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COVID-19による生活の変化と避難民キャンプ【バングラデシュ・コックスバザール】

2020年5月からバングラデシュで活動するNGOで働きはじめましたが、出国もできず動けずで、前任地の東ティモールからリモートワークで業務を開始しました。現地の様子についてスタッフからレポートをもらったのでここから情報発信していければと思っています。=====================

世界中で瞬く間に拡大しているCOVID-19は支援地域であるバングラデシュ・コックスバザールにもやってきました。5月21日現在、バングラデシュでの感染者は累計26,738人、死亡者は386人に達しています。地元の新聞では避難民キャンプにおいても10名の感染者が出たと報道されています。バングラデシュでの感染状況、政府の措置や人々の生活の制限や変化、避難民キャンプ内の状況について、現地スタッフRajuからの声をお伝えします。

◆COVID-19感染者数の推移と政府の措置
バングラデシュ政府の措置は比較的早く判断されているのですが、感染は止まりません。そして、国内の医療水準(施設、器具、医者の技術)を考慮した場合、感染爆発を防ぐ必要があるため、早期の国境閉鎖、ロックダウンなど強硬的な措置が取られ、保健省等の政府機関をはじめ、国連機関、NGOの予防のための活動が続けられています。

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◆街の様子と感染予防対策
コックスバザールでは普段はマスクもすることもありませんが、皆マスクをして移動し、挨拶の際にも握手なし、ソーシャルディスタンスを保とうと意識している人が増え、人との距離が遠く感じます。
さらには、政府の外出自粛要請と一般店舗の営業制限により、午後6時以降は基本的に外出ができません。私自身も故郷のバンドルバンから単身赴任でコックスバザールで仕事していますが、公共交通機関であるバスも運休となり、4月以降、一度も家族のもとへもどれていません。トムトム(三輪バイク)の限定的な運営、流通や人の行き来の制限により、市場の野菜も新鮮なものを手に入れることが難しいです。オフィスアワーも8時~4時と政府からの要請により制限され、住居から事務所までの行き来で今までに何度も軍隊や警察に止められることもあったり、いままでと同じような生活ができないことにストレスを感じています。そして、私と同じようなストレスを抱える人はたくさんいると想像します。

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▲コックスバザール市内の商店

◆避難民キャンプの様子
コックスバザールのロヒンギャ避難民キャンプでは、既に10名の羅患者が出ています。インターネットへのアクセスがないキャンプでは、COVID-19予防啓発や手洗い推進だけでなく、モンスーン(サイクロン)到来の時期も近づき、その予防のための準備も始まり国際機関、NGOの活動も止まることなく進められています。UNHCRからは770のベッドをキャンプ内に準備しているとのことですが、もし1名でも感染が確認されたら狭い空間に暮らしているキャンプではあっという間に広がってしまうことが心配されています。
3月中旬からはキャンプ内での活動に制限がかかり、必要不可欠な活動以外は許可されなくなり、当団体とパートナー団体もRRRCやCiCに、COVID-19感染対策を含む活動許可の申請をして、スタッフもマスクやグローブ等の防護用具着用して気を付けながら活動を継続しています。しかしながら、5人以上集まっての会合が禁止されていることもあり、これから開始する衛生施設修理チーム育成のためのトレーニングもCOVID-19の状況が落ち着いたら活動が進められるようチームスタッフと準備中です。
4月に入ってから各地で報道されている、ロヒンギャ難民船のニュースも心が痛みます。バングラデシュで保護された難民船についてはWHOを中心に14日間の隔離後、上陸の手続きをとっていく準備をしているそうです。

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▲キャンプ内のIRCコミュニティヘルスボランティアのCOVID-19予防促進活動

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