日本の当たり前は、ベトナムの当たり前ではない…当たり前ですが、その1。

みなさん、こんにちは。
ベトナム医療・生命保険代理店TOMONI VIETNAM(トモニ ベトナム)代表・CHOの山岸です。

今まで、ブログでベトナムの医療情報や保険の情報をまとめたり、発信をしていたのですが、これからはnoteに切り替えることにしました。
理由は、シュッとして見えるからです。
しっかりと考えた理由ではないのですが。noteのデザインがスッキリしていて好きになりました。こちらの方がシンプルな分、読んでくださる方も、書かれている内容に集中できるように思います。

わたしは、2018年に勢いだけで丸腰の状態でベトナム・ホーチミンにきました。
そのことについては全く後悔はしてないのですが、
「もう少しちゃんと準備してから来るべきだったよね?」と過去の自分を前にしたら、正座させてやりたくなる気持ちはあります。

記事のタイトル、
「日本の当たり前は、ベトナムの当たり前ではない…当たり前ですが、」
移住してきて、毎日このことについて考えさせられてます。
来たばかりのときは「いやいや、それは常識じゃない?」って、ベトナム人と意見が合わずに喧嘩腰になることもありましたが、「その常識ってお前が勝手に日本から輸入して来たもので、なんでここベトナムで押し売りしようとしてんだよ。」って話ですよね。
2年経って今ではだいぶ、「うん。うん。そうきたか。」と落ち着いて捉えられるようになりました。

さて、この「当たり前」という概念は、ときに人を窮地に追い込みます。
特に日本人は、国が「当たり前」に「すべての人が健康でいる権利」を手厚く保障しているからです。
その「当たり前」に私たち日本人は感謝することもない、なぜならそれが「当たり前」だから。
生まれた時から、そうなんです。だから呼吸できるのは、空気中に酸素があって、カラダに肺があって、心臓が動いて、血液が酸素をのせて臓器に届けていることと同じくらい改めて考えて、そこに感謝の気持ちなんて出てくることはないのも当然です。

ただ、その「当たり前」をスーツケースの中に入れて一緒にベトナムまで持って来てしまっては、大変なことになりますよ。
「日本の医療の当たり前」と「ベトナムの医療の当たり前」まったく違うものです。
ということを書いていきます。

私たちが慣れ親しんだ日本医療の当たり前11のこと

日本では、


1. 119にかければ必ず救急車が来ます。


東京の救急車の平均到着時間は、7分02秒。(平成30年 東京消防庁より
それは、

2. 日本では救急救命士が24時間待機している。


救命救急士という国家資格を保有したプロフェッショナルの方が24時間待機していてくれ、すぐに駆けつけてくれること体制があること。
また、


3. 日本では救急車に道を譲る。


救急車の音が聞こえたり、見えたりしたら一斉にバァーっと道をあけ、道を譲ること。それはまるで旧約聖書に出てくる”モーゼの奇跡”のごとく。
(日本での勤務時に患者様を他の病院に緊急搬送をする際に救急車に同乗したことがありましたが、これは本当に1分1秒を争う状況下で、みなさんのお気持ちに感謝しました。)
*モーゼの奇跡とは…紀元前13世紀ごろ、エジプトで奴隷として使役させていたヘブライ人たちがモーゼに率いられ脱出。エジプトの軍隊が彼らを引き戻そうと追いかけてきた時、モーゼが手をあげると海が割れ、道ができたのです。ヘブライ人が渡りきると海は元に戻り、追いかけてきエジプトの軍隊は溺れ死んだ。
そして、

4. 救急車の利用にお金がかからない。


緊急時に金銭面の心配などせずに救急車を呼ぶことができる。
(それによる救急車の乱用が問題になっていますが。)


5. 手持ちのお金がなくても、健康保険証があれば緊急受診できる。


緊急で医療機関を受診することになったとき、まとまった手持ちのお金がなくても患者の重症度に応じて平等に対応してくれます。
 医師:治療前にデポジットとして〇〇万円払うことがで出来ますか?
 わたし:えっ?いまは持ち合わせてないです。具合がとても悪いので早く診てくれませんか。
 医師:払うことが出来ない人には治療できないので。
…のようなことは絶対にありません。
*病状や専門医が待機してないことによって、病院側が受け入れが難しいと判断された場合による受診ができないこともありますが、金銭面で緊急時の受診を拒否されることはありません。


6.国民皆健康保険の加入


1961(昭和36)年以降、日本ではすべての人が公的な医療保険に加入することになっている国民皆保険制度があります。この制度によって、誰もが安心して医療機関に行くことができます。


7.  急に目の前で救急要請が必要なケースに遭遇したら


道で人が倒れたり、交通事故現場に遭遇したら、他人でも一次救命処置を取ります。それは教習所の必須科目であることなど、多くの方が知識を持っていること。
いざという時に周りにいる人が手当を行えば救命の可能性が高くなると知っている。消防署や赤十字など様々な機関で、応急処置の講習を受ける機会に恵まれている。AEDがいたるとことに設置されていること。

8.  医療機関では国家資格保有者のプロフェッショナルが対応


医療に関する職種の教育制度が整っていて、
病院に着いてたら医師、看護師、助産師、保健師、薬剤師、臨床検査技師、診療放射線技師、理学療法士、管理栄養士など国家資格保有者が対応します。

9.病院では、1人の患者に1つのベッドが用意されます。


衛生やプライバシー管理体制がしっかりしており、患者にとって大切なことだとされている。

10.  入院中の栄養管理栄養管理も治療計画の1つとして、とても重要であるとされている。


病状やアレルギー、内服しているお薬まで考えて必要な栄養を考えた食事が1日3食出てきます。

11.  患者の身の回りのケアは看護師や看護助手が行う。

看護師や看護助手などのスタッフがオムツ交換から身の回りのケアまで行います。

これら全部ベトナムでは当たり前ではないです。
まだまだ枚挙にいとまがありませんが。
これは、「当たり前」と思わずに、「しっかりと日本の医療制度と医療従事者に感謝しやがれ!」というだけの目線で書いたわけではありません。
これを「当たり前」だと思ってベトナムにくると、または、社員を送ると、大変なことになります!というご報告です。
次回の内容では、ベトナムではどのように「当たり前」ではないのか、「ベトナムの当たり前とは。」ついて考えていきます。

つづきは、こちら。
日本の当たり前は、ベトナムの当たり前ではない…当たり前ですが、その2。

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