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自分の軸を立てると、つながりたい人たちが見えてきた

このところ、ブックライティング の仕事が続き、いやもうハマってます。一気に終わらない感じが、山を超えていく感じが、楽しい。今日なんて、やっと使う資料がまとまり、クリップどめできた資料の山みているだけで幸せな気持ちになった。

けれど、わたしには、この原稿を「商業出版」するほどの力がないいちライターだ。

仕事の多くは、持ち込み用の原稿をまとめたい、や、社史をまとめたい、自叙伝を書きたい、といった個人的な相談から発展してきたもの。

おそらく、多くの人たちがわたしに「商業出版」へのルートを期待したのであろうが、わたしには、そりゃあいくつかの経験はあるし、出版化のルートがどのようなものかも何となくわかっているが、

・そこに強く太いパイプがあるわけでもなく
・商業出版だけが道であるともおもっているわけでなく
・出版プロデューサーのようにグイグイやれるわけでもなく
・どちらかといえば書くことに情熱をもっとかけたい

という自分のことを深く理解してあげてからは、

「わたしは出版化を確約できるわけではないが、原稿作りには自信がある。依頼してくださるなら、むしろそこに注力して本当にいいものを作りたい。よって、原稿作りまではやるが、それ以上のことはサポートできない」

とあらかじめクライアントさんにお伝えし、合意いただいた上でブックライティングをスタート!させてもらうようにしている。

そして、そのようにしてから、明らかに自分の心が軽くなったし、資料にクリップするだけで幸せな自分になった(笑)。


商業出版したい気持ちは、痛いほどわかる。そりゃあ、できたら嬉しいし楽しい。が、同時にそれは、そうかんたんなものでもない。

だからこそ、お互いが自信を持ってコンテンツを原稿に作り上げた時、出版の道がするすると開いていくような、どう進めばいいか見えていくような、そんな仕事を、わたしは書くことでしたいと思った。


最初は、「相談にこられているのに、出版の確約できないまま原稿作りするなんて・・・」と、恐縮したものだ。

けれど、自分のやれること、できること、やりたいことを掛け合わせたら、ブックライティング はもう煌々と輝いてわたしの中心にあって、

「それだけをやらせてください」

と伝えるようになり、そのようにしたら、不思議と「お願いしたい」が続くようになった。


わたしは、今はもっと「繋がりたい」。

原稿をブラッシュアップしてくれる優れた編集者さん、もしかしたら一番読解力があるかも知れないデザイナー、ものごとをグイグイ動かし交渉できる出版プロデューサー・・・

自分がやりたいと思えた原稿(企画)には一定の自信があり、それをできるだけ出版業界につなげられるような、わたし以外のプロフェッショナルと、ああ、出会いたいなあと思うのである。

こちらでも述べたように、出版とはチーム競技だと思うのだ。
この原稿をもっとたくさんの人に読んでもらいたい!そういう思いを共有できるチームと出版化を見送れた方が、絶対に楽しい。


必ずしも商業出版だけが「めでたい!」のではない、何かこう、プロが集まって、一緒になってあらゆる形の出版化を目指し、「この本、いいよね〜!」「売れる!」「こうした方がいいんでは?」とかヤーヤー言いながら、本づくりというプロセスを共有してみたい。

ただの引きこもり系ライターだと思っていたけれど、自分の本当の願いというのはそうじゃないらしい。

もっと、出版というたくさんの人の想いを届けるフィールドで、自分の能力を使い尽くしたい、と思っている。

出版の、フリーランス集団。
そんなの、もうどこかに、あるんでしょうか。



数年前に出会った左官屋さんのことを思い出す。

知人の紹介で一度だけ雑談を交わしたことのある、その左官屋さんは、県外から講演か何かでやってきていた方で、自分がなぜここにいるかという話から、使用する塗料が国産の徹底した自然素材であることなどを教えてくれ、さらには

「自分は、壁しか塗らないんです。天井はやらない。壁だけなんです」

といった。

業界において「壁しか塗らない」というのがどのくらい珍しいのかわからないが、この時のわたしは少なくとも驚いたよ。壁塗るなら、天井も塗ったらええやん、と。(笑)

「でもそうしてたら、壁しか塗らない珍しい奴がいる、と悪目立ちして。それが関係者の間で広がり、逆にこうやって呼ばれたり、仕事につながったりしています」

と。


ちょっと前で「わたしは書けたら十分」と思っていた。
けれど、自分の軸をちゃんとたてたら、逆に人が近づいてくれるようになった。あの時の左官屋さんの言葉を、やっと経験とともに理解しつつある、そんな気持ちだ。


「自分はこうです」といってみることは、コンフォートゾーンから出ることでもある。でも、一歩踏み出したその先に、また違う世界との出会いが広がっている。

誰かのことをうらやましく思ったり、妬んだりしている時ほど、実は「自分もそうしたいのにできない」と思い込んでいる。だけ、なのよね。

そういう時こそ、他の人に矢印を向けるんじゃなくて、自分から何を引けばいいのかを考えてみる。本当にやりたいこと。本当に繋がりたい人。本当にのぞむ世界。

そこに目隠ししているのは、自分。
気付いたら早いよね、取るだけだから。




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