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「ありがとう」は、どんな方法でも伝えた方がいい

ほんのちょっとしたことだったんですけれど。

引っ越した矢先、いきなり雨漏りが発覚しました。お盆ごろのことです。でも、あれですね、最近の大家さんて、管理を「管理会社」さんに一任しているんですね。

今年のお盆は雨が多かったですから、雨漏りが発生した時点で向こう1週間は雨の予報。これはどうしたものかと、そっこーで管理会社さんに電話したところ、

晴れないと作業ができないので、養生などして様子をみてください

と返答されました。様子を見てくださいったって、これから1週間どうすんのさ!と思ったけれど、どう考えても今できることはバケツを準備することしかできなさそう。

というわけで

雨漏りを耐え忍んでいたら、晴れ間が続くようになった8月下旬、大工さんが来訪し、どういう状況なのかを視察。状況を教えてくれました。

フリーダイヤルした時点では本当にちゃんとやってくれるのか顔も電話番号も見えず不安だったのだけれど、思ったより迅速に丁寧に対応してくださったので一安心。

そのうち、この管理会社さんの対応について、私の中で「ありがたい」ポイントがどんどん溜まっていきました。

最初の視察から、業者さんからの連絡、見積もり、工事・・・連絡が途絶えたこともありましたが、なんだかんだで3週間くらいかけて予定通り、きっちり治してくださった。

また、何か動きがあるたびに、「明日はこういうことがあります」「今この段階です」と電話が来たことも、助けになりました。


で、先日のことです。「全ての工事が完了しました」という留守電とともに、ショートメールでも丁寧な報告。担当者のお名前とともに「全て完了した」という連絡が入っていました。

私は、そのどれにも仕事やら携帯の置き忘れやらで直接とることができず、連絡は全て留守番電話で確認するばかり。

その日までに「ありがたい」ポイントがマックスに溜まってしまっていたこと、せっかく連絡いただいたどの電話にも出られなかった罪悪感もあり、また、私がもし担当者だったら「一回も話せなかったけどこいつ大丈夫かな…」と不安になるっていうHSP気質も働き、

いまだかつて直接お話ししたことがない担当者に、お礼が言いたい……!

という気持ちが抑えきれなくなり、私と管理会社をつなぐ唯一の窓口、フリーダイヤルに電話し直すことにしました。(ショートメッセージではなぜか返信ができなかった)

フリーダイヤルとは、着信側が電話料金を払うというシステムです。料金を払ってもらって、特に用事があるわけでもない、お礼の電話をする・・・かえって失礼なのだろうか・・・

とも思ったけれど、モヤモヤするので電話することにしました。


電話にでた担当者さんは、おそらく、私が最初に状況を説明した時に話を聞いてくれた人ではなかったと思います。そしてまた、頻繁に連絡をくれたその人でもなかった。

誰でもいいからとにかく手短に、

かくかくしかじかでご迷惑になると思ったんですけれどお礼が言いたくてもごもごもご、とにかくありがとうございました!!!

と伝えた途端です。

ぱあああああッと電気がついたみたいに、電話口の向こうの声が明るくなりました。本当に。トーンも違えば、表情もきっと違っただろうくらいの変わりようでした。

その声の変化を聞いた途端、窓口のその人の、日頃のご苦労を一瞬で理解した。

この番号にかかってくる電話の内容のほとんどが、不具合かトラブルか「なんとかしろよ!」のクレームであることを。

私も雨漏りが発覚した時、「おいおいこれからどうすりゃいいの!」って焦って感情的になり、口調もキツくなりがちだったから余計に。

お通夜のようだった電話口の声は、最後には「わざわざ本当にありがとうございます!担当者に伝えておきます。本当に、ありがとうございます。こちらこそです」と、ありがとうございます、の応戦になり、私は幸せな気持ちで電話を切りました。


電話対応のマニュアルにあるような、営業トークのひとつだったかもしれないですよね。でも、その激変ぶりを感じ取った私が素直に思ったことは、

「ありがとうは、どんな手段でも、どんなにタイミングずれててても、伝えたほうがいい」

ってことでした。

ありがとうを伝えることの効用って、小林静観さんなどの著書でも有名ですが、

ありがとうを伝えることは、実は、伝えられたその人より、それを伝えた本人側への作用の方が、多分ずっと大きい。

実際、私の中にも心にやさしい波紋が広がるような幸福感は残っていて、担当者さんが安心してくれたかどうかはさておき、自分の中のこの感覚は忘れないようにしたい、と思いました。

フリーダイヤルでお礼を伝えた、っていうのがオチとして弱いが。

「ありがとう」を伝えそびれている件があったら、遅すぎるとか小さいとか手段が、とかそんな理由さがしどうでもいいから、とにかく「伝える!」。

それを声を大にしてお勧めしたい、ということです。

ありがとうを言って、言われて、不幸せになる人間なんていないですね。私もこれを機に、言いそびれたありがとうを伝える実践、していきたいと思いってます。

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