマホをタイプすることは不可能です。
あなたの指は震えて、まるで自分の指ではないかのように言うことを聞きません。

有名なところではファミリーメディカルが保有している救急車です。
ー ファミリーメディカルの救急車利用情報 
🚑 救急車電話番号…*9999
💰メンバーシップのシステムもあり…VND575 ,000 (1人/年間)
*非加入でも利用することができます!
注意点として、あくまでも救急車利用の費用のため、車内での治療費は別料金です。
とにかく早くちゃんとした医療機関に運んで診てもらう必要があります。

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 Family Medical 救急サービス

②心臓マッサージdeとにかく脳に酸素を届ける!

日本医師会の公式ウェブサイト」には、分かりやすくイラストを用いて心肺蘇生法について説明があります。
大人、子供では心臓マッサージの方法も AEDの使い方も変わるので、チェックしてください。
このようにイラストで説明しているので、わかりやすくなっています。

心臓マッサージ


③AED持ってきて、すぐに心臓を正しく動かす!


ですが、みなさん ベトナムで AEDがある場所ってわかりますか?
日本だと普通に外を歩いているだけで、たとえ病院の中ではなくても、よく見かけますよね?それもそのはず、
ー日本のAED設置台数
・日本では約60万台(医療機関・消防機関をのぞく)世界でもアメリカに次いでトップ2!
・ベトナムでは約200台(ALSOKが販売・設置した台数 )
*Philipsなど他の海外企業の台数は含まれていません。
どちらにしてもベトナムで運よく AEDの側で倒れることはまずないと思います。
心停止から5分以内にAEDによる電気ショックを行える状態にするには、片道150メートルぐらいの場所にあるのが望ましいと言われてますが、ベトナムではまず絶望的。

ーベトナムにあるAED設置場所
sky garden・イオンモール・日本人学校など
なので、現実的には①と②は必ず行うということが大事と言えます。

とにかく時間との勝負。
心臓が正しく働かなくなった状態から1分経過毎に助かる確率は約10%下がってしまう。なので、一刻も早く、思い込みではない正しいアクションを起こすことが必要なんです!時間との勝負となる。この救急医療も十分でないベトナムで、です。

ベトナムで暮らすということは、リスクも大きい 


ここまででも、いかに「ベトナムと日本で倒れたときの対応が異なる」か、十分わかっていただけたと思います。
むしろ今すぐ日本に帰りたくなった方もいるかもしれません。
でも、いろんな理由でベトナムで生活している人がいますよね。
駐在員として企業を背負ってきている方、それを支える奥さんとお子さん。
ベトナムでのビジネスチャンスを感じ挑戦を続けている方。
ベトナムの医療レベル本当に怖いので帰ります!と言ってすぐ帰ることができる状況にない人が多いのが現実だと思います。

ベトナムで緊急時にも対応できるために、今すぐすべきこと 

では、どうすればそのようなベトナムで、そんな緊急事態が起こったときにも
対応できるようになれるかについて、わたしの考えは以下の3つです。
① 医療セミナー・訓練を受ける。
しっかり現状を知ることは、みなさんのリスクマネージメント能力と緊急対応スキルを確実に上げます。
知ることとカラダが覚えられるくらいまで訓練すること、これだけで漠然とした
恐怖心が軽くなって、考えたくない緊急事態が起こったときにもカラダが対応
できるようになります。
*今後このような良い機会があるときは、わたしも積極的にお知らせしていきます。

② 救急車番号をスマホに登録しておく。
その時が起こってから調べるのでは遅すぎます。何よりもその状況が起こってから
冷静に調べることもできません。
絶対にパニックになりスマホを握る手は震えて、正確にタイプすることすらも
ままならなくなるものです。そのため、事前に登録しておくことが必要となります。

③ 救急対応のできる医療機関を調べて、住所・緊急連絡先を登録しておく。
家の近くにあって、24時間救急対応ができる病院をわかっていてください。
緊急時は一刻も早く医師に診てもらい、治療を始めてもらうことで助かる確率だけでなく、その後のカラダに起こる後遺症を防ぐことにもつながります。
また、タクシーで向かうときでも、すぐに場所を伝えることができます。
電話番号を登録しておくことで、その病院に現状の説明をすれば、
医療機関側は必ずどのような対応をすべきかの指示をくれます。
時間との勝負のこの状態に必須なマスト to do リスト です。

この3つは今すぐにできることです。
まず、セミナーはコロナ事情で無理としても、
②の救急車番号の登録と
③の家の近くの医療機関を調べて連絡先を登録することから始めてくださいね!
AEDもみなさんが住んでいるレジデンスにあるのか、またどこにあるのか、についてもレセプションの人に聞いて確認することも大切です!

ベトナムの裏側も知ることが、この国で挑戦し続けることに大切なこと。
ベトナムで楽しい生活を送るにも、ここにかけてビジネスにチャレンジしていくにも命がなければできないこと。
当たり前すぎて考えることもないようなことですが、このベトナムにいる限り私たちはつねにベトナムにいるリスクとも、向き合わなくてはいけないとわたしは思います。

みなさんがベトナムでもココロもカラダも健康でいられますように。

「参考・引用」
日本医師会 救急蘇生法:https://www.med.or.jp/99/
東京消防庁 :平均到着時間(平成25〜29年)
堀江貴文著 :健康の結論
simpleshow :心肺蘇生法
減らせ突然死  AEDプロジェクト:http://aed-project.jp/index.html


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