見出し画像

母娘依存だと気付いたそのとき

私の母は子の教育のためなら、惜しまずお金を出してくれる人で、父が亡くなった後、パートでやっていた英会話教室や、英語塾の講師を辞め、45歳から正社員としてメーカーの子会社に再就職した。

おかげで予備校も通えたし、私大にも進学できた。奨学金も無利子の範囲内でしか借りなかったので無理なく毎月返済できている。

私には3つ下の弟がおり、彼も予備校に通い(東進なので、私よりだいぶ安上がりだが)、同じく私大に進学した。

元々、大手電気メーカーの広報としてバリバリ働いていた経歴があったとはいえ(父の海外赴任を機に退職した)、厳しい状況で再就職し、2人の子が社会人になるまで不足なく育ててくれた母を、同じ女性として尊敬するし、感謝している。

しかし、である。
成人になってもう10年。
社会人になって早8年。

私は幼いころと変わらず、母と一緒に暮らし、母に言われたとおりに、動く。
休日で遠出する予定がなければ、基本的におつかいと夜ご飯作り、食器洗いはルーティンになっている。

正直、本当はやりたくない。
週5で働いて、残業もして疲れていて休みの日くらいゆっくりしたい。

でも、実家に激安で住まわせてもらっている以上、対価として家事をせねばならぬ。
それが大人としての義務だから。

小さい頃からともちゃんはマイペースだね、と言われて育っただけあり、今でも、人に急かされて何かをするのが大嫌い

同じ家事でも、一人暮らしなら自分ができるタイミングでやればいいが、誰かと一緒に暮らしているとそうもいかない。

早くやって、いつやるの?
と煽られ、自分がほかのことをしたいタイミングやそんな気分じゃないときでも重い腰を上げてやらなければいけない。

仕事で溜まった疲れや理不尽なストレスを家で癒したいのに、家にいたらいたでこういうイライラが生まれる。

マイペースな人間なのに、仕事もプライベートも他人の都合でばかり動いて心が休まらない
だから、ほっとできる自分時間を確保するためにも一人暮らしをしたいのだ。

ちなみに、実家暮らしでも心の平穏を保つため、私なりに考えた得策を以前こちらのnoteに書いている▼

一人暮らしをしたい理由は、ほかにも山ほどある。

30過ぎで実家暮らしの人間に向けられる世間からの眼差しや、結局おままごとの延長程度でしか身の回りのことができていないこと、自分の好きなもので空間を作りたいのにそれが叶わないこと、恋愛や副業など新しいことに挑戦したくても環境が整っていないこと。

こんなに挙げられるなら、もう一人暮らし一択しかないのに、母が寂しがるだろうな、という気持ちを過度に汲み取ってしまって、強行できない

一人暮らししたいって言う子供に反対する親なんている?

と友人に言われ、そうか、私が思い込んでいただけで、案外サクッと進む話なのかもしれない、と思ったが、今のところ3度話を持ちかけて全敗している。

1度目はLINEで、30歳という節目の歳だし、自律するために一人暮らししようと思う
え!結婚するなら分かるけど〜

2度目は直接、ねぇ一人暮らししたい!
転職はしないの?

3度目はまたLINEで、30歳中に一人暮らしするのが目標だから、そろそろ動こうと思う
一人暮らしはお金かかるよ

お分かりだろうか。
なんでしたいの?とかいいじゃん、してみなよ!ではなく、私が嫌がりそうなことを返して黙らせる作戦なのだ。

毒親という言葉はあまりにも刺激が強いし、自分の親がそれだとは思いたくないが、娘がこうしたいということを何度も持ちかけているにも関わらず、とんちんかんな返しでそのまま話を流す

毎回結構な勇気を振り絞っているのに、一度もまともに向き合ってくれない。
人の気も知らずに、自分が寂しいという感情だけに支配されている。

あなたの寂しさは紛れるかもしれませんが、将来的に娘が親に依存する子供部屋おばさんになってもいいんですか?私の人生に責任とれますか?と問いたい。
いい加減な対応をしてくる母にだんだん腹が立ってくる。

こっちも揉め事が嫌いだから、めんどくさ、と思いすぐフェードアウトしてしまうのだが、ケンカになるのが嫌だから、私が我慢すればいいや、という思考からそろそろ脱却した方が良さそうだ。

ちゃんと話し合いのできる大人になりたい。
じゃないと、私ばかりが損するし、生きづらくなる。
いつも人生が思いどおりにいかないことに不平不満を垂れて、不幸な一生を送りたくない。

30年もこういう生き方をしてきてしまったから、簡単には変われないけど、こうやって気付けたこと、そして変わりたいと思えてること自体が成長してる証だと自分を鼓舞する。

母のことを悪くは言いたくないし、リスペクトしてる部分もある。
でも、私も一人の個だし、一時の寂しさに寄り添ってこのまま自分の気持ちに蓋をし続けてしまったら、やがて我慢できなくなるときがくる。

そのときはきっと、私の人生こんなはずじゃなかった。ママのせいで、と母親のせいにしてしまうと思う。

母娘依存の末路にそんな未来が待っているなら、早く舵を切った方がいい。
今なら軌道修正できるし、お互いにとって幸せな未来を創れるはずだ。

もがき苦しむことはあっても、決して人生に悲観せず、この状況から脱出する方法を模索する。

大丈夫、私はきっと変われる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?