【プレミアリーグ】ロンドンのフットボール事情~ライバル関係編~
今回は、ロンドンにおけるフットボール事情、特にライバル関係について特集していこうと思う。イングランドのフットボール界には様々なダービーが存在するが、最も熱い地域は首都ロンドンだろう。アーセナル、トッテナム、チェルシーをはじめ多くのビッグクラブが本拠地を構えるロンドンのライバル関係について、編集長の実体験も踏まえて紐解いて行くことにする。
ーはじめにー ロンドンの基本情報
まずはじめにロンドンの基本情報から整理して行こう。イングランド南東部に位置するロンドンは、面積1,572㎢で人口約900万人。だいたい大阪府より少し小さいくらいだ。
ロンドンに本拠地を置くチーム
次に、ロンドンに本拠地を置くチームの一覧を見て行こう。1部~8部からなるイングランドフットボールカテゴリーの全てを合わせると、なんと15チームがロンドンに存在する。日本のJリーグは首都圏でも1県に多くてせいぜい3チーム程であるため、そもそもカテゴリ自体が多いこともあるが、いかにイングランドにフットボール文化が根付いているかが分かるだろう。
(チーム一覧)
・アーセナルFC・・・プレミアリーグ(1部)
・トッテナム・ホットスパーFC・・・プレミアリーグ(1部)
・チェルシーFC・・・プレミアリーグ(1部)
・フラムFC・・・プレミアリーグ(1部)
・ブレントフォードFC・・・プレミアリーグ(1部)
・クリスタル・パレスFC・・・プレミアリーグ(1部)
・ウェストハム・ユナイテッドFC・・・プレミアリーグ(1部)
・ミルウォールFC・・・チャンピオンシップ(2部)
・クイーンズパークレンジャーズFC(QPR)・・・チャンピオンシップ(2部)
・ワトフォードFC・・・チャンピオンシップ(2部)
・チャールトン・アスレティックFC・・・EFLリーグ(3部)
・レイトン・オリエントFC・・・EFLリーグ(3部)
・MKドンズFC・・・EFLリーグ2(4部)
・ウィールドストーンFC・・・ナショナルリーグ(5部)
・バーネットFC・・・ナショナルリーグ(5部)
地理的な面では、ロンドンの中心部を東西に流れるテムズ川を挟む形で多くのチームが存在している。ウェストハムの本拠地でありロンドンオリンピックが行われたオリンピックスタジアムや、聖地ウェンブリースタジアムもロンドンに存在する。テニスで有名なウィンブルドンもロンドン市内だ。
激しいライバル関係
次に、彼らのライバル関係についてだ。言ってしまえばすべてがロンドンダービーではあるが、その中から特に有名どころをピックアップしてその関係性を以下まとめてみた。
アーセナル vs トッテナム(ノースロンドンダービー)
北ロンドンを共に本拠地とするこの両チームのライバル関係は、恐らくロンドンに留まらずイングランドで一番熱いダービーである。お互いの存在を憎んでおり、絶対に分かり合えない。アーセナルファンの家に産まれた子供は幼い頃からママの顔を覚えるよりも先に、
父親:What do you think of Tottenham?(トッテナムといえば?)
息子:S'it!(ク〇ソだ!)
父親:What do you think of S'it?(じゃあク〇ソといえば?)
息子:Tottenham!(トッテナムだ!)
と言えるようになるまで英才教育を受ける。
この2チームのライバル関係については、以下の記事をぜひ読んで頂きたい。ただ大正義グーナー目線で書いているため、トッテナムサポはお断りだ。申し訳ないが今すぐこのページごと閉じて頂きたい。
チェルシー vs アーセナル(ビッグロンドンダービー)
アーセナルとチェルシーの試合は、「ビッグロンドンダービー」として日本でも名の通ったビッグマッチではあるが、彼らのライバル関係は当事者たちからすると意外とそうでもなかったりする。2000年代に入り互いに優勝争いを繰り広げてきたビッグクラブ同士ではあるが、実は意外と仲が良い。その証として、両クラブ間での選手の移籍はかなり多く、近年だとオリビエジルー、ペトロフチェフ、アシュリーコール、ダビドルイス、ジョルジーニョ、カイハフェルツ、サムハッチソン、等、直接的な移籍も多い。
トッテナム vs チェルシー
この対戦もノースロンドンダービー、ビッグロンドンダービーに並ぶビッグマッチだ。チェルシーのホームスタジアムのスタンフォードブリッジでは、選手入場時に「Liquidator」という曲が流れ、毎試合チェルシーサポーター達は曲に合わせて「We hate Tottenham, Chelsea!(俺達はトッテナムが大嫌いだ!)」と大合唱する。
サポーター間のライバル意識も熱いが、このダービーは特に白熱した激しい試合展開になることが多い。特筆すべきは15-16シーズン終盤に行われたトッテナム対チェルシーの試合で、この時首位レスターを僅差で追いかける2位トッテナムに対し、10位と低迷していたチェルシーがライバルに優勝させまいと白熱の展開となったが、トッテナムの度重なる悪質プレーで大荒れの試合となってしまった。(これを機にトッテナムは暴力団というあだ名を付けられることとなった)試合は2-2のドローで終わり、トッテナムはこの試合で優勝の望みが断たれる試合となり、両チームに大きな遺恨が残った。
ウェストハム vs トッテナム
なぜだか分からないが、ウェストハム(サポーター)はとにかくトッテナムが大嫌いなようだ。プレミアリーグファンには馴染みの光景だと思うが、ウェストハムはトッテナムに勝つといつもお祭りのように大喜びし、そして「It's happened again(また君たち負けたね、とトッテナムを煽る際にイングランドでよく使われるスラング)」の大合唱で盛大に煽る。
僕が実際に現地のウェストハムサポと会話する機会があった際に、ライバルはどこかと聞いてみると、「俺たちはあいつら(トッテナム)が大嫌いだ。あいつらが負けると俺たちはパーティーするのさ。」と言っていた。ちなみにアーセナルも嫌いかと聞くと「アーセナルは一緒にトッテナムを倒す相棒(brother)さ。嫌いじゃないね。」と言っていた。一方のトッテナム側は、それほどウェストハムをライバル視しておらず、うるさい隣人さん程度で捉えているようだ。
ミルウォール vs ウェストハム(ドッカーズダービー)
近年はミルウォールが下位カテゴリで過ごすことが多かったため実現しなかったが、実はロンドン、いやイングランドで一番熱く、そして恐ろしいダービーは間違いなく彼らのダービーだ。彼らはお互いの存在を酷く憎んでおり、対戦時にはサポーター同士が流血の殴り合いに発展することは日常茶飯事、それもそのはず、ミルウォールサポーターはイングランドで一番「最凶」と言われるほど狂暴であり、映画「フリーガン」のモデルになった程だ。現在ミルウォールはチャンピオンシップで上位につけており、このまま来年昇格すれば、来シーズン遂にこの禁断の最凶ダービーが実現してしまうかもしれない。
ロンドンの王は?
ここまで色んなチームを紹介してきたが、「One team in London, there is only one team in London」ロンドンで一番のチームはどこだろうか?アーセナル?いや違う。チェルシー?これも違う。トッテナム?これは論外。では正解は?ミルウォールだ。彼らを怒らせたら絶対にいけない、本当に恐ろしいチームだ。なかなか下位リーグに目を向ける人はいないが、今季2部で上位争いを繰り広げ、来季もしかしたらプレミアリーグに参戦するかもしれない彼らに、ぜひ注目して頂きたい。
それにしても、トッテナム、多方面から嫌われ過ぎじゃね、、?まあ、無冠だし?何も成し遂げていないのになぜかビッグクラブ扱いされてるし?僕も大嫌いだ。どんなにナイスガイでも、どんなにかわいい女の子でも、トッテナムサポーターだったらその人とは一生友達になれないだろう。
文/編集長
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