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母のとわず語り

母、お昼ご飯。私、寝不足で、向かい合わせて、ひじついて、ぼっーと聞いていた。

「戦争が終わってなあ・・

農地をもらったんやわ(GHQの農地改革)・・じいさんが戦死して、お父さんが土地を相続したんや・・」

「ふ〜ん」

「竹藪道に、何も持たずに、高松の観音様、見に行っていた・・」、私。


「なんやら、サバ土(地層)のところが抉り取られて、観音様の石の裏には、なんか彫ってあるみたいじゃった・・」

「いや、観音様をどかすという、不埒なことはせん!!」

「あの観音様はなあ。曾祖父さんの時代に、○○の娘さんがなあ・・

なんか大きな石が夢枕に立ったようで。その頃、この辺りに、大水が出てなあ・・

それで、石が転がってきたらしいわ。それで、その大石に何かご利益があるかもと、明治時代に、石仏にして、今あるところに、祀ってある。」

「花が活けてあった・・」

「私は、参加できなかったけど、高松の観音様の行事が最近あってなあ・・そういうことよ」

「それにしても、その脇にある、巨大大木は、見事じゃね・・根っこが、まるで恐竜並みに、土に食い込んでおる。上を見ると、葉っぱは、ついておらんかったけど・・」

「あれは、雑木やで・・。」

「いや、あれは、もしかしたら、ブナかもしれん。明治より以前の樹齢と見たわ。」

「江戸時代から、人が、行き交うところをきっと、見ていたに違いないと思うけど。」


「そやな、この竹藪道は、昔は、街道やったでなあ。わかるやろ?」

「たばこ屋が、タバコが出る前に、そこの休耕田に「田舎饅頭」を作ってお店を出してたわ」

「うん、うん。(近くには、昔の人が組んだであろう石組みが残っていた)」

「古窯の跡、登り窯かも知れんけど、あったらしいで・・」

「歯が痛いと、お参りに行くね。(右手を頬に当てて、膝組みしている)」

「心が痛いのも、いいかも知れないね・・・」


「???????」


「あんた、眠いんか?」


「ボッーとしとりたいだけや・・・」

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