冷徹であらねばならぬ?小説家という職業
こちらの本を読んでおります。面白い!
まだ途中なので、感想は別の機会に譲りたいのですが、
私は、物語というものを書いたことがなく、それらに親しんだこともなく、ただ小説がどのように作られるかを知りたくて手にとってみたわけなのですけれど、
これが冒頭からものすごく面白くて、別に小説を書こうとしていない私にとっても、非常にためになる「皿」(本書の上での小説の書き方、マナーのこと)がみごとにおもしろおかしく並んでいます!
小説って壮大な嘘でもありますよね。私にとっては少なくともそうです。だから、そういう想像や妄想や設定が事細かにできる小説家というのは、私からすると相当なロマンチストというか、夢想家というか、空想家というか、
なんとなくつかみどころのない世界をつかみどころのあるものに表現していく人たち、というつかみどころのないイメージでいたのですけれど、
ちがう違う。全然ちがう!
小説家というのは、私のように「ノンフィクション が好き」といって現実路線を主張するものたちよりもずっとリアリストで、大変に論理的で合理主義で、想像以上に策士、だったのか・・・・?!
というところまで来ています。(ほんとか)
それはつまり、小説家というのは、物語を面白くするための型やパターン、ルールを知り尽くしている人なのだ、ということだとも言えます。
こういう主人公あるいはこういうテーマを描くのであれば、こんな親友や、こんな事件が必要、と言った具合に、
その選択には一切の感情的な揺らぎがなく、作品を作品たらしめるために血も涙もない設定を選び尽くしていくわけなのですね。
ノンフィクションやエッセイなどであれば、主張(いわば主観)に基づいて事実を編み上げていく、そのようなプロセスですから、
「このエピソードは使える」「取材で取れたコメントしか使わない」という、頭使っているようで使わなくていい<素材>に基づいた文章作成技法ともいえるでしょう。
それが小説とやらは・・・
思っていたよりもずっと、非情で冷徹であらねばならぬ人たちなのかもしれない、というのが今のところの感想です。
人称の問題や、小説を書くときの枚数感覚、一行アキについて、など冒頭のメニューは、
ジャンル問わず文章を綴る人たちにとっての基本のき、非常に重要なメッセージになっているので(とは言え全然難しくないし、むしろめちゃ笑える)、
本を書きたいという方には大変にお勧めしたい本。って私もまだこれからですが。すでに、何度でも読み返したいと思える本に出会えて嬉しい読書の秋です!
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